医療現場のAI実装に向けた諸外国における保健医療分野のAI開発及びその利活用状況等についての調査研究

文献情報

文献番号
201803024A
報告書区分
総括
研究課題名
医療現場のAI実装に向けた諸外国における保健医療分野のAI開発及びその利活用状況等についての調査研究
課題番号
H30-ICT-一般-001
研究年度
平成30(2018)年度
研究代表者(所属機関)
東條 有伸(東京大学 医科学研究所 先端医療研究センター 分子療法分野)
研究分担者(所属機関)
  • 山口 類(愛知県がんセンター 研究所)
  • 湯地 晃一郎(東京大学 医科学研究所)
  • 安井 寛(東京大学 医科学研究所)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 行政政策研究分野 政策科学総合研究(臨床研究等ICT基盤構築・人工知能実装研究)
研究開始年度
平成30(2018)年度
研究終了予定年度
令和1(2019)年度
研究費
5,540,000円
研究者交替、所属機関変更
2019年2月1日付で研究分担者山口類の所属機関が以下のように変更となった。 変更前: 東京大学 医科学研究所 変更後: 愛知県がんセンター 研究所    以上

研究報告書(概要版)

研究目的
我が国において保健医療分野におけるAI研究開発・活用をよりスムーズに進めるために、我が国の現場で顕在化していないAI研究開発へのニーズや課題の明確化、および我が国全体で取り組むべき項目などを把握するために、保健医療分野のAI開発研究の状況等を明らかにする必要がある。本研究班では、AIの臨床的位置づけと活用の実態、先行する諸外国におけるAIを活用した診断・治療支援機器開発と社会実装のしくみを調査し、国内におけるAI医療導入における課題解決を検討する。
研究方法
本年度は、保健医療分野重点6分野を中心に医療AI研究開発と利活用の動向、開発基盤に関する項目について文献をもとに調査し、学会参加および有識者からのヒアリング等を国内外のAI研究者、開発企業に協力を求め以下の項目について文献調査した。
1)AIの臨床的活用の実態、薬事承認の現況
2)AIの数理モデルの構造および活動目的
3)AI研究開発における諸外国の国際競争力、政策動向、投資の現況
4)AI技術を活用した医療機器に対する法制度・認可プロセスの現況
既存資料等にない最新のAI開発状況等を収集するため、研究班として米国、中国の実地調査を行った。
結果と考察
本年度は、保健医療分野におけるAI活用の実態、AI開発における諸外国の政策動向、投資、国際競争力の動向、数理モデルの構造および活動目的、米国における人工知能を用いた医療機器に対する法制度・認可の現況を主に文献および国際学会での情報収集を通じて、調査を行った。
とくに米国において、研究開発への積極的な投資と、法制度・認可プロセスの整備が進み、この2~3年でFDA承認AI医療機器が急増していることは特筆に値する。承認例の事例研究により、米国ならではの先進的な開発プロセスが見えてきた。また今後は、AI技術の開発に必要なデータソースのシェアリングの仕組みの整備も重要と考えられる。
我が国も諸外国の現状を踏まえた将来を見据えた法制度の構築、承認プロセスの確立、より積極的な投資戦略の検討と基盤構築が急務と考える。
結論
研究班の本年度の研究では、諸外国の保健医療分野におけるAI活用の実態と研究開発の基盤を検討した。とくに米国において、先進的な法制度・承認認可プロセスの構築と積極的な投資により、医療現場に届くAI医療機器が次々と承認されている現況が明らかとなった。次年度も引き続き海外の事例を丹念に研究し、医療現場のアンメットニーズを満たす有用なAI医療機器を我が国で円滑に開発するための提言につなげたい。

公開日・更新日

公開日
2019-11-15
更新日
-

研究報告書(PDF)

公開日・更新日

公開日
2019-11-15
更新日
-

研究報告書(紙媒体)

収支報告書

文献番号
201803024Z