文献情報
文献番号
                      201624006A
                  報告書区分
                      総括
                  研究課題名
                      免疫毒性評価試験法Multi-ImmunoToxicity assayの国際validationへ向けての検討
                  研究課題名(英字)
                      -
                  課題番号
                      H27-化学-一般-006
                  研究年度
                      平成28(2016)年度
                  研究代表者(所属機関)
                      相場 節也(国立大学法人 東北大学 大学院医学系研究科)
                  研究分担者(所属機関)
                      - 近江谷 克裕(産業技術総合研究所)
 - 中島 芳浩(産業技術総合研究所)
 - 山影 康次(一般財団法人食品薬品安全センター 秦野研究所)
 - 小島 肇(国立医薬品食品衛生研究所)
 - 大森 崇(神戸大学医学部附属病院)
 - 木村 裕(国立大学法人 東北大学 東北大学病院)
 
研究区分
                      厚生労働科学研究費補助金 健康安全確保総合研究分野 化学物質リスク研究
                  研究開始年度
                      平成27(2015)年度
                  研究終了予定年度
                      平成29(2017)年度
                  研究費
                      14,200,000円
                  研究者交替、所属機関変更
                      -
                  研究報告書(概要版)
研究目的
            本研究では以下の4項目を目的として研究を計画した。
1)自己免疫、免疫抑制、アレルギー (Th1/Th2 不均衡)の3つのadverse outcome (AO)に関して、それらを惹起することが確認されている化学物質各4種類を選びAOPを作成する。
2)作成されたAOPを基にして、その中から抽出されたKey events (KEs)を網羅し、そのなかでMITAが評価可能な項目を実験的に明らかにする。
3)プロトコールを変更し、MITAにより細胞周期に作用する免疫抑制剤、感作性物質なども評価可能とする。
4)MITAのdata setの拡充と施設内、施設間再現性を改善し国際的validationを実施しOECDテストガイドライン化をめざす。
その内、特に平成28年度は、以下の5項目を目的として研究を行った。
① 自己免疫、免疫抑制、アレルギーなどに関するAOPの作成
② AOPに基づく評価方法の決定
③ Multi-ImmunoToxicity assay (MITA) のdata setの拡充と施設内、施設間再現性を改善し国際的validationを目指す。
④ 国際的validationチームの運営
      1)自己免疫、免疫抑制、アレルギー (Th1/Th2 不均衡)の3つのadverse outcome (AO)に関して、それらを惹起することが確認されている化学物質各4種類を選びAOPを作成する。
2)作成されたAOPを基にして、その中から抽出されたKey events (KEs)を網羅し、そのなかでMITAが評価可能な項目を実験的に明らかにする。
3)プロトコールを変更し、MITAにより細胞周期に作用する免疫抑制剤、感作性物質なども評価可能とする。
4)MITAのdata setの拡充と施設内、施設間再現性を改善し国際的validationを実施しOECDテストガイドライン化をめざす。
その内、特に平成28年度は、以下の5項目を目的として研究を行った。
① 自己免疫、免疫抑制、アレルギーなどに関するAOPの作成
② AOPに基づく評価方法の決定
③ Multi-ImmunoToxicity assay (MITA) のdata setの拡充と施設内、施設間再現性を改善し国際的validationを目指す。
④ 国際的validationチームの運営
研究方法
            1)Jurkat T細胞由来#2H4細胞におけるIL-2, IFN-γ, GAPDHプロモーターアッセイおよびTHP-1 単球細胞由来TGCHAC-A4細胞、THP-G8細胞におけるIL-1β, IL-8, GAPDHプロモーターアッセイ
2)MITAによる免疫毒性評価法の作成
各実験において得られた結果は、一元配置分散分析を行い、その後Dunnett検定により有意な抑制効果,増強効果があるか否かを検討した。
