文献情報
文献番号
201618014A
報告書区分
総括
研究課題名
HIV感染症及びその合併症の課題を克服する研究
課題番号
H27-エイズ-指定-004
研究年度
平成28(2016)年度
研究代表者(所属機関)
白阪 琢磨(独立行政法人国立病院機構 大阪医療センター 臨床研究センター エイズ先端医療研究部)
研究分担者(所属機関)
- 鯉渕 智彦(東京大学医科学研究所付属病院 感染免疫内科)
- 久慈 直昭(東京医科大学産科婦人科 )
- 日ノ下 文彦(国立研究開発法人国立国際医療研究センター 腎臓内科)
- 藤原 良次(特定非営利活動法人りょうちゃんず )
- 大山 泰宏(京都大学大学院 教育学研究科)
- 角谷 慶子(一般財団法人長岡記念財団長岡ヘルスケアセンター)
- 安尾 利彦(独立行政法人国立病院機構大阪医療センター 臨床心理室)
- 村井 俊哉(京都大学大学院 医学研究科・精神医学)
- 山内 哲也(社会福祉法人武蔵野会障害者支援施設リアン文京)
- 下司 有加(独立行政法人国立病院機構大阪医療センター 看護部)
- 佐保 美奈子(井端 美奈子)(公立大学法人大阪府立大学大学院 看護学研究科)
- 高田 清式(愛媛大学医学部付属病院総合臨床研修センター感染症内科)
- 榎本 てる子(関西学院大学 神学部)
- 江口 有一郎(佐賀大学 医学部)
- 大北 全俊(東北大学 大学院医学系研究科)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 エイズ対策政策研究
研究開始年度
平成27(2015)年度
研究終了予定年度
平成29(2017)年度
研究費
57,000,000円
研究者交替、所属機関変更
-
研究報告書(概要版)
研究目的
平成23年度、後天性免疫不全症候群に関する特定感染症予防指針の見直し作業班の報告書およびこれまでの先行研究の成果を踏まえ、本研究ではHIV感染症および合併症で未解決の課題を明らかにし対策を示すことを目的とする。
研究方法
柱1「抗HIV療法のガイドラインに関する研究(鯉渕)」では国内外の情報をもとに、改訂委員の意見を総合して抗HIV治療ガイドラインを改訂した。柱2「HIV陽性者の生殖医療に関する研究(久慈)」では、血中ウイルス量感度以下の症例で洗浄後の沈渣検体中のウイルス遺伝子の有無を検討し、精液洗浄法の改良を試みた。柱3「HIV感染患者における透析医療の推進に関する研究(日ノ下)」では大都市圏を中心に透析医療者啓発のための講演会を開催し、HIV 感染症と HIV血液透析 の理解促進に努めた。透析医療者のHIV理解促進の小冊子を作成した。柱4 HIV感染者の精神・心理的課題に関する研究の「HIV陽性者の心理的支援の重要性に関する検討(大山)」ではHIV陽性者に対する試行的カウンセリングを実施し、そのプロセスと効果を評価した。「精神科医とカウンセラーの連携体制の構築に関する研究(角谷)」ではHIV拠点病院に郵送による質問紙調査を実施、信頼性尺度等、紹介経験の有無を調査した。「血液製剤由来HIV感染者の心理的支援方法の検討(藤原)」では患者、チーム医療者の聞き取りを行った。「HIV陽性者の心理学的問題と援助に関する研究(安尾)」ではHIV陽性者に質問紙調査を実施し、集団心理療法が及ぼす心理的影響を評価した。「MRI画像による神経認知障害の神経基盤の解明(村井)」ではHIV男性患者、健常男性に頭部MRI、神経心理検査を施行し、画像・統計解析を進めた。柱5 HIV感染者の長期療養の課題に関する研究の「福祉施設におけるHIV陽性者の受け入れ課題と対策(山内)」では社会福祉施設従事者対象のHIV研修と、社会福祉従事者向けHIV陽性者受入れマニュアルの改訂、地域包括支援センターにおけるアクションリサーチを行った。「エイズ診療拠点病院と在宅あるいは福祉施設の連携に関する研究(下司)」では在宅支援者を対象とした研修会を企画・実施し、全国の訪問看護ステーションに調査を今年度も実施した。「介護保険施設のHIVケアと学校基盤のHIV予防における拡大戦略の研究(佐保)」では看護職・介護職の研修等でのアンケート調査を実施した。「地方における病院・福祉療養施設間のHIV診療連携モデル構築に関する研究(高田)」では地域連携モデルの形成と組織構築を検討した。「HIV陽性者の地方コミュニティーでの受け入れに関する研究(榎本)」ではHIV陽性者の支援体制を構築するために必要な要因を分析した。柱6「効果的啓発手法の開発に関する研究(白阪)」大阪での男性を対象として啓発手法の開発と評価の検討に取り組んだ。「啓発方法の効果の評価に関する研究(江口)」ではHIV検査受検行動における制御要因に基づくメッセージ案を開発するとともに、MSMのインタビュー調査やウェブアンケート調査を通して案に対する評価を実施した。その他の研究として「HIV感染症における倫理的課題に関する研究(大北全俊)」データベースおよび関連文献の調査をした。研究班全体は白阪が統括した。
結果と考察
調査結果の分析や課題の抽出に取り組んだ。ガイドライン、マニュアル、ハンドブック等や支援ツールの評価と一部改訂を行った。本研究から重要な結果を得た。
結論
HIV感染症の治療と関連分野で課題を抽出し、ほぼ計画通りに研究を実施できた。本研究はHIV感染症の治療等で課題を明らかにし、その対策につき検討を行うものであり、必要性は高い。いずれも意義も高く、国際的にも新規性が高い。治療のガイドライン改訂など、社会的意義も大きいと考える。
公開日・更新日
公開日
2017-05-31
更新日
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