医療事故調査制度の実施状況等に関する研究

文献情報

文献番号
201721031A
報告書区分
総括
研究課題名
医療事故調査制度の実施状況等に関する研究
課題番号
H28-医療-指定-018
研究年度
平成29(2017)年度
研究代表者(所属機関)
種田 憲一郎(国立保健医療科学院 国際協力研究部)
研究分担者(所属機関)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 健康安全確保総合研究分野 地域医療基盤開発推進研究
研究開始年度
平成28(2016)年度
研究終了予定年度
平成29(2017)年度
研究費
1,440,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
平成11年に相次いで発生した医療事故を契機に、患者や医療界からの要望を受け、政府や与党において、医療事故調査制度に向けた議論が続けられてきた。今回の医療事故調査制度については、医療の安全を確保することを目的として、平成26年6月に「地域における医療及び介護の総合的な確保を推進するための関係法律の整備等に関する法律案」に含まれる医療法の一部改正案として成立し、平成27年10月に施行をされたところである。
平成28年6月に一部改正の通知が出され、全国規模での支援の仕組みも次第に整い、収集された報告事例から具体的な再発防止の提案も示され始めた。しかしながら、その後も継続して検討する項目や、さらに一定期間以上の実施状況を勘案しなければ見えてこない課題等もあると考えられた。そのため本研究では、医療事故調査・支援センター(以下、センター)に集積された情報、支援団体の活動状況等、医療機関における実施状況等について、整理、分析を行い、諸課題の整理を行うことを目的とした。
研究方法
1)センターに報告された事例について、これまでは報告月毎に集計してきたが、死亡日などを基準に分析することや、都道府県毎の報告数のバラツキと医療安全支援センターへの苦情の受付数との分布分析、センター調査の有無とその因子などの分析などの分析を行った。
2)センターが委託した医師会が実施した研修後の支援団体および医療機関の参加者へのアンケート調査を分析した。
3)都道府県の支援団体によるホームページ(HP)からの情報発信の有無についてレビューを行った。
結果と考察
1)センターに報告された事例について、多面的に本制度を評価できる可能性が示唆された。
2)研修後の支援団体および医療機関のアンケート結果からは、依然として、報告すべき事例の判断について迷うことがあることが示唆された。
3)都道府県の支援団体によるホームページ(HP)からの情報発信は、限定的であることも示唆されたが、都道府県別の報告数のバラツキの要因については、さらなる分析が必要である。
結論
本制度に関わる様々な取組みが整備されつつあるが依然として課題もあることから、本制度に関する活動状況については第三者が客観的かつ継続的に分析をし、提言・支援することが本制度の効果的な推進には有用と思われる。

公開日・更新日

公開日
2018-12-27
更新日
-

研究報告書(紙媒体)

文献情報

文献番号
201721031B
報告書区分
総合
研究課題名
医療事故調査制度の実施状況等に関する研究
課題番号
H28-医療-指定-018
研究年度
平成29(2017)年度
研究代表者(所属機関)
種田 憲一郎(国立保健医療科学院 国際協力研究部)
研究分担者(所属機関)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 健康安全確保総合研究分野 地域医療基盤開発推進研究
研究開始年度
平成28(2016)年度
研究終了予定年度
平成29(2017)年度
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
平成11年に相次いで発生した医療事故を契機に、患者や医療界からの要望を受け、政府や与党において、医療事故調査制度に向けた議論が続けられてきた。今回の医療事故調査制度については、医療の安全を確保することを目的として、平成26年6月に「地域における医療及び介護の総合的な確保を推進するための関係法律の整備等に関する法律案」に含まれる医療法の一部改正案として成立し、平成27年10月に施行をされたところである。
平成28年6月に一部改正の通知が出され、全国規模での支援の仕組みも次第に整い、収集された報告事例から具体的な再発防止の提案も示され始めた。しかしながら、その後も継続して検討する項目や、さらに一定期間以上の実施状況を勘案しなければ見えてこない課題等もあると考えられた。そのため本研究では、医療事故調査・支援センター(以下、センター)に集積された情報、支援団体の活動状況等、医療機関における実施状況等について、整理、分析を行い、諸課題の整理を行うことを目的とした。
研究方法
1)センターに報告された事例について、これまでは報告月毎に集計してきたが、死亡日などを基準に分析することや、都道府県毎の報告数のバラツキと医療安全支援センターへの苦情の受付数との分布分析、センター調査の有無とその因子などの分析などの分析を行った。
2)センターが委託した医師会が実施した研修後の支援団体および医療機関の参加者へのアンケート調査を分析した。
3)報告すべき事例の判断について、特定機能病院の取組みについてレビューを行った。
4)都道府県の支援団体によるホームページ(HP)からの情報発信の有無についてレビューを行った。
結果と考察
1)センターに報告された事例について、多面的に本制度を評価できる可能性が示唆された。また、都道府県別の報告数にはバラツキがあり、都道府県の人口や推定患者数を考慮してもみられた。各都道府県における医療への苦情件数も影響している可能性が示唆された。
2)研修後の支援団体および医療機関のアンケート結果からは、平成28年度(研究1年目)と比較して、平成29年度(2年目)には、研修内容の理解の改善傾向はみられるものの、依然として、報告すべき事例の判断については迷うことがあることが示唆された。
3)報告すべき事例の判断について、特定機能病院においては、多くの場合、医療安全管理部門が早期に判断の相談、支援に寄与することで、より適切に報告するよう努めている。
4)都道府県の支援団体によるホームページ(HP)からの情報発信は、限定的であることも示唆されたが、都道府県別の報告数のバラツキの要因については、さらなる分析が必要である。
結論
本制度に関わる様々な取組みが整備されつつあるが依然として課題もあることから、本制度に関する活動状況については第三者が客観的かつ継続的に分析をし、提言・支援することが本制度の効果的な推進には有用と思われる。

公開日・更新日

公開日
2018-12-27
更新日
-

研究報告書(紙媒体)

行政効果報告

文献番号
201721031C

成果

専門的・学術的観点からの成果
センターの収集するデータを、グローバルな視点から、季節的変動の可能性、リスクのある推定患者の視点などから分析した。
多面的に本制度を評価できる可能性が示唆した。
臨床的観点からの成果
センター調査となる背景要因について分析を行い、複数の要因が要因として可能性があることが示唆された。
ガイドライン等の開発
該当しない。
その他行政的観点からの成果
当該制度をさらに普及・推進するためには、都道府県からの報告数のバラツキを多面的に分析することや、各都道府県の支援団体の情報発信の推進の必要性などを示唆した。
その他のインパクト
報告書そのものの公開や関連した学会や医療安全の研修等において研究成果を発表し、制度の普及と推進に貢献する予定である。

発表件数

原著論文(和文)
0件
原著論文(英文等)
0件
その他論文(和文)
0件
その他論文(英文等)
0件
学会発表(国内学会)
0件
学会発表(国際学会等)
0件
その他成果(特許の出願)
0件
その他成果(特許の取得)
0件
その他成果(施策への反映)
0件
その他成果(普及・啓発活動)
0件

特許

主な原著論文20編(論文に厚生労働科学研究費の補助を受けたことが明記された論文に限る)

公開日・更新日

公開日
2018-12-27
更新日
-

収支報告書

文献番号
201721031Z