救急医療体制の推進に関する研究

文献情報

文献番号
201721036A
報告書区分
総括
研究課題名
救急医療体制の推進に関する研究
課題番号
H28-医療-指定-027
研究年度
平成29(2017)年度
研究代表者(所属機関)
山本 保博(一般財団法人 救急振興財団)
研究分担者(所属機関)
  • 横田 裕行(日本医科大学)
  • 坂本 哲也(帝京大学)
  • 森野 一真(山形県立中央病院)
  • 浅利 靖(北里大学)
  • 成松 英智(札幌医科大学)
  • 高山 隼人(長崎大学)
  • 中尾 博之(兵庫医科大学)
  • 織田 順(東京医科大学)
  • 野田 龍也(奈良県立医科大学)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 健康安全確保総合研究分野 地域医療基盤開発推進研究
研究開始年度
平成28(2016)年度
研究終了予定年度
平成30(2018)年度
研究費
4,500,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
(背景・目的)救急車による搬送人員の増加が予測される中、将来にわたり国民の安心、安全を確保するためには、救急医療体制、すなわち、疾病の発症から、消防機関等による救急搬送、救急医療機関での受入れ、診療までの体制を、より一層、強化・充実させる必要がある。本研究では、救急医療体制の現状分析を行うと共に、その体制を強化・充実させるための方策について提言することを目的とした。
研究方法
(方法)各研究分担者は、厚生労働省、総務省消防庁、自治体の公表している資料、新たに研究班で実施したアンケート調査などの分析、文献調査、会議形式の議論などを中心に研究を推進した。研究分担者は、研究代表者の調整のもと各研究の方向性を一致させた。
研究内容を次の通りとした。
【①病院前医療の課題】(ア) 地域包括ケアにおける救急医療と在宅医療の連携に関する研究(イ) メディカルコントロール体制と救急救命処置に関する研究【②救急医療機関の課題】(ウ)二次救急医療機関の現状と評価に関する研究、救命救急センターの現状と評価に関する研究、高度救命救急センターの現状と要件に関する研究【③両者の連携を支援する体制】(カ)救急患者搬送受入の実態と実施基準の効果に関する研究(キ)ドクターカーの活用と類型化に関する研究

結果と考察
(結果)地域包括ケアにおける救急医療と在宅医療の連携に関する研究(橫田、中尾、辻)では、在宅医療の実際と齟齬のない救急現場活動を展開するための救急ガイドライン(GL)に必要な項目として、①搬送依頼元、②かかりつけ医または在宅医、③患者の基礎疾患(悪性腫瘍末期、老衰)、④要介護度、⑤高齢者の日常生活の自立度の5項目抽出した。今後、在宅医療の5項目を救急活動記録に導入し、各種GLに追記することで、相互の関連を解析することにより、救急医療と在宅医療の諸課題が明確になると考える。救急救命処置に関する研究(山本、田邉)では、受け入れに至らなかった理由の分類方法についての改善案を提示した。それをもとに受け入れに至らない理由を救急医療機関側が判断し、消防機関に伝え、それを集計することで、受け入れに至らない理由をより正確に把握することが可能となる。二次救急医療機関の現状と評価に関する研究(浅利、織田)では、二次救急医療機関の自己チェック票を各二次施設が活用することにより、各施設は自主的に質の向上のための努力が可能であると考えられた。救命救急センターの現状と評価に関する研究(坂本)では、今後予定されている新しい評価方法充実段階評価については、その評価の適切性について十分に担保される必要がある。ドクターヘリ・ドクターカーの活用と類型化に関する研究(高山、野田)では、今後は、調査結果の分析を進め、ドクターカーシステム及び車両としてのドクターカーが満たすべき要件の提案へ向けて、議論を進める必要がある。
結論
(まとめ)救急医療体制の現状分析を行うと共に、その体制を強化・充実させるための方策について提言することを目的とし、救急搬送と医療機関の受入れ体制を ①消防機関による搬送、病院前救護などの病院前医療の課題 ②搬送された患者を受け入れる救急医療機関の課題 ③両者の連携に関する課題 の3分野に大別し研究を推進した。それぞれの分野について、救急医療体制の現状分析を行うと共に、その体制を強化・充実させる方策を提言した。

公開日・更新日

公開日
2019-05-21
更新日
-

研究報告書(PDF)

研究成果の刊行に関する一覧表

公開日・更新日

公開日
2019-05-21
更新日
-

研究報告書(紙媒体)

収支報告書

文献番号
201721036Z