遠隔診療の有効性・安全性に関するエビデンスの飛躍的な創出を可能とする方策に関する研究

文献情報

文献番号
201721059A
報告書区分
総括
研究課題名
遠隔診療の有効性・安全性に関するエビデンスの飛躍的な創出を可能とする方策に関する研究
課題番号
H29-医療-指定-019
研究年度
平成29(2017)年度
研究代表者(所属機関)
長谷川 高志(特定非営利活動法人日本遠隔医療協会)
研究分担者(所属機関)
  • 郡 隆之(利根中央病院)
  • 草場鉄周(北海道家庭医療学センター)
  • 前田俊輔(筑紫南ヶ丘病院)
  • 森田浩之(岐阜大学大学院)
  • 鈴木亮二(東北大学病院)
  • 佐藤大介(国立保健医療科学院)
  • 清水隆明(姫路獨協大学)
  • 齋藤勇一郎(群馬大学医学部附属病院)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 健康安全確保総合研究分野 地域医療基盤開発推進研究
研究開始年度
平成29(2017)年度
研究終了予定年度
平成30(2018)年度
研究費
4,000,000円
研究者交替、所属機関変更
研究分担者 鈴木亮二氏 群馬大学医学部附属病院(~平成29年8月)から東北大学病院に異動した(平成29年9月~)。

研究報告書(概要版)

研究目的
遠隔医療推進の機運が高いがエビデンス不足の診療領域への普及が進んでいない。平成29年度半ばからオンライン診療に関する社会的評価が高まったが、遠隔診療を広範に発展させる推進策は十分ではない。遠隔診療にはエビデンスも不足しているが、捉え方も確立していない。そこで遠隔診療の全体像を俯瞰して、推進方策立案の基礎情報を収集し、ロードマップを作る。平成29年度は2年計画の一年目として、遠隔診療の形態や評価視点の調査、推進候補となる先行研究サーベイ、適用可能な診療行為の網羅調査、エビデンス収集方法のモデル化など、基礎的な情報を収集する。それを土台として、平成30年度にロードマップを作る。
研究方法
1.基本情報の収集
文献調査、研究データベース調査、公的データベース(厚生労働統計等)および有識者ヒヤリング。本研究に先立つ厚生労働科学研究や厚生労働行政推進調査事業で蓄積した知見も活用する。
2.情報分析
収集した情報に対して遠隔診療や各医療域の専門家である研究班員による分析や検討を行う。
3.情報の整理と報告
定形的情報分析シート(フェースシート)を先行研究、適用候補の診療行為、研究手法モデルの各々に準備して、スキームに沿った情報のとりまとめを行う。まとまった報告を「中間報告書」とする。
4.ロードマップ検討
中間報告を元に、研究班内で分析・検討を進めて、国・地域・各施設の役割や観点・手法・タイムスパン等をまとめて、ロードマップを作成する(平成30年度)
結果と考察
"1.結果
(1)遠隔診療モデルとして、社会的課題・提供者・対象者など18因子の形態表現、17項目の評価指標を考案した。
(2)高いエビデンスレベルの先行研究238編をサーベイして、10項目の有望対象を見いだした。
(3)多数の有識者に実施したヒヤリングを通して25項目の重要検討課題を見いだした。臨床研究に到達していないが、今後の応用が期待される多くの適用対象を見いだした。ICT活用により、従来は不可能だった診療手法なども検討する。
(4)社会医療診療行為別調査から網羅的に適用が期待される診療行為を多数抽出した。
(5)従来からの研究の問題点などを再検討してDtoPやDtoNtoPでの臨床研究手法モデルを調査した。
2.考察
遠隔診療は臨床研究が難しい対象も多く、エビデンスレベルの高い研究は多くない。遠隔診療を厳格に捉えると、情報通信を用いたピンポイントの診療行為になるが、通常では対面診療を越える能力はあり得ない。その診療法全体のプロセスとして捉えて、ICT(遠隔診療)により、プロセスの他の行為が価値が向上するケースなども捉えることが望まれる。それはチーム医療や地域包括ケアなどと密接につながる。また、新たなデバイス治療や、人工知能やEHR,PHRを活用した診療手段なども検討対象に入る。"
結論
第一年目の研究成果として、遠隔診療の捉え方や適用対象候補などの基本的な情報を得た。これらを元に第二年目にロードマップのとりまとめを進める。

公開日・更新日

公開日
2021-11-16
更新日
-

研究報告書(PDF)

公開日・更新日

公開日
2021-11-16
更新日
-

研究報告書(紙媒体)

収支報告書

文献番号
201721059Z