3)Phase 0 study
国際バリデーション実行委員会にて選定したした5物質ついて参加3施設においてMulti-Immuno Tox Assay protocol Ver.008.1Eにのっとり各物質3回繰り返し1セットの試験を1セット行った。
4)Phase 1 study
国際バリデーション実行委員会にて選定した5化学物質をコード化し、参加3施設、においてMulti-Immuno Tox Assay protocol Ver.008.5Eにのっとり各物質3回繰り返し1セットの試験を3セット行った。
5)国際バリデーション実行委員会
平成28年度第1回:2016年9月13日23:30より国際バリデーション実行委員会会議をスカイプにて行った。(参加者:小島肇、相場節也、木村裕、大森崇、E Corsini、EL. Roggen、D Germolec、Tomoaki Inoue)
平成28年度第2回:2017年2月3-5日、京都にて第2回国際バリデーション実行委員会会議を行った。(参加予定者:小島肇、S.Venti、相場節也、木村裕、大森崇、安野理恵、山影康次、渡辺美香、中島芳浩、E Corsini、EL. Roggen、D Germolec、T Inoue)
      2)MITAによる免疫毒性評価法の作成
各実験において得られた結果は、一元配置分散分析を行い、その後Dunnett検定により有意な抑制効果,増強効果があるか否かを検討した。
3)Phase 0 study
国際バリデーション実行委員会にて選定したした5物質ついて参加3施設においてMulti-Immuno Tox Assay protocol Ver.008.1Eにのっとり各物質3回繰り返し1セットの試験を1セット行った。
4)Phase 1 study
国際バリデーション実行委員会にて選定した5化学物質をコード化し、参加3施設、においてMulti-Immuno Tox Assay protocol Ver.008.5Eにのっとり各物質3回繰り返し1セットの試験を3セット行った。
5)国際バリデーション実行委員会
平成28年度第1回:2016年9月13日23:30より国際バリデーション実行委員会会議をスカイプにて行った。(参加者:小島肇、相場節也、木村裕、大森崇、E Corsini、EL. Roggen、D Germolec、Tomoaki Inoue)
平成28年度第2回:2017年2月3-5日、京都にて第2回国際バリデーション実行委員会会議を行った。(参加予定者:小島肇、S.Venti、相場節也、木村裕、大森崇、安野理恵、山影康次、渡辺美香、中島芳浩、E Corsini、EL. Roggen、D Germolec、T Inoue)
結果と考察
            まず1)AOP1 ( IL-2転写活性調節異常をKEとするT細胞分化異常誘導)の改良をおこなった。それと並行して、2)IL-2転写活性障害を指標としたT細胞の分化異常誘導化学物質評価系のバリデーション試験では、まずPhase 0 studyにて、施設間再現性を評価し80%以上の結果を得た。その結果を国際バリデーション実行委員会にて検討し、Phase 1 studyに進んだ。Phase 1 studyにおいては、施設内再現性87%、施設間再現性90%と良好な結果が得られた。さらに、これらの結果をもとに2017年2月3日から5日までの3日間、国内外からの免疫毒性専門家からなる国際バリデーション実行委員会を京都にて開催し、Phase I studyの施設内、施設間施設内再現性確認試験結果があらかじめ設定していた目標を上まわっていたことが確認され、Phase II studyの開始が承認された。また試験法のOECD試験法ガイドライン化に向けての今後の道筋、また試験法の科学的意義、有用性、また作成したAOPの改良などについても議論された。またその中で、3)統計解析手法の改良も行った。
      結論
            ①	IL-2転写活性障害をkey eventとしたT細胞分化異常誘導のAOPを更に充実させた。
② IL-2転写活性障害を指標としたT細胞の分化異常誘導化学物質評価系のphase 0, Phase 1 validation試験により施設内、施設間再現性を確認した。
③ また、種々のクライテリアを統計学的に検討し、MITAにおけるクライテリアが決定した。
④ さらに、Phase II studyに用いる被検物質を決定した。
      ② IL-2転写活性障害を指標としたT細胞の分化異常誘導化学物質評価系のphase 0, Phase 1 validation試験により施設内、施設間再現性を確認した。
③ また、種々のクライテリアを統計学的に検討し、MITAにおけるクライテリアが決定した。
④ さらに、Phase II studyに用いる被検物質を決定した。
公開日・更新日
公開日
          2017-06-07
        更新日
          -