先天性難治性稀少泌尿生殖器疾患群(総排泄腔遺残、総排泄腔外反、MRKH症候群)におけるスムーズな成人期医療移行のための分類・診断・治療ガイドライン作成

文献情報

文献番号
201610029A
報告書区分
総括
研究課題名
先天性難治性稀少泌尿生殖器疾患群(総排泄腔遺残、総排泄腔外反、MRKH症候群)におけるスムーズな成人期医療移行のための分類・診断・治療ガイドライン作成
課題番号
H26-難治等(難)-一般-068
研究年度
平成28(2016)年度
研究代表者(所属機関)
窪田 正幸(新潟大学 医歯学系)
研究分担者(所属機関)
  • 荒井 勇樹(新潟大学 医歯学総合病院)
  • 上野 滋(東海大学 医学部)
  • 藤野 明浩(国立成育医療研究センター)
  • 矢内 俊裕(茨城県立こども病院)
  • 加藤 聖子(九州大学大学院 医学研究院)
  • 大須賀 穣(東京大学大学院 医学研究科)
  • 金森 豊(国立成育医療研究センター)
  • 天江 新太郎(陽光福祉会 エコー療育園)
  • 新開 真人(神奈川県立こども医療センター)
  • 田附 裕子(大阪大学大学院 医学系研究科)
  • 家入 里志(鹿児島大学 学術研究院医歯学域医学系)
  • 尾藤 祐子(神戸大学 医学部付属病院)
  • 河野 美幸(金沢医科大学)
  • 金子 一成(関西医科大学)
  • 石倉 健司(国立成育医療研究センター)
  • 赤澤 宏平(新潟大学 医歯学総合病院)
  • 林 祐太郎(名古屋市立大学 大学院医学研究科)
  • 山口 孝則(福岡市立こども病院)
  • 山崎 雄一郎(神奈川県立こども医療センター)
  • 米倉 竹夫(近畿大学 医学部奈良病院)
  • 杉多 良文(兵庫県立こども病院)
  • 岩井 潤(千葉県こども病院)
  • 大野 康治(大分こども病院)
  • 吉野 薫(愛知県立あいち小児保健医療総合センター)
  • 木下 義晶(九州大学 病院)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 難治性疾患等政策研究(難治性疾患政策研究)
研究開始年度
平成26(2014)年度
研究終了予定年度
平成28(2016)年度
研究費
10,766,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
先天性難治性稀少泌尿生殖器機能を温存し、妊娠・性交・出産が可能な成人期治療へと円滑に移行させ、患者の健やかな成長と予後の改善を図ることで患児の自立を促す包括的ガイドラインの作成
研究方法
関連学会経由でパブリックコメントを募集し、AGREEⅡを含めた外部評価をうけ、ガイドライン最終案を作成し、普及傾向に努める
結果と考察
関連学会を経由してのパブリックオピニオンを募集し、AGREEⅡ評価を含めた外部評価委員による評価をうけ、ガイドラインの精緻化と最終版作成を行った。1ヶ月間のパブリックオピニオン募集期間に関連5学会から寄せられた意見はなく、関連学会医師が本ガイドラインを妥当で受け入れられる内容であると判断したものと考えられた。
結論
平成27年に作成したガイドライン精緻化のためのパブリックコメント募集を行ったが、寄せられた意見はなく、今回のガイドラインが妥当性をもって受け入れられたものと判断した。しかし、CQの中には未だに推奨文を記載できないエビデンスの少ない臨床分野が多く、前方視的な本邦発の研究が必要で、NCDを利用するような全国的な症例集積システムの構築が不可欠と考えられた。

公開日・更新日

公開日
2017-05-31
更新日
-

研究報告書(PDF)

公開日・更新日

公開日
2017-05-31
更新日
-

研究報告書(紙媒体)

