慢性活動性EBウイルス感染症と類縁疾患の疾患レジストリとバイオバンクの構築

文献情報

文献番号
201711067A
報告書区分
総括
研究課題名
慢性活動性EBウイルス感染症と類縁疾患の疾患レジストリとバイオバンクの構築
課題番号
H29-難治等(難)-一般-016
研究年度
平成29(2017)年度
研究代表者(所属機関)
木村 宏(名古屋大学 大学院医学系研究科)
研究分担者(所属機関)
  • 伊藤 嘉規(名古屋大学 大学院医学系研究科)
  • 谷内江 昭宏(金沢大学 大学院医薬保健研究域医学系)
  • 岩月 啓氏(岡山大学 大学院医歯薬学総合研究科)
  • 大賀 正一(九州大学 大学院医学研究院)
  • 大島 孝一(久留米大学 医学部)
  • 新井 文子(東京医科歯科大学 保健衛学研究科)
  • 笹原 洋二(東北大学 大学院医学系研究科)
  • 澤田 明久(大阪母子医療センター 病院)
  • 今留 謙一(国立成育医療研究センター)
  • 小林 徹(国立成育医療研究センター)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 難治性疾患等政策研究(難治性疾患政策研究)
研究開始年度
平成29(2017)年度
研究終了予定年度
令和1(2019)年度
研究費
10,227,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
慢性活動性EBウイルス感染症、EBウイルス関連血球貪食性リンパ組織球症、種痘様水疱症、蚊刺過敏症は、我が国の小児・若年成人に特有な希少難治性疾患である。本研究班ではこれら4疾患に対する疾患レジストリとバイオバンクを立ち上げ、次期ガイドライン改訂のための診療情報を集積するとともに、病態研究や体外診断薬/新規治療薬開発の医師主導治験の受け皿となる体制を確立することを目的としている。
研究方法
3か年計画の初年度にあたる本年度、情報収集用の患者調査票を作成し、登録システムを成育医療研究センターで試験運用した。また、前研究班で構築したEBV-DNA定量、感染細胞同定、病理診断の中央診断体制を維持した。同じく前研究班で制定した診療ガイドラインの周知活動や、患者会や関連するAMED研究班との連携活動も行った。
結果と考察
1) 中央診断体制の維持:
EBV-DNA定量(名古屋大学および成育医療研究センター)、感染細胞同定(名古屋大学および成育医療研究センター)、病理診断(久留米大学)にて中央診断を実施し、慢性活動性EBV感染症を32例新規診断し、76例の既診断例の診療に役立てた。
2) 患者レジストリ構築の準備
平成29年6月20日、第一回班会議を開催し、レジストリ構築に先立って情報収集を行い、各疾患に顕在・潜在する臨床上の問題点を洗い出した。また、各分担研究施設で新たに診断した症例・現在診療している症例の患者数を調査・把握した。以上の情報に基づき、情報収集用の患者調査票を作成し、登録システムを成育医療研究センターで試験運用した。12月26日、第二回班会議を開催し、このレジストリシステムを若干改良して、本運用とすることを決定した。今後、改良にあたって、小班に分かれ作業を進めることとした。
3) 診療ガイドラインの周知活動
平成28年に刊行した診療ガイドライン「(慢性活動性EBウイルス感染症とその類縁疾患の診療ガイドライン2016; 日本小児感染症学会監修)を以下のHPで無料公開した:日本小児感染症学会、Minds (日本医療機能評価機構)。さらに、本研究班のHPでも同ガイドラインを公開・解説している。また、関連する各学会のシンポジウム/教育講演で本ガイドラインについて解説・周知した:2017年4月:日本小児科学会教育講演、2017年10月:日本小児感染症学会シンポジウム、2017年11月:日本感染症学会東日本地方会シンポジウム。
4) 患者会との連携活動
平成29年11月19日、本研究班とCAEBV患者会SHAKEとの共催で、第8回患者交流会「CAEBVの現状(いま)を知る」を開催した。
5) AMED研究班との連携活動
本年度採択された難治性疾患実用化研究事業 宮野班「オミクス解析技術と人工知能技術による難治性造血器疾患の病因解明と診断向上に貢献する解析基盤の開発」と連携し、次世代シーケンサーを用いた病態解明を主導していくことになった。
結論
慢性活動性EBウイルス感染症と類縁疾患に対する疾患レジストリとバイオバンクの確立を目的とした研究班を立ち上げた。本年度、情報収集用の患者調査票を作成し、登録システムを成育医療研究センターで試験運用した。疾患レジストリおよびバイオバンクを確立は、本疾患群の実態解明、疾患予後改善、患者の生活の質改善につながると考えられる。

公開日・更新日

公開日
2018-05-30
更新日
-

研究報告書(紙媒体)

収支報告書

文献番号
201711067Z
報告年月日

収入

(1)補助金交付額
13,294,000円
(2)補助金確定額
13,294,000円
差引額 [(1)-(2)]
0円

支出

研究費 (内訳) 直接研究費 物品費 4,657,021円
人件費・謝金 2,116,413円
旅費 1,355,706円
その他 2,097,860円
間接経費 3,067,000円
合計 13,294,000円

備考

備考
-

公開日・更新日

公開日
2019-03-07
更新日
-