組織の適切な供給体制構築のための基盤構築に向けた研究

文献情報

文献番号
201612003A
報告書区分
総括
研究課題名
組織の適切な供給体制構築のための基盤構築に向けた研究
課題番号
H26-難治等(免)-一般-103
研究年度
平成28(2016)年度
研究代表者(所属機関)
藤田 知之(国立研究開発法人国立循環器病研究センター 心臓血管外科)
研究分担者(所属機関)
  • 北村 惣一郎(国立研究開発法人国立循環器病研究センター 心臓血管外科)
  • 小林 順二郎(国立研究開発法人国立循環器病研究センター 心臓血管外科)
  • 福嶌 教偉(国立研究開発法人国立循環器病研究センター 移植医療部)
  • 市川 肇(国立研究開発法人国立循環器病研究センター 小児心臓外科 )
  • 秦 広樹(国立研究開発法人国立循環器病研究センター 心臓血管外科)
  • 小川 真由子(国立研究開発法人国立循環器病研究センター 移植医療部)
  • 小玉 正太(福岡大学医学部)
  • 服部 理(東京大学医学部附属病院)
  • 三瓶 祐次(東京大学医学部附属病院)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 難治性疾患等政策研究(免疫アレルギー疾患等政策研究 移植医療基盤整備研究分野)
研究開始年度
平成26(2014)年度
研究終了予定年度
平成28(2016)年度
研究費
2,800,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
本研究は、昨年度より保健医療となったホモグラフトや骨をはじめとする、組織を用いた治療が公平に実施されるための基盤整備を目的とする。
研究方法
(A)国民への啓発、(B)医療施設への啓発、(C)ドナー情報対応の効率化、(D)組織バンク遠隔地からの供給体制構築、の4つのテーマで研究を実施する。
(A)~(D)本研究にて実施した一般市民・医療従事者・胸部外科医師を対象としたアンケート調査の結果及び分析について、関連学会、論文等通じて発表する。
(A)上記アンケート調査結果を踏まえ、西日本組織移植ネットワークのホームページの内容を検討の上充実させる。また、ドナー家族・レシピエントからの体験談の収集、活用について検討する。
(B)上記アンケート調査結果を踏まえ、組織移植に関するニュースレターを作成、発行する。また、関連学会においてブース出展を実施し、演題発表と併せて本研究にて作成したツールを活用した啓発を実施する。
(C)(D)心臓弁・血管をモデル組織として、昨年度から継続して西日本における主要な心臓血管外科・消化器外科を対象に、ホモグラフト移植・摘出講習会を実施する。また、併せて実際の提供に際して、臓器移植、組織移植の双方のコーディネーター間の連携が不可欠である事を踏まえ、コーディネーター研修会を継続実施する。同様に心臓弁・血管を扱う組織バンクを有する東京大学医学部附属病院との連携を継続し、採取、保存、搬送等に関する運用を検討実施する。
結果と考察
(A)本研究にて実施したアンケート調査の結果および学会等で得た知見より、一般市民が組織提供・移植の具体的な実施やドナー家族やレシピエントの体験談に関心が高い傾向にある事が推測された。また、その啓発媒体としてWeb等の活用が有用である可能性も示唆された。
(B)医療従事者においては、臓器・組織提供に協力意向が高いものの、そのための院内体制整備の認知との間には解離があり、情報を多く求めている傾向があると推測された。今回、本研究にて組織移植に関するニュースレターの発行に伴い、院内体制整備への問い合わせが増加した。今後とも継続的な情報発信を通じた啓発が重要であると考える。
(C)臓器・組織移植Co.の通常の活動からの連携により、情報対応時においても対応を一括化する事が容易となり、ご家族、施設の負担を軽減する事が出来たと推測される。しかし、臓器・組織移植Co.の連携には地域格差が偏在する課題は残った。また、対応一括化に則したツールやIC用紙、情報共有についての検討の重要性が示唆された。
(D)国立循環器病研究センター主催のホモグラフト移植・摘出講習会等を通じ、国立循環器病研究センター連携施設は増加した。これにより、ホモグラフトの摘出・移植を担う拠点施設を中心に、より多くの意思を叶える事が出来る可能性が広がった。また、上記講習会の継続実施や移植・摘出手技の維持のためのツールの重要性が示唆された。
結論
国民への啓発においては、Web等を活用した一般啓発を発展させる。その一つとして、ドナー家族・レシピエントの声を収集し、Web等を通じて広く発信していく。医療従事者への啓発においては、ニュースレター等の継続発行を通じ、医療従事者への継続的な情報発信を実施していく。また、ホモグラフト模型等の視覚的なツールを活用した啓発を実施していく。心臓弁・血管をモデル組織として実施した移植実施説明会及び移植・摘出講習会を通じ国立循環器病研究センター拠点施設を複数地域に置く事が出来た。今後、これらの拠点施設との連携のもと、適切な移植・摘出体制を確立する。併せて、既に国立循環器病研究センターで実施してきた移植・摘出医教育システムを発展させ、教育体制についても確立を目指す。また、実際の提供に際しての臓器移植・組織移植の双方のコーディネーター間の連携及び情報共有についてもシステム化を目指していく。更に、これを心臓弁・血管から他組織へ発展させる。

