希少難治性角膜疾患の疫学調査

文献情報

文献番号
201610033A
報告書区分
総括
研究課題名
希少難治性角膜疾患の疫学調査
課題番号
H26-難治等(難)-一般-072
研究年度
平成28(2016)年度
研究代表者(所属機関)
西田 幸二(大阪大学大学院医学系研究科 脳神経感覚器外科学(眼科学))
研究分担者(所属機関)
  • 木下 茂(京都府立医科大学 特任講座感覚器未来医療学)
  • 大橋 裕一(愛媛大学 本部部局)
  • 坪田 一男(慶應義塾大学医学部 眼科学教室)
  • 村上 晶(順天堂大学大学院医学研究科 眼科学)
  • 島崎 潤(東京歯科大学 歯学部)
  • 宮田 和典(医療法人明和会 宮田眼科病院 眼科)
  • 山田 昌和(杏林大学医学部 眼科学教室)
  • 臼井 智彦(東京大学医学部附属病院 角膜移植部)
  • 前田 直之(大阪大学大学院医学系研究科 視覚情報制御学寄附講座)
  • 新谷 歩(大阪大学大学院医学系研究科 臨床統計疫学寄附講座)
  • 川崎 諭(大阪大学大学院医学系研究科 眼免疫再生医学共同研究講座)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 難治性疾患等政策研究(難治性疾患政策研究)
研究開始年度
平成26(2014)年度
研究終了予定年度
平成28(2016)年度
研究費
15,385,000円
研究者交替、所属機関変更
研究分担者の新谷歩が平成28年11月1日付で退職したため、山田知美が研究協力者として以降の研究に関与した。

研究報告書(概要版)

研究目的
角膜は眼球の最前部に位置し、眼球光学系で最大の屈折力を持つため、わずかな混濁や変形であっても著しい視力低下を来す。本研究で対象としている角膜疾患はいずれも希少な疾患で、原因ないし病態が明らかでなく、効果的な治療方法がいまだ確立しておらず、また著しい視力低下を来すため早急な対策が必要な疾患であると言える。これまでこれらの難治性角膜疾患に対しては難治性克服疾患研究事業のもと個別に研究が行われてきた。しかし希少疾患であるがゆえ、患者情報の収集は容易ではなく、またその成果のフィードバックについても現時点で一般眼科医にまで浸透しているとは言えない状況である。そのため、調査から診断基準や重症度分類、診療ガイドラインの作成・改定、そしてそれらの普及・啓蒙までの一連のプロセスを学会主導で行う必要性があると考えられる。
本研究では、角膜の希少難治性疾患として6つの疾患領域について、日本眼科学会の主導のもと、角膜学会、角膜移植学会および小児眼科学会と連携して難治性角膜疾患の臨床研究を全国規模で行い、より質の高い診断基準や重症度分類、診療ガイドラインの作成を行うこととする。さらにそれらを学会主導で全国に普及させ難治性疾患の診断および治療の均てん化を図ることで難治性疾患の医療水準の向上、予後改善に貢献することを目指している。
研究方法
H26年度の初めに班会議を開催し、その中で本研究の対象となる角膜の希少難治性疾患として、1. 角膜内皮症、2. 角膜形状異常症、3. 先天性角膜混濁、4. 周辺部角膜潰瘍、5. 角膜ジストロフィ、6. 角膜上皮幹細胞疲弊症の6つの疾患領域の対象疾患および研究担当者(リーダー、サブリーダー、コアメンバー、サブメンバー)を決定した。進め方としては重要案件については班会議で対面形式で話し合い、それ以外の些事たる案件についてはメールベースで話し合うこととした。
結果と考察
各疾患領域の成果の詳細については分担報告書に譲る。H28年度にはすべての疾患領域について診断基準および重症度分類を作成した。今年度はそれらについて最終化を行い、角膜学会、角膜移植学会での意見募集を行い、さらに前眼部形成異常と無虹彩症の2疾患については日本眼科学会の学会承認を得た。また指定難病検討委員会への情報提供を行い、その結果、無虹彩症と前眼部形成異常の2疾患については指定難病となった。作成した診断基準、重症度分類について、角膜カンファレンスにてシンポジウムを行い、眼科医への啓蒙を行った。
今年度は本研究の最終年度であったが、診断基準と重症度分類の最終化と無虹彩症と前眼部形成異常の2疾患についての学会承認に至ることができた。残りの9疾患についても学会承認を得るために調整を行っている。
結論
H28年度にはすべての疾患領域について診断基準および重症度分類の最終化を行い、角膜学会、角膜移植学会での意見募集を行い、さらに前眼部形成異常と無虹彩症の2疾患については日本眼科学会の学会承認を得た。また指定難病検討委員会への情報提供を行い、その結果、無虹彩症と前眼部形成異常の2疾患が指定難病となった。

