文献情報
文献番号
201610026A
報告書区分
総括
研究課題名
難治性の肝・胆道疾患に関する調査研究
研究課題名(英字)
-
課題番号
H26-難治等(難)-一般-064
研究年度
平成28(2016)年度
研究代表者(所属機関)
滝川 一(帝京大学 医学部内科学講座)
研究分担者(所属機関)
- 橋爪 誠(九州大学大学院医学研究院先端医療医学講座)
- 田妻 進(広島大学病院総合内科・総合診療科)
- 原田 憲一(金沢大学医薬保健研究域医学系人体病理学)
- 大平 弘正(福島県立医科大学医学部消化器内科学講座)
- 持田 智(埼玉医科大学医学部消化器内科・肝臓内科)
- 田中 篤(帝京大学医学部内科学講座)
- 國土 典宏(東京大学大学院医学系研究科臓器病態外科学)
- 井戸 章雄(鹿児島大学学術研究院医歯学域医学系消化器疾患・生活習慣病学)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 難治性疾患等政策研究(難治性疾患政策研究)
研究開始年度
平成26(2014)年度
研究終了予定年度
平成28(2016)年度
研究費
13,924,000円
研究者交替、所属機関変更
-
研究報告書(概要版)
研究目的
1)自己免疫性肝炎、原発性胆汁性胆管炎、原発性硬化性胆管炎、バッド・キアリ症候群、特発性門脈圧亢進症の指定難病5疾患、及び肝内結石症、急性肝不全、肝外門脈閉塞症の各研究対象疾患について、昨年まで本調査研究班・各分科会で作成した既存の診断基準、治療指針、重症度判定基準の有用性・妥当性を検証し、改訂作業を行う。また、診断基準や治療指針が存在しない疾患については新たに策定する。
2)改訂・策定した診断基準・治療指針・重症度判定基準についてそれぞれ関連学会の承認を得る。
3)小児期発症の希少難治性肝・胆道疾患については「小児期発症の希少難治性肝胆膵疾患における包括的な診断・治療ガイドライン作成に関する研究」班と連携しシームレスな移行期医療の推進を図る。
4)研究結果をひろく医師・一般に周知し、難治性の肝・胆道疾患の理解や予後の改善に寄与する。
2)改訂・策定した診断基準・治療指針・重症度判定基準についてそれぞれ関連学会の承認を得る。
3)小児期発症の希少難治性肝・胆道疾患については「小児期発症の希少難治性肝胆膵疾患における包括的な診断・治療ガイドライン作成に関する研究」班と連携しシームレスな移行期医療の推進を図る。
4)研究結果をひろく医師・一般に周知し、難治性の肝・胆道疾患の理解や予後の改善に寄与する。
研究方法
1)各疾患について今まで行ってきた全国疫学調査の結果を解析する。また新たに全国疫学調査を行い、これらの結果を通して現在の各疾患の本邦における状況を把握する。
2)これらを通じて、診療ガイドライン作成上重要なエビデンスを構築する。
3)小児期発症の希少難治性肝・胆道疾患に罹患した患児・患者の実態調査を行う。成人を診療している医師向けの小児期発症の希少難治性肝・胆道疾患診療ガイドブックを作成する。
4)研究成果周知のため、一般向け・医師向けのホームページの作成と研修会を開催する。
2)これらを通じて、診療ガイドライン作成上重要なエビデンスを構築する。
3)小児期発症の希少難治性肝・胆道疾患に罹患した患児・患者の実態調査を行う。成人を診療している医師向けの小児期発症の希少難治性肝・胆道疾患診療ガイドブックを作成する。
4)研究成果周知のため、一般向け・医師向けのホームページの作成と研修会を開催する。
結果と考察
1)自己免疫性肝炎/・急性肝炎期AIHの症例を86症例集積し、臨床・病理評価を施行した。・これまでの調査データと予後調査から重症度判定基準の妥当性を検証し、判定基準の改訂案を作成した。・QOL調査を行った。以上の結果を踏まえ自己免疫性肝炎診療ガイドライン(2016)を作成し、日本肝臓学会の承認を得た。
2)原発性胆汁性胆管炎/・第16回原発性胆汁性胆管炎全国調査を行った。・日本人PBC患者における生活の質の検討を行った。・早期PBC症例に対する治療待機の妥当性について検討した。・大西班で行われたウルソデオキシコール酸とベザフィブラートの比較投与試験症例の追跡調査を行った。・肝不全に至ったPBC症例の調査を行った。・PBCに対する肝移植の前向き長期予後調査に着手した。以上の結果を基に、原発性胆汁性胆管炎(PBC)の診療ガイドライン改定として、同追補版2017を作成し日本肝臓学会の承認を得た。
3)原発性硬化性胆管炎/・本研究班が行った2015年の全国アンケート調査の結果に基づいてPSC診断基準を作成するとともに、2012年の全国調査結果から本邦PSC196症例の予後決定因子を解析し、重症度分類を作成した。・原発性硬化性胆管炎の診療指針を策定し、日本胆道学会の承認を得た。