公開日・更新日

公開日
2017-07-03
更新日
-

研究報告書(PDF)

公開日・更新日

公開日
2017-07-03
更新日
-

研究報告書(紙媒体)

文献情報

文献番号
201612003B
報告書区分
総合
研究課題名
組織の適切な供給体制構築のための基盤構築に向けた研究
課題番号
H26-難治等(免)-一般-103
研究年度
平成28(2016)年度
研究代表者(所属機関)
藤田 知之(国立研究開発法人国立循環器病研究センター 心臓血管外科)
研究分担者(所属機関)
  • 北村 惣一郎(国立研究開発法人国立循環器病研究センター 心臓血管外科)
  • 小林 順二郎(国立研究開発法人国立循環器病研究センター 心臓血管外科)
  • 中谷 武嗣(国立研究開発法人国立循環器病研究センター 移植医療部)
  • 市川 肇(国立研究開発法人国立循環器病研究センター 小児心臓外科)
  • 湊谷 謙司(国立研究開発法人国立循環器病研究センター 血管外科)
  • 秦 広樹(国立研究開発法人国立循環器病研究センター 心臓血管外科)
  • 小川 真由子(国立研究開発法人国立循環器病研究センター 移植医療部)
  • 石垣 理穂(国立研究開発法人国立循環器病研究センター 移植医療部)
  • 安波 洋一(福岡大学医学部)
  • 福嶌 教偉(国立研究開発法人国立循環器病研究センター 移植医療部)
  • 服部 理(東京大学医学部附属病院)
  • 三瓶 祐次(東京大学医学部附属病院)
  • 小玉 正太(福岡大学医学部)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 難治性疾患等政策研究(免疫アレルギー疾患等政策研究 移植医療基盤整備研究分野)
研究開始年度
平成26(2014)年度
研究終了予定年度
平成28(2016)年度
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
本研究の目的は啓蒙活動や教育を通じて組織提供数の増加を図り、心弁・血管(以下ホモグラフト)や骨をはじめとする、組織を用いた治療を日本全国で行うための基盤整備である。
研究方法
本研究では、組織移植を必要とする患者が等しく医療を受ける事を目的とし、(A)国民への啓発、(B)医療施設への啓発、(C)ドナー情報対応の効率化、(D)組織バンク遠隔地からの供給体制構築、の4つのテーマで研究を実施する。
(A)~(D)本研究にて実施した研究結果について、関連学会、論文等を通じて発表周知する。
(A)Webを利用して組織移植の認知度・提供意向を把握するためのアンケート調査を実施し、その結果を踏まえた啓発について検討、開発する。
(B)救急医療領域の医療従事者を対象に組織移植の認知度・提供協力意向を把握するためのアンケート調査を実施し、その結果を踏まえ有用な啓発ツールを開発、運用する。また、複数の関連学会においてブース出展を実施し、演題発表と併せて本研究にて作成した啓発ツールを活用する。
(C)実際の提供に際して、臓器移植、組織移植の双方のコーディネーター間の連携が不可欠である事を踏まえ、コーディネーター研修会を実施するとともに、普遍的な連携体制構築について検討、運用する。
(D)心臓弁・血管をモデル組織とし、国立循環器病研究センターが先行で西日本における主要な心臓血管外科・消化器外科を対象に、ホモグラフト移植・摘出のための拠点施設を設置する。また、移植・摘出医増加のための教育システムについて検討、開発する。また、同様に心臓弁・血管を扱う組織バンクを有する東京大学医学部附属病院との連携を実施する。
結果と考察
