文献情報
文献番号
201724001A
報告書区分
総括
研究課題名
医薬品等の広告監視の適正化を図るための研究
課題番号
H28-医薬-一般-005
研究年度
平成29(2017)年度
研究代表者(所属機関)
白神 誠(帝京平成大学 薬学部)
研究分担者(所属機関)
- 中島 理恵(日本大学 薬学部)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 健康安全確保総合研究分野 医薬品・医療機器等レギュラトリーサイエンス政策研究
研究開始年度
平成28(2016)年度
研究終了予定年度
平成30(2018)年度
研究費
2,390,000円
研究者交替、所属機関変更
-
研究報告書(概要版)
研究目的
製薬企業等から医薬品等の使用者に提供される情報の適切性を担保するために、医薬品医療機器等法は虚偽誇大広告を禁止しており、解釈基準として適正広告基準が示されている。しかしながら、地方自治体の指導内容に統一化が図られていないとの指摘があることから、適正広告基準を見直すとともに適正広告基準に基づく適否判断について統一的な運用指針案を策定する。また、初年度の検討過程で健康食品の有効性に関する広告に対し専門家から指摘があったたことから、広告の実態を把握し、医薬品医療機器等法の観点からの健康食品の広告監視の必要性を検討する。また、診療所の医師をモニターとする広告活動監視モニター制度のパイロットスタディを実施し、医療用医薬品のプロモーション活動の監視の手段としての有効性を検証する。
研究方法
5名の診療所の医師をモニターに依頼し、パイロットスタディを実施した。モニターには随時事例を報告するよう依頼し、月1回程度検討会を開催した。
癌への効果が話題にな成分について、googleで検索し、健康食品の有効性に関する広告の実態把握を行った。消費者の健康食品の広告に対する認識等を明らかにするため現在健康食品を利用しているモニターを対象にweb調査を実施した。
癌への効果が話題にな成分について、googleで検索し、健康食品の有効性に関する広告の実態把握を行った。消費者の健康食品の広告に対する認識等を明らかにするため現在健康食品を利用しているモニターを対象にweb調査を実施した。
結果と考察
診療所の医師によるパイロットスタディでは、約6か月の間に16件の事例が報告された。信頼できる根拠データがほとんどないにもかかわらず情報提供が行われていることが事例に共通していた。印刷物を用いて行われたものも少なくなく、組織単位で行われているものと思われる。承認前にもかかわらず宣伝を行っているものがあったが、医薬品医療機器等法違反となるおそれがある。製薬企業のプロモーション活動に病院の医師・薬剤師に対するものと診療所の医師に対するものとの間には違いがあるように感じられた。
Googleの検索結果の上位には、個人のブログや研究会が上がってきて、癌に対する効果をデータを交えながら自由に記述している。一見公正なサイトのように見えるが、アフィリエイト広告と思われるブログや、実質企業がスポンサーとなっている研究会も見受けられる。製品を扱っている企業のホームページに癌に効果がある旨の記述がなくても、検索をかけた消費者はそのように認識するように仕向けられている。
健康食品の使用によって体の不調を感じたことがある人は、web調査の結果で6.1%となっているが、その多くは軽いものであることが伺える。疾患の治療のために健康食品を摂取し治療の機会を逸したり、病気を悪化させたり、治療薬との相互作用により健康被害を生じるケースがあることにも留意する必要がある。これらは、場合によってはより重大な結果を招く恐れがある。Web調査では、聞かれなくても医師に健康食品の利用を伝えると回答した人は14%に過ぎず、聞かれれば話とした人は81%にのぼっていることから、医療関係者は患者に健康食品の摂取の有無を積極的に確認することが必要である。
健康食品の広告は、景品表示法と健康増進法により規制されるが、いずれも健康保持増進効果を表示することそのものを禁止しているわけではない。企業の健康食品の有効性に関する広告に誘発されてその健康食品を使用し、結果として健康被害を生じている事例があるのであれば、医薬品医療機器等法に基づき無許可医薬品として取り締まることも考慮すべきである。
