強度行動障害に関する支援の評価及び改善に関する研究

文献情報

文献番号
201717020A
報告書区分
総括
研究課題
強度行動障害に関する支援の評価及び改善に関する研究
課題番号
H28-身体・知的-指定-001
研究年度
平成29(2017)年度
研究代表者(所属機関)
志賀 利一(独立行政法人国立重度知的障害者総合施設のぞみの園 事業企画局研究部)
研究分担者(所属機関)
  • 井上 雅彦(鳥取大学大学院 医学系研究科)
  • 五味 洋一(群馬大学 大学教育・学生支援機構学生支援センター)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 障害者政策総合研究
研究開始年度
平成28(2016)年度
研究終了予定年度
平成29(2017)年度
研究費
2,000,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
本研究は、障害福祉サービス事業所等において強度行動障害者への質の高い支援が全国に広がっているかどうかを検証し、その支援の結果として行動障害の軽減が図られ、社会生活を快適に過ごせる事例を多く生み出している地域の取り組み(条件)を明らかにすることで、今後の強度行動障害者支援に関する施策の在り方について提言することを目的とする。
研究方法
平成29年度は、大きく以下の3つの研究を実施した。
1.支援者が標準的な支援を学ぶために:強度行動障害支援者養成研修のサポートデスクを設置し、同研修のモデルプログラム(指導者研修)の内容の改定を行うと同時に各都道府県で実施されている同研修(含む行動援護従業者養成研修)の実施をサポートする他、平成28 年度の実施状況ならびに修了者数といった量的な視点からの評価を行う(都道府県悉皆)。また、強度行動障害支援者養成研修(指導者研修)の講師を中心に、同研修内容について見直しを行い、より分かりやすく、且つ各都道府県で実施しやすい内容(講義・演習)となるよう検討を行う。
2.より簡便かつ客観的に評価ができる尺度の実用化に向けて:強度行動障害という状態像を評価する尺度として、BPI-S(Behavior Problems Inventory-Short Form:問題行動評価尺度短縮版)を、新たな強度行動障害の評価尺度としての実用化に向け、強度行動障害者に対する評価者間信頼性および再検査信頼性を検討する。
3.事業所内の伝達研修で活用できる映像資料の開発:研修で定められている標準的な支援方法が、実際に事業所等でどのように応用されているか実態調査ならびに評価を行い、強度行動障害支援者養成研修を効果的にするための課題と解決策を明確にする。同時に、障害福祉サービス提供事業所内では非常勤職員の割合が高くなっていること、外部の研修へ多くの人材を割くことが困難な現状があることを踏まえ、事業所内での新任職員を対象としたオリエンテーションや職員研修会などでの活用を目的とした20~25分程度の映像資料を開発し、強度行動障害者支援の概要、並びに必要な支援の視点の理解に繋げる。
結果と考察
強度行動障害者支援の初級的な研修に位置づけられる強度行動障害支援者養成研修は、毎年修了者数が増加し、行動援護従業者養成研修修了者数と併せると、平成28年度は2万人以上が修了している。平成30年度の報酬改定により①行動援護のヘルパー及びサービス提供責任者の要件、②重度障害者支援加算(Ⅱ)に係る算定要件、がそれぞれ延長となったことから、引き続き、毎年2万人規模の修了者を出していくことが推測された。ただし、こうした外部研修に参加できる福祉サービス提供従事者は、事業所内でそう多くはない。そこで事業所内での職員研修を想定した、「強度行動障害者の支援者向け、強度行動障害者支援に関する映像資料」を作成した。また従来、強度行動障害がある人への支援の効果をどのように評価するかということが、一つの懸案となっていた。行動障害の評価に使用できる簡便で客観的な評価尺度の実用化に向け、日本語版BPI-Sの信頼性に関する研究を行った。その結果、再検査信頼性、評定者間信頼性ともに、一定の信頼性を有することが明らかとなった。
結論
本研究は、障害福祉サービス事業所等において強度行動障害者への質の高い支援が全国に広がっているかどうかを検証し、その支援の結果として行動障害の軽減が図られ、社会生活を快適に過ごせる事例を多く生み出している地域の取り組み(条件)を明らかにすることで、今後の強度行動障害者支援に関する施策の在り方について提言することを目的としている。現在、強度行動障害支援者養成研修あるいは同一のプログラムで実施されている行動援護従業者養成研修は、全国47都道府県で開催されており、1年間に述べ2万人の研修修了者が誕生している。少なくとも12~24時間、講義と演習がセットとなった研修が、これほど大規模に全国で展開できていることは、強度行動障害者支援にとってはじめてのことであり、非常に有意義だと考えられる。

公開日・更新日

公開日
2018-11-21
更新日
-

研究報告書(PDF)

研究成果の刊行に関する一覧表

公開日・更新日

公開日
2018-11-21
更新日
-

研究報告書(紙媒体)