(A)一般市民1000人以上にWebを利用して組織移植の認知度・提供意向を把握するためのアンケート調査を実施した。その結果、一般市民の組織提供への潜在的な意思はあるものの、組織移植および提供についての認知不足により、提供に結びつかない可能性が高い事が示唆された。また、認知度向上を図るための啓発においては、Web等の活用が有用であるとの知見を得た。
(B)救急医療領域の医療従事者を対象に組織移植の認知度・提供協力意向を把握するためのアンケート調査を実施した。その結果、臓器・組織提供の協力意向は高いものの、そのための院内体制整備の認知との間には解離があり、情報を多く求めている傾向があると推測された。また、学会等でのブース展示・演題発表を通じての啓発の有用性も明らかとなった。これらの結果を踏まえ作成した、組織移植に関するニュースレターの発行により、臓器・組織提供のための院内体制整備に関する問い合わせは増加した。ニュースレター等を通じた継続的な情報発信の重要性が示唆された。
(C)モデル地域における臓器Co.・組織Co.・アイバンクCo.の定期的な会議等を通じての連携深化に伴い、組織提供の情報・件数は増加した。また、提供に際して、家族及び施設の負担軽減のためには臓器、組織のコーディネーションを一括化する事は有用である事が示唆された。しかし、臓器・組織移植Co.の連携には地域格差が偏在する課題は残った。また、対応一括化に則したツールやIC用紙、情報共有についての検討の重要性が示唆された。
(D)国立循環器病研究センター主催のホモグラフト移植のための説明会および移植・摘出講習会等を通じ、国立循環器病研究センター連携施設は増加した。これにより、ホモグラフトの摘出・移植を担う拠点施設を中心に、より多くの意思を叶える事が出来る可能性が広がった。また、上記講習会の継続実施や移植・摘出手技の維持のためのツールの重要性が示唆された。
結論
国民への啓発においては、Web等を活用した一般啓発を発展させる。その一つとして、ドナー家族・レシピエントの声を収集し、Web等を通じて広く発信していく。医療従事者への啓発においては、ニュースレターの継続発行を通じ、医療従事者への継続的な情報発信を実施していく。また、ホモグラフト模型等の視覚的なツールを活用した啓発を実施していく。心臓弁・血管をモデル組織として実施した移植実施説明会及び移植・摘出講習会を通じ国立循環器病研究センター拠点施設を複数地域に置く事が出来た。今後、これらの拠点施設との連携のもと、適切な移植・摘出体制を確立する。併せて、既に国立循環器病研究センターで実施してきた移植・摘出医教育システムを発展させ、教育体制についても確立を目指す。また、実際の提供に際しての臓器移植・組織移植の双方のコーディネーター間の連携及び情報共有についてもシステム化を目指していく。更に、これを心臓弁・血管から他組織へ発展させる。

公開日・更新日

公開日
2017-07-03
更新日
-

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総合研究報告書
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公開日・更新日

公開日
2017-07-03
更新日
-

研究報告書(紙媒体)

行政効果報告

文献番号
201612003C

収支報告書

文献番号
201612003Z
報告年月日

収入

(1)補助金交付額
3,416,000円
(2)補助金確定額
3,416,000円
差引額 [(1)-(2)]
0円

支出

研究費 (内訳) 直接研究費 物品費 772,173円
人件費・謝金 19,800円
旅費 971,650円
その他 1,036,377円
間接経費 616,000円
合計 3,416,000円

備考

備考
-

公開日・更新日

公開日
2018-06-06
更新日
-