公開日・更新日

公開日
2017-06-07
更新日
-

研究報告書(紙媒体)

文献情報

文献番号
201610033B
報告書区分
総合
研究課題名
希少難治性角膜疾患の疫学調査
課題番号
H26-難治等(難)-一般-072
研究年度
平成28(2016)年度
研究代表者(所属機関)
西田 幸二(大阪大学大学院医学系研究科 脳神経感覚器外科学(眼科学))
研究分担者(所属機関)
  • 木下 茂(京都府立医科大学 特任講座感覚器未来医療学)
  • 大橋 裕一(愛媛大学 本部部局)
  • 坪田 一男(慶應義塾大学医学部 眼科学教室)
  • 村上 晶(順天堂大学大学院医学研究科 眼科学)
  • 島崎 潤(東京歯科大学 歯学部)
  • 宮田 和典(医療法人明和会 宮田眼科病院 眼科)
  • 山田 昌和(杏林大学医学部 眼科学教室)
  • 山上 聡(東京大学医学部附属病院 角膜移植部)
  • 臼井 智彦(東京大学医学部附属病院 角膜移植部)
  • 前田 直之(大阪大学大学院医学系研究科 視覚情報制御学寄附講座)
  • 新谷 歩(大阪大学大学院医学系研究科 臨床統計疫学寄附講座)
  • 川崎 諭(大阪大学大学院医学系研究科 眼免疫再生医学共同研究講座)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 難治性疾患等政策研究(難治性疾患政策研究)
研究開始年度
平成26(2014)年度
研究終了予定年度
平成28(2016)年度
研究者交替、所属機関変更
研究分担者の山上聡が平成28年4月1日付けで他機関へ異動したたため、臼井智彦に研究分担者を交替した。 研究分担者の新谷歩が平成28年11月1日付で退職したため、山田知美が研究協力者として以降の研究に関与した。

研究報告書(概要版)