文献情報

文献番号
201610029B
報告書区分
総合
研究課題名
先天性難治性稀少泌尿生殖器疾患群(総排泄腔遺残、総排泄腔外反、MRKH症候群)におけるスムーズな成人期医療移行のための分類・診断・治療ガイドライン作成
課題番号
H26-難治等(難)-一般-068
研究年度
平成28(2016)年度
研究代表者(所属機関)
窪田 正幸(新潟大学 医歯学系)
研究分担者(所属機関)
  • 荒井 勇樹(新潟大学 医歯学総合病院)
  • 上野 滋(東海大学 医学部)
  • 藤野 明浩(国立成育医療研究センター)
  • 矢内 俊裕(茨城県立こども病院)
  • 加藤 聖子(九州大学大学院 医学研究院)
  • 大須賀 穣(東京大学大学院 医学研究科)
  • 金森 豊(国立成育医療研究センター)
  • 天江 新太郎(陽光福祉会 エコー療育園)
  • 新開 真人(神奈川県立こども医療センター)
  • 田附 裕子(大阪大学大学院 医学系研究科)
  • 家入 里志(鹿児島大学 学術研究院医歯学域医学系)
  • 尾藤 祐子(神戸大学 医学部付属病院)
  • 河野 美幸(金沢医科大学)
  • 金子 一成(関西医科大学)
  • 石倉 健司(国立成育医療研究センター)
  • 赤澤 宏平(新潟大学 医歯学総合病院)
  • 林 祐太郎(名古屋市立大学大学院 医学研究科)
  • 山口 孝則(福岡市立こども病院)
  • 山崎 雄一郎(神奈川県立こども医療センター)
  • 米倉 竹夫(近畿大学 医学部奈良病院)
  • 杉多 良文(兵庫県立こども病院)
  • 岩井 潤(千葉県こども病院)
  • 大野 康治(大分こども病院)
  • 吉野 薫(愛知県立あいち小児保健医療総合センター)
  • 木下 義晶(九州大学 病院)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 難治性疾患等政策研究(難治性疾患政策研究)
研究開始年度
平成26(2014)年度
研究終了予定年度
平成28(2016)年度
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
先天性難治性稀少泌尿生殖器機能を温存し、妊娠・性交・出産が可能な成人期治療へと円滑に移行させ、患者の健やかな成長と予後の改善を図ることで患児の自立を促す包括的ガイドライン作成を目的としている
研究方法
3疾患の症例数・診断と病型・外科治療と予後に関する網羅的全国調査を行い、ガイドライン作成のための基礎資料とした。2014年のMinds診療ガイドライン作成マニュアルに準拠しガイドラインを作成。「円滑な成人期医療移行」を3疾患共通のタイトルとし、患者さんへの益と不利益という観点からクリニカルクエスチョンを策定。関連学会経由でパブリックコメントを募集、AGREEⅡを含めた外部評価をうけ、ガイドライン最終案を作成
結果と考察
全国調査での結果は、合併疾患として最多なものは尿路系疾患で約8割の頻度であった。各疾患のガイドライン作成を行い、「円滑な成人期医療移行」を目指し、CQと推奨文を作成。関連学会にパブリックコメントを依頼したが寄せられたコメントはなかった。ガイドラインは詳細版と実用版を作成し、一般の方に理解されやすい実用版を出版することで、普及・啓蒙に努める
結論
稀少泌尿生殖器疾患の前向き症例登録や前向き研究の必要性が明らかになった。研究目的である3疾患の「円滑な成人期医療移行」に必要な医療体制構築には小児期に行われる泌尿生殖器治療の精緻化とそれに対する長期フォローによる成績評価が必要であるという課題を明らかにすることができた。

公開日・更新日

公開日
2017-05-31
更新日
-

研究報告書(PDF)

公開日・更新日

公開日
2017-05-31
更新日
-

研究報告書(紙媒体)