文献情報

文献番号
201717020B
報告書区分
総合
研究課題
強度行動障害に関する支援の評価及び改善に関する研究
課題番号
H28-身体・知的-指定-001
研究年度
平成29(2017)年度
研究代表者(所属機関)
志賀 利一(独立行政法人国立重度知的障害者総合施設のぞみの園 事業企画局研究部)
研究分担者(所属機関)
  • 大原 裕介(北海道医療大学)
  • 井上 雅彦(鳥取大学大学院 医学系)
  • 五味 洋一(群馬大学 大学教育・学生支援機構学生支援センター)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 障害者政策総合研究
研究開始年度
平成28(2016)年度
研究終了予定年度
平成29(2017)年度
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
本研究は、障害福祉サービス事業所等において強度行動障害者への質の高い支援が全国に広がっているかどうかを検証し、その支援の結果として行動障害の軽減が図られ、社会生活を快適に過ごせる事例を多く生み出している地域の取り組み(条件)を明らかにすることで、今後の強度行動障害者支援に関する施策の在り方について提言することを目的とする。
研究方法
本研究は、下記の方法で行った。
①サポートデスクの設置と運用:強度行動障害支援者養成研修のサポートデスクを設置し、またWEBページ版「強度行動障害支援者養成研修のページ」を運用し、各都道府県で開催される強度行動障害支援者養成研修の実施・運営が円滑に行われるようサポートを行った。
②強度行動障害支援者養成研修の実態調査:平成28年度に各都道府県で実施された強度行動障害支援者養成研修、及び行動援護従業者養成研修の実施状況、課題等について調査し、量的な視点から評価を行った。
③事業所訪問とヒアリング調査:研修で定められている標準的な支援方法が、実際に事業所等でどのように応用されているか実態調査ならびに評価を行い、強度行動障害支援者養成研修を効果的にするための課題と解決策を検討した。
④サービスの質の指標作成:強度行動障害者支援の実績ならびに成果をあげている障害福祉サービス事業所等の特徴を明らかにし、強度行動障害者支援のサービスの質が客観的に見える指標の検討を行った。また、BPI-Sを、新たな強度行動障害の評価尺度としての実用化に向け、強度行動障害者に対する評価者間信頼性および再検査信頼性を検討した。
⑤強度行動障害者支援に関する映像資料の作成:障害福祉サービス提供事業所内では非常勤職員の割合が高くなっていること、外部の研修へ多くの人材を割くことが困難な現状があることを踏まえ、オリエンテーションや職員研修会などでの活用を目的とした映像資料の作成を行った。
⑥先駆的事業所における長期間の支援事例の検討:強度行動障害特別処遇事業等より長期間支援を行っている事例の追跡調査・事例検討から、効果的な支援やサービス内容を明確にする。
⑦強度行動障害者支援の新しい取り組みを行っている地域の実態調査:強度行動障害支援者養成研修の実施前後に、自治体単位で新たな強度行動障害者支援の仕組を検討し、実施しはじめた地域の訪問、担当者からのヒアリングを行い、その可能性について考察した。
結果と考察
【平成28年度】
強度行動障害者支援の初級的な研修に位置づけられる強度行動障害支援者養成研修は、毎年概ね全国で1万人規模の修了者を出すまでに成長しているが、「より専門的で実際の現場で変化が見られる人材養成の仕組みのニーズが高い」、「様々な規模等、強度行動障害者支援の役割が異なる事業所の支援の質を統一した視点で評価することは困難であるが、いくつかの共通した視点が存在することの質を評価する視点が異なること」、「ある程度の人口のある圏域単位で強度行動障害の施策やネットワーク構築が必要であること」が課題として明らかになった。また、これらの課題解決に向けて、いくつかの地域・事業所で実践が行われていることも分かった。

【平成29年度】                                    
強度行動障害者支援の初級的な研修に位置づけられる強度行動障害支援者養成研修は、毎年修了者数が増加し、行動援護従業者養成研修修了者数と併せると、平成28年度は2万人以上が修了している。平成30年度の報酬改定により①行動援護のヘルパー及びサービス提供責任者の要件、②重度障害者支援加算(Ⅱ)に係る算定要件、がそれぞれ延長となったことから、引き続き、毎年2万人規模の修了者を出していくことが推測された。ただし、こうした外部研修に参加できる福祉サービス提供従事者は、事業所内でそう多くはない。そこで事業所内での職員員研修を想定した、「強度行動障害支援者(非常勤職員含む)向け、強度行動障害者支援に関する映像資料」を作成した。また、行動障害の評価に使用できる簡便で客観的な評価尺度の実用化に向け、日本語版BPI-Sの信頼性に関する研究を行った。その結果、再検査信頼性、評定者間信頼性ともに、一定の信頼性を有することが明らかとなった。
結論
強度行動障害特別処遇支援事業が開始されてから既に25年が経過し、先駆的に強度行動障害者支援を展開してきた入所施設を中心に、様々な研究が行われてきた。そして、平成25年より、専門的な一部の施設だけでなく、地域全体で強度行動障害者を支える仕組の検討がスタートした。新しいモデル的な事業を展開している地域はまだ少数ではあるが、その実績と運用上の課題を集約し、行動障害が著しくても快適な社会生活が出来る地域づくりに向けての実践的な研究は、今後も継続的に続けていく必要がある。

公開日・更新日

公開日
2018-11-21
更新日
-

研究報告書(PDF)

公開日・更新日

公開日
2018-11-21
更新日
-

研究報告書(紙媒体)

行政効果報告

文献番号
201717020C

収支報告書

文献番号
201717020Z
報告年月日

収入

(1)補助金交付額
2,000,000円
(2)補助金確定額
2,000,000円
差引額 [(1)-(2)]
0円

支出

研究費 (内訳) 直接研究費 物品費 17,863円
人件費・謝金 383,800円
旅費 652,340円
その他 945,997円
間接経費 0円
合計 2,000,000円

備考

備考
-

公開日・更新日

公開日
2018-11-21
更新日
-