研究目的
角膜は眼球の最前部に位置し、眼球光学系で最大の屈折力を持つため、わずかな混濁や変形であっても著しい視力低下を来す。本研究で対象としている角膜疾患はいずれも希少な疾患で、原因ないし病態が明らかでなく、効果的な治療方法がいまだ確立しておらず、また著しい視力低下を来すため早急な対策が必要な疾患であると言える。これまでこれらの難治性角膜疾患に対しては難治性克服疾患研究事業のもと個別に研究が行われてきた。しかし希少疾患であるがゆえ、患者情報の収集は容易ではなく、またその成果のフィードバックについても現時点で一般眼科医にまで浸透しているとは言えない状況である。そのため、調査から診断基準や重症度分類、診療ガイドラインの作成・改定、そしてそれらの普及・啓蒙までの一連のプロセスを学会主導で行う必要性があると考えられる。
本研究では、角膜の希少難治性疾患として6つの疾患領域について、日本眼科学会の主導のもと、角膜学会、角膜移植学会および小児眼科学会と連携して難治性角膜疾患の臨床研究を全国規模で行い、より質の高い診断基準や重症度分類、診療ガイドラインの作成を行うこととする。さらにそれらを学会主導で全国に普及させ難治性疾患の診断および治療の均てん化を図ることで難治性疾患の医療水準の向上、予後改善に貢献することを目指している。
研究方法
H26年度の初めに班会議を開催し、その中で本研究の対象となる角膜の希少難治性疾患として、1. 角膜内皮症、2. 角膜形状異常症、3. 先天性角膜混濁、4. 周辺部角膜潰瘍、5. 角膜ジストロフィ、6. 角膜上皮幹細胞疲弊症の6つの疾患領域の対象疾患および研究担当者(リーダー、サブリーダー、コアメンバー、サブメンバー)を決定した。進め方としては重要案件については班会議で対面形式で話し合い、それ以外の些事たる案件についてはメールベースで話し合うこととした。
結果と考察
H26年には6疾患領域についておのおの研究グループを構築し、既存調査の問題点の洗い出しやデータ収集項目・調査方法等の決定を行った。すべてのグループで診断基準の作成を行い、疫学調査についても角膜ジストロフィのグループではデータベースの構築およびデータ入力まで進めた。また遺伝性角膜ジストロフィの研究グループでは診断基準の作成に遺伝子検査が必要と判断し、遺伝子解析を行った。
H27年度には各ワーキンググループ内での議論をもとに診断基準の改定、重症度分類の作成を行うとともに疾患レジストリへの入力を開始した。
H28年度にはすべての疾患領域について診断基準および重症度分類の最終化を行った。角膜学会、角膜移植学会での意見募集を行い、さらに前眼部形成異常と無虹彩症の2疾患については日本眼科学会の学会承認を得た。また指定難病検討委員会への情報提供を行い、その結果、無虹彩症と前眼部形成異常の2疾患が指定難病となった。
残りの9疾患についても学会承認を得るために調整を行っている。
結論
すべての疾患領域について診断基準および重症度分類の最終化を行い、角膜学会、角膜移植学会での意見募集を行い、さらに前眼部形成異常と無虹彩症の2疾患については日本眼科学会の学会承認を得た。また指定難病検討委員会への情報提供を行い、その結果、無虹彩症と前眼部形成異常の2疾患が指定難病となった。

公開日・更新日

公開日
2017-06-07
更新日
-

研究報告書(紙媒体)

行政効果報告

文献番号
201610033C

成果

専門的・学術的観点からの成果
研究班において検討を重ね、学問的にも妥当なレベルの診断基準、重症度分類を対象疾患全てについて作成し、学会承認を得た。
臨床的観点からの成果
作成した診断基準、重症度分類により診療の向上が期待できる。
ガイドライン等の開発
平成29年度~令和元年度「角膜難病の標準的診断法および治療法の確立を目指した調査研究」において前眼部形成異常および無虹彩症の診療ガイドラインを策定した。
その他行政的観点からの成果
指定難病となった無虹彩症、前眼部形成異常および膠様滴状角膜ジストロフィーについては、重症患者については医療費負担の軽減が図られることとなった。
その他のインパクト
角膜カンファランス(2017年2月16日)においていくつかの疾患について診断基準と重症度分類のシンポジウムを行った。

発表件数

原著論文(和文)
28件
原著論文(英文等)
66件
その他論文(和文)
2件
その他論文(英文等)
0件
学会発表(国内学会)
27件
学会発表(国際学会等)
15件
その他成果(特許の出願)
0件
その他成果(特許の取得)
0件
その他成果(施策への反映)
0件
その他成果(普及・啓発活動)
1件

特許

主な原著論文20編(論文に厚生労働科学研究費の補助を受けたことが明記された論文に限る)

論文に厚生労働科学研究費の補助を受けたことが明記された論文に限ります。

原著論文1
Shimazaki J,Maeda N, Hieda O, et al. 
National survey of pellucid marginal corneal degeneration in Japan.
Jpn J Ophthalmol , 60 (5) , 341-348  (2016)
10.1007/s10384-016-0462-0

公開日・更新日

公開日
2018-06-18
更新日
2021-06-08

収支報告書

文献番号
201610033Z
報告年月日

収入

(1)補助金交付額
20,000,000円
(2)補助金確定額
19,909,000円
差引額 [(1)-(2)]
91,000円

支出

研究費 (内訳) 直接研究費 物品費 1,922,627円
人件費・謝金 6,476,539円
旅費 5,724,200円
その他 1,171,071円
間接経費 4,615,000円
合計 19,909,437円

備考

備考
91,000円 返還

公開日・更新日

公開日
2018-03-09
更新日
-