行政効果報告

文献番号
201610029C

成果

専門的・学術的観点からの成果
平成26年度に本邦のおける総排泄腔遺残、総排泄腔背反、MRKH症候群の網羅的全国調査を施行した。世界的にみてもこのような全国調査報告はなく、画期的な成果であった。調査結果は、オープンジャーナルとして小児外科英文誌に報告し、世界に広く喧伝している。平成27年、28年の研究で、3疾患に対する診療ガイドラインを作成することができた。この3疾患に対するガイドラインは世界的にみても始めてであり、専門的価値だけでなく、Mindsの方法に則った学術的価値の高いガイドラインである。
臨床的観点からの成果
ガイドライン作成により、小児から成人へのスムーズな医療連携のための方策を明らかにすることができた。特に、泌尿生殖器に関しては、現在までは経験的医療の域をでなかったが、今回のガイドラインで標準的治療を示すことができた。総排泄腔遺残症では総排泄腔の長さに基づく適切な治療方針、総排泄腔外反では腟・子宮再建術の視的法法や時期など、稀少疾患のためエビデンスを提示できない部分もあり、今後の検討課題も明らかにするものであった。平成30年4月ガイドラインがMindsに掲載された。
ガイドライン等の開発
Mindsに準拠した「先天性難治性稀少泌尿生殖器疾患群(先天性総排泄腔遺残症、総排泄腔外反症、MRKH症候群)におけるスムーズな成人期医療移行のための分類・診断・治療ガイドライン」を作成した。平成27年に素案を作成し、平成28年に関連学会におけるパブリックオピニオン、外部評価委員により評価、AGREE II評価をうけ、平成29年3月に実用版と詳細版を作成し、ホームページにダウンロードできるように掲示ならびに出版物として刊行した。平成30年4月にMindsによる認証をうけた。
その他行政的観点からの成果
平成27年1月に「難病の患者に対する医療等に関する法律」と「児童福祉法の一部を改正する法律」が制定され、小児慢性特的疾患(23総排泄腔遺残、24総排泄腔外反症)に認定され、平成27年7月には指定難病にも認定された。
その他のインパクト
本ガイドラインは、平成29年の第50回PAPS(太平洋小児外科学会)にて発表し、おおきな反響をえた。今後、他の国際学会での発表やガイドラインの英文化などを通じて、今回の業績を世界に喧伝し、世界レベルでの患者QOL向上の方策として活用してゆきたい。 平成29年6月日本小児泌尿器科学会でガイドライン紹介を行い、平成30年10月27日の第34回日本小児外科学会秋季シンポジウム(テーマ総排泄腔外反症)において講演を依頼されている。

発表件数

原著論文(和文)
0件
原著論文(英文等)
1件
平成26年度全国調査結果。オープンジャーナルとして論文を入手できるようにしています。
その他論文(和文)
5件
総説と各年度の研究報告書作成。小児外科へのガイドライン解説(2017)
その他論文(英文等)
0件
学会発表(国内学会)
3件
第52回日本小児外科学会総会シンポジウム(2015年)、第52回日本周産期・新生児医学会教育講演(2016年)、第26回日本小児泌尿器科学会(2017年)
学会発表(国際学会等)
3件
第24回アジア小児外科学会(2016年)、第50回太平洋小児外科学会(2017年、研究に関する報告を2件発表)
その他成果(特許の出願)
0件
その他成果(特許の取得)
0件
その他成果(施策への反映)
2件
小児慢性特的疾患と指定難病に総排泄腔遺残と総排泄腔外反が採用された
その他成果(普及・啓発活動)
1件
ガイドラインを平成29年3月に刊行物として出版した。同時に、学会ホームページよりダウンロードできるようにした。

特許

特許の名称
人工気管
詳細情報
分類:
特許番号: 第6092789
発明者名: 窪田 正幸
権利者名: 新潟大学
出願年月日: 20121228
取得年月日: 20170217
国内外の別: 国際

主な原著論文20編(論文に厚生労働科学研究費の補助を受けたことが明記された論文に限る)

論文に厚生労働科学研究費の補助を受けたことが明記された論文に限ります。

原著論文1
Kubota M
The current profile of persistent cloaca and cloacal exstrophy in Japan: the result of a nationwide survey in 2014 and a review of the literature
Pediatr Surg Int , 33 (4) , 505-512  (2017)
10.1007/s00383-016-4053-4
原著論文2
Kubota, M., Osuga, Y., Kato, K., et al
Treatment guidelines for persistent cloaca, cloacal exstrophy, and Mayer-Rokitansky-Kuster-Hauser syndrome for the appropriate transitional care of patients
Surgery Today , 49 (12) , 985-1002  (2019)
10.1007/s00595-019-01810-z

公開日・更新日

公開日
2017-06-13
更新日
2021-07-01

収支報告書

文献番号
201610029Z
報告年月日

収入

(1)補助金交付額
13,995,000円
(2)補助金確定額
13,819,000円
差引額 [(1)-(2)]
176,000円

支出

研究費 (内訳) 直接研究費 物品費 4,962,928円
人件費・謝金 2,459,612円
旅費 1,409,630円
その他 1,758,394円
間接経費 3,229,000円
合計 13,819,564円

備考

備考
176,000円 返還

公開日・更新日

公開日
2018-03-01
更新日
-