4)門脈血行異常症/・門脈血行異常症に関する全国疫学調査を行った。・バッド・キアリ症候群に対する直達手術有用性を検討した。・個人調査表からみたバッド・キアリ症候群の臨床像の検討を行った。以上の結果を踏まえ、門脈血行異常症の診療ガイドライン大改訂版と英文版ガイドラインを作成し、日本門脈圧亢進症学会の承認を得た。
5)肝内結石/・1998年全国調査に登録された肝内結石症例に対しコホート調査を行った。・肝内結石診療ガイドライン、治療フローチャート、重症度分類策定を行った。
6)急性肝不全/・わが国における急性肝不全の診断基準に準拠して、2015年に発症した急性肝不全およびLOHFの全国調査を実施した。・急性肝不全、LOFの全国調査に登録された2004~2014年以降発症のB型症例を対象に、副腎皮質ステロイドの投与状況を予後との関連を解析した。・2008年に発表した劇症肝炎の肝移植に際しての予後予測スコアリングシステムを再評価した。・劇症肝炎患者の脳死肝移待機植登録状況と移植実施率、待機死亡に関する調査を実施した。
7)小児期発症の希少難治性肝・胆道疾患/・日本肝臓学会、日本小児栄養消化器肝臓学会、日本肝胆膵外科学会、日本小児外科学会と連携し、小児期に発症する希少肝・胆道疾患患者が、現在どの施設・どの診療科で、どのように診療されているかについての実態調査に着手した。・本研究班および「小児期発症の希少難治性肝胆膵疾患における包括的な診断・治療ガイドライン作成に関する研究」班合同による「小児期発症希少難治性肝胆道疾患移行期・成人期診療ガイドブック」(仮称)作成に向けたワーキンググループを設立した。
8)その他/研究成果の一般への周知のため、研究班ホームページ作成、若手医師対象の自己免疫性肝疾患の研修会を行い、新聞取材を受けた。
2)原発性胆汁性胆管炎/・第16回原発性胆汁性胆管炎全国調査を行った。・日本人PBC患者における生活の質の検討を行った。・早期PBC症例に対する治療待機の妥当性について検討した。・大西班で行われたウルソデオキシコール酸とベザフィブラートの比較投与試験症例の追跡調査を行った。・肝不全に至ったPBC症例の調査を行った。・PBCに対する肝移植の前向き長期予後調査に着手した。以上の結果を基に、原発性胆汁性胆管炎(PBC)の診療ガイドライン改定として、同追補版2017を作成し日本肝臓学会の承認を得た。
3)原発性硬化性胆管炎/・本研究班が行った2015年の全国アンケート調査の結果に基づいてPSC診断基準を作成するとともに、2012年の全国調査結果から本邦PSC196症例の予後決定因子を解析し、重症度分類を作成した。・原発性硬化性胆管炎の診療指針を策定し、日本胆道学会の承認を得た。
4)門脈血行異常症/・門脈血行異常症に関する全国疫学調査を行った。・バッド・キアリ症候群に対する直達手術有用性を検討した。・個人調査表からみたバッド・キアリ症候群の臨床像の検討を行った。以上の結果を踏まえ、門脈血行異常症の診療ガイドライン大改訂版と英文版ガイドラインを作成し、日本門脈圧亢進症学会の承認を得た。
5)肝内結石/・1998年全国調査に登録された肝内結石症例に対しコホート調査を行った。・肝内結石診療ガイドライン、治療フローチャート、重症度分類策定を行った。
6)急性肝不全/・わが国における急性肝不全の診断基準に準拠して、2015年に発症した急性肝不全およびLOHFの全国調査を実施した。・急性肝不全、LOFの全国調査に登録された2004~2014年以降発症のB型症例を対象に、副腎皮質ステロイドの投与状況を予後との関連を解析した。・2008年に発表した劇症肝炎の肝移植に際しての予後予測スコアリングシステムを再評価した。・劇症肝炎患者の脳死肝移待機植登録状況と移植実施率、待機死亡に関する調査を実施した。
7)小児期発症の希少難治性肝・胆道疾患/・日本肝臓学会、日本小児栄養消化器肝臓学会、日本肝胆膵外科学会、日本小児外科学会と連携し、小児期に発症する希少肝・胆道疾患患者が、現在どの施設・どの診療科で、どのように診療されているかについての実態調査に着手した。・本研究班および「小児期発症の希少難治性肝胆膵疾患における包括的な診断・治療ガイドライン作成に関する研究」班合同による「小児期発症希少難治性肝胆道疾患移行期・成人期診療ガイドブック」(仮称)作成に向けたワーキンググループを設立した。
8)その他/研究成果の一般への周知のため、研究班ホームページ作成、若手医師対象の自己免疫性肝疾患の研修会を行い、新聞取材を受けた。
結論
これらの研究により、本邦における難治性肝・胆道疾患の診療水準の向上、疾患の理解や予後の向上、医療経済への貢献を果たすことができた。
公開日・更新日
公開日
2017-06-02
更新日
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