難治性血管腫・血管奇形・リンパ管腫・リンパ管腫症および関連疾患についての調査研究

文献情報

文献番号
201711065A
報告書区分
総括
研究課題名
難治性血管腫・血管奇形・リンパ管腫・リンパ管腫症および関連疾患についての調査研究
課題番号
H29-難治等(難)-一般-014
研究年度
平成29(2017)年度
研究代表者(所属機関)
秋田 定伯(福岡大学 医学部 形成外科・創傷再生学講座)
研究分担者(所属機関)
  • 佐々木 了(国家公務員共済組合連合会斗南病院・血管腫 脈管奇形センター・センター長)
  • 三村 秀文(聖マリアンナ医科大学・医学部放射線医学・病院教授)
  • 力久 直昭(千葉労災病院・形成外科・部長)
  • 大須賀 慶悟(大阪大学大学院・医学系研究科・講師)
  • 田中 純子(広島大学 大学院医歯薬保健学研究科・疫学・疾病 教授)
  • 小関 道夫(岐阜大学医学部附属病院・小児科・講師)
  • 森本 哲(自治医科大学とちぎ子ども医療センター小児科・教授)
  • 掛江 直子(国立成育医療研究センター・ 臨床研究センター 生命倫理研究室・室長)
  • 康 勝好(埼玉県立小児医療センター・血液腫瘍科・科長兼部長)
  • 木下 義晶(九州大学・大学病院 准教授)
  • 神人 正寿(和歌山県立医科大学・医学部・教授)
  • 藤野 明浩(国立成育医療研究センター・臓器 運動器病態外科部外科・医長)
  • 杠 俊介(信州大学・医学部・教授)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 難治性疾患等政策研究(難治性疾患政策研究)
研究開始年度
平成29(2017)年度
研究終了予定年度
令和1(2019)年度
研究費
14,520,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
本研究は血管腫・血管奇形・リンパ管腫・リンパ管腫症およびその関連疾患を対象とする。これらの疾患には長期にわたり患者のQOLを深刻に損なう多くの難治性の病態が含まれる。これまでに平成21-23年度難治性血管腫・血管奇形研究班(佐々木班)、平成24-25年度同研究班(三村班)、平成21-23年リンパ管腫研究班(藤野班)、平成24-25年度リンパ管腫症研究班(小関班)、平成24-25年度小児期からの消化器系希少難治性疾患研究班(田口班)の分担研究である腹部リンパ管腫研究、肝血管腫・血管奇形研究を発展させ、相互に協力して疾患概念の形成と啓発、普及、患者に貢献することを目的とする。
診断基準、重症度分類は、乳幼児管巨大血管腫及び指定難病としては一部のリンパ管腫症・ゴーハム病以外は学会未承認であり、これらの承認を得る。
診療ガイドラインでは、佐々木班・三村班はISSVA分類を発展し血管腫、血管奇形・リンパ管奇形・混合型奇形の調査研究後、血管腫・血管奇形診療ガイドライン・重症度分類・診断基準作成、疫学調査を行ってきた。三村班成果として、平成28年12月に改訂版完成し、日本形成外科学会・日本IVR学会、日本皮膚科学会・小児外科学会等の年度内に承認を受ける。今後関連各学会、患者団体の意見を統合して提言し、広く医学会・社会の認知を得ることを目的とする。本年度は、現行の小児慢性疾病と指定難病の取り扱う疾病の整理と移行期医療への提案をする。
研究方法
脈管奇形毎に分担研究責任者を配置する。これら分担者は以降 小児慢性特定疾病ならびに小児期発症の指定難病との照合、改訂後重症度分類、診断基準検討、データベース解析が研究活動の中心となる。
・動静脈奇形(大須賀慶悟)、静脈奇形(力久直昭)、リンパ管奇形(木下義晶)、リンパ管腫症/ゴーハム病(小関道夫)、肝血管腫・血管奇形(藤野明浩)
・小児慢性特定疾病ならびに小児期発症の指定難病との選定、疾病妥当性整理、小児期・成人期移行医療の充実化方策検討をおこなう。
 (森本 哲、掛江直子、康 勝好)
・指定難病を対象とする改訂重症度分類、診断基準検討
(秋田定伯、佐々木 了、三村秀文、大須賀慶悟、力久直昭、木下義晶、小関道夫、藤野明浩)
 各々の疾病毎の重症度分類、診断基準は既に主要学会承認を得ているが、指定難病制定後は、未定であり、内容を検討し小児慢性特定疾病や小児期発症の指定難病のくくりわけを設定する。
・疾病別調査研究(指定難病、小児慢性特定疾病データベース活用)(田中純子)
  指定難病ならびに、指定難病以外にこれまで収集したデータベースを用いて、疫学実態と登録指定難病の診断基準、重症度分類の検証をおこなう。指定以外にも登録されたデータベースを検討し、疾病概念に沿った疾病分布を解析する。
結果と考察
血管腫・血管奇形・リンパ管奇形診療ガイドライン2017の完成と普及・啓発のための研究班ホームページの充実、横断的班員(分担研究者および研究協力者)構成、小児慢性特定疾病に新規疾病群として、脈管系疾患群および脈管奇形(青色ゴムまり様母班症候群、巨大静脈奇形、巨大動静脈奇形、クリッペル・トレノネー・ウェーバー症候群、原発性リンパ浮腫、リンパ管腫、リンパ管腫症)の創設に向けて提言した。また指定難病(リンパ管腫症・ゴーハム病(指定難病告示番号277)、巨大リンパ管奇形(頚部顔面病変(指定難病告示番号278)、巨大静脈奇形(頚部航空咽頭びまん性病変)(指定難病告示番号279)、巨大動静脈奇形(頚部顔面又は四肢病変)(指定難病告示番号280)、クリッペル・トレノネー・ウェーバー症候群(指定難病告示番号281)、乳幼児肝巨大血管腫(指定難病告示番坊295)については、診断基準、重症度分類。診療ガイドライン、レジストリ登録 等 疾患、項目毎作成し、患者会との交流(平成29年7月14日 第14回日本血管腫・血管奇形学会 シンポジウム)および一般市民向け公開講座(平成30年3月3日)などで普及・啓発実施している。小児慢性特定疾病についての啓発申請案内ポスターを日本形成外科学会、日本IVR学会、日本血管腫・血管奇形学会の所属施設に配布した。
結論
脈管奇形(血管奇形、リンパ管奇形、混合型 など)の診療ガイドラインの普及啓発と、診療体制の整備への提言、移行期医療を含めた小児期、早期からの治療体制の確立など今後の課題となるが、患者会、社会での問題点を研究班での検討提案事項としていく事も重要と思われた。研究班ホームページは情報発信とともに、双方向の媒体プラットフォームとして進化させていく予定である。

公開日・更新日

公開日
2018-06-11
更新日
-

研究報告書(PDF)

研究成果の刊行に関する一覧表

公開日・更新日

公開日
2018-06-05
更新日
-

研究報告書(紙媒体)

収支報告書

文献番号
201711065Z
報告年月日

収入

(1)補助金交付額
18,876,000円
(2)補助金確定額
18,876,000円
差引額 [(1)-(2)]
0円

支出

研究費 (内訳) 直接研究費 物品費 7,030,963円
人件費・謝金 654,401円
旅費 3,395,808円
その他 3,529,642円
間接経費 4,356,000円
合計 18,966,814円

備考

備考
自己資金90812円 預金利息 2円

公開日・更新日

公開日
2019-02-26
更新日
-