Googleの検索結果の上位には、個人のブログや研究会が上がってきて、癌に対する効果をデータを交えながら自由に記述している。一見公正なサイトのように見えるが、アフィリエイト広告と思われるブログや、実質企業がスポンサーとなっている研究会も見受けられる。製品を扱っている企業のホームページに癌に効果がある旨の記述がなくても、検索をかけた消費者はそのように認識するように仕向けられている。
健康食品の使用によって体の不調を感じたことがある人は、web調査の結果で6.1%となっているが、その多くは軽いものであることが伺える。疾患の治療のために健康食品を摂取し治療の機会を逸したり、病気を悪化させたり、治療薬との相互作用により健康被害を生じるケースがあることにも留意する必要がある。これらは、場合によってはより重大な結果を招く恐れがある。Web調査では、聞かれなくても医師に健康食品の利用を伝えると回答した人は14%に過ぎず、聞かれれば話とした人は81%にのぼっていることから、医療関係者は患者に健康食品の摂取の有無を積極的に確認することが必要である。
健康食品の広告は、景品表示法と健康増進法により規制されるが、いずれも健康保持増進効果を表示することそのものを禁止しているわけではない。企業の健康食品の有効性に関する広告に誘発されてその健康食品を使用し、結果として健康被害を生じている事例があるのであれば、医薬品医療機器等法に基づき無許可医薬品として取り締まることも考慮すべきである。
結論
診療所の医師をモニターとするパイロットスタディから、製薬企業の病院の医師・薬剤師に対するプロモーション活動と診療所の医師に対するプロモーション活動には違いがあり、診療所の医師に対するプロモーションの方がより不適切な事例が多いように感じられた。
広告監視を行う上では、病院薬剤師をモニターとする広告監視制度に加えて、診療所の医師をモニターとする広告監視制度が必要であると思われる。
Googleの検索結果の上位には、アフィリエイト広告と思われるものや、実質企業がスポンサーとなっている研究会も見受けられる。たとえ、製品を扱っている企業のホームページに癌に効果がある旨の記述がなくても、検索をかけた消費者はそのように認識するように仕向けられている。
web調査の結果では健康被害の多くは軽いものであることが伺える。疾患の治療のために健康食品を摂取し治療の機会を逸したり、病気を悪化させたり、治療薬との相互作用により健康被害を生じるケースがあることに留意する必要がある。医療関係者は健康食品の摂取の有無を積極的に確認することが必要である。
健康食品の広告は、景品表示法と健康増進法により規制されるが、いずれも健康保持増進効果を表示することそのものを禁止しているわけではない。医薬品医療機器等法に基づき無許可医薬品として取り締まることも考慮すべきである。
広告監視を行う上では、病院薬剤師をモニターとする広告監視制度に加えて、診療所の医師をモニターとする広告監視制度が必要であると思われる。
Googleの検索結果の上位には、アフィリエイト広告と思われるものや、実質企業がスポンサーとなっている研究会も見受けられる。たとえ、製品を扱っている企業のホームページに癌に効果がある旨の記述がなくても、検索をかけた消費者はそのように認識するように仕向けられている。
web調査の結果では健康被害の多くは軽いものであることが伺える。疾患の治療のために健康食品を摂取し治療の機会を逸したり、病気を悪化させたり、治療薬との相互作用により健康被害を生じるケースがあることに留意する必要がある。医療関係者は健康食品の摂取の有無を積極的に確認することが必要である。
健康食品の広告は、景品表示法と健康増進法により規制されるが、いずれも健康保持増進効果を表示することそのものを禁止しているわけではない。医薬品医療機器等法に基づき無許可医薬品として取り締まることも考慮すべきである。
公開日・更新日
公開日
2018-06-21
更新日
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