卒前・卒後のコンピテンシー獲得に至る多様なプロセスを支援する多面的な評価情報が集約化されたダイナミックシラバスの開発とその効果検証に関する研究 

文献情報

文献番号
201803027A
報告書区分
総括
研究課題名
卒前・卒後のコンピテンシー獲得に至る多様なプロセスを支援する多面的な評価情報が集約化されたダイナミックシラバスの開発とその効果検証に関する研究 
課題番号
H30-ICT-一般-004
研究年度
平成30(2018)年度
研究代表者(所属機関)
岡崎 仁昭(自治医科大学 医学教育センター)
研究分担者(所属機関)
  • 佐田 尚宏(自治医科大学 消化器一般移植外科学)
  • 川平 洋(自治医科大学 メディカルシミュレーションセンター)
  • 山本 真一(自治医科大学 卒後臨床研修センター)
  • 松山 泰(自治医科大学 医学教育センター)
  • 淺田 義和(自治医科大学 情報センター)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 行政政策研究分野 政策科学総合研究(臨床研究等ICT基盤構築・人工知能実装研究)
研究開始年度
平成30(2018)年度
研究終了予定年度
令和2(2020)年度
研究費
18,720,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
医学教育においては、日本医師会および全国医学部長病院長会議による「卒前卒後のシームレスな医学教育を実現するための提言」、医学教育モデル・コア・カリキュラムの改定などにより、卒前・卒後で提示されるコンピテンシーが統一化された。知識・技能・態度の3要素に関するシームレスな能力育成が必要である。一方で、こうしたコンピテンシーを基盤とした学習についての支援方策は不十分である。本研究ではダイナミックシラバスの開発を行い、学生の総括的評価に加え、知識・技能・態度に関する形成的評価を行い、医師としてのコンピテンシー達成を自己および他者評価する支援システムを整える。さらに、卒後も同一のシステムで学習履歴を管理できるようにし、卒前・卒後の連携をはかることを目指す。
研究方法
本研究は2018年度から2020年度までの3カ年で計画する。2018年度はシステムの構築完成および部分的なトライアル運用を行った。この中で、【開発1:Moodleベースの入力・閲覧操作を可能とするシステム開発】【開発2:機械学習による臨床能力の客観的評価が可能なシステム開発】【開発3:一括サーバ管理による学習成績と臨床研修データを統合するシステム開発】については専門の業者と協力しての委託開発を行い、【環境整備1:初期臨床研修の評価表に関する電子化】【環境整備2:シラバスの電子化】【環境整備3:モデル・コア・カリキュラムおよびディプロマポリシーの設定】【環境整備4:オープンバッジ等を用いた到達度評価の準備】については研究分担者によって学内にて設定・開発を行った。
結果と考察
業者に委託した開発については、全開発案件とも年度内に完了することができた。一方、2019年度に向けて実運用およびそれにともなう改善点の調査および必要に応じた改修を行うことは今後の課題の一つである。また、学内での設定・開発についても概ね順調に進捗しているが、【環境整備4】についてはやや進捗が遅れている。これは実運用を行うためのMoodleサーバの納品が年度の終了間際になってしまい、本番環境での設定を行うための時間的な余裕が不足していたことが原因として考えられる。一方、本項目は学習に用いるコンテンツそのものではなく、「学習者に対し、学習が完了した項目についてどのように見せていくか」という部分に関わるものである。このため、仮に設定が未完了であったとしても学習そのものには影響が少ない。
委託開発として実施したMoodle用プラグイン開発、およびMoodle利用促進のための教材開発については、いずれもその成果物を公開して広く利用することが可能となるような委託契約を結んでいる。このため、平成30年度の研究成果の1つとして、Moodleユーザに対する公開を検討している。また、特にプラグインについては、Moodle開発元への投げかけも視野に入れるため、日本ムードル協会の協力等も得つつオープンにしていく予定である。
結論
2018年度の研究として、ダイナミックシラバスとして学習者の学習履歴を集約管理し、学習者による自己評価・省察支援および教員・指導員による評価結果の閲覧・入力を支援するシステムの構築を目指した。本研究ではMoodleを基盤とし、卒業生など学外の学習者に対しても教材の発信や学習履歴の管理、フィードバックを行うため、必要なサーバ機器の選定・購入、およびMoodleの機能拡張を行った。2019年度および2020年度にてシステムのトライアル運用および得られたデータを元にした学習効果の検討などを行う。

公開日・更新日

公開日
2019-11-15
更新日
-

研究報告書(PDF)

公開日・更新日

公開日
2019-11-15
更新日
-

研究報告書(紙媒体)

収支報告書

文献番号
201803027Z