脊柱靭帯骨化症に関する調査研究

文献情報

文献番号
201610008A
報告書区分
総括
研究課題名
脊柱靭帯骨化症に関する調査研究
課題番号
H26-難治等(難)-一般-038
研究年度
平成28(2016)年度
研究代表者(所属機関)
大川 淳(国立大学法人東京医科歯科大学 大学院医歯学総合研究科整形外科学)
研究分担者(所属機関)
  • 岩崎 幹季(大阪労災病院 整形外科)
  • 中嶋 秀明(福井大学医学部器官制御医学講座 整形外科学)
  • 川口 善治(富山大学大学院医学薬学研究部 整形外科学)
  • 山崎 正志(筑波大学医療系学部 整形外科学)
  • 中村 雅也(慶應義塾大学医学部 整形外科学)
  • 松本 守雄(慶應義塾大学医学部 整形外科学)
  • 竹下 克志(自治医科大学医学部 整形外科学)
  • 今釜 史郎(名古屋大学大学院医学系研究科整形外科学)
  • 松山 幸弘(浜松医科大学 整形外科学)
  • 芳賀 信彦(東京大学医学部 リハビリテーション医学)
  • 森 幹士(滋賀医科大学 整形外科学)
  • 吉田 宗人(和歌山県立医科大学 整形外科学)
  • 遠藤 直人(新潟大学教育研究院医歯学系 整形外科学)
  • 小宮 節郎(鹿児島大学大学院運動機能修復学講座 整形外科学)
  • 高畑 雅彦(北海道大学病院 整形外科学)
  • 小澤 浩司(東北医科薬科大学医学部 整形外科学)
  • 土屋 弘行(金沢大学医薬保健研究域医学系・整形外科学)
  • 種市 洋(獨協医科大学 整形外科学)
  • 山本 謙吾(東京医科大学 整形外科学)
  • 渡辺 雅彦(東海大学医学部外科学系 整形外科学)
  • 藤林 俊介(京都大学大学院医学研究科 運動器機能再建学講座)
  • 田中 雅人(岡山大学医歯薬学総合研究科 整形外科学)
  • 田口 敏彦(山口大学大学院医学系研究科 整形外科学)
  • 中島 康晴(九州大学大学院医学研究院 整形外科学)
  • 鬼頭 浩史(名古屋大学大学院医学系研究科総合医学専攻運動形態外科学)
  • 吉井 俊貴(東京医科歯科大学大学院医歯学総合研究科整形外科学)
  • 波呂 浩孝(山梨大学大学院医学工学総合研究科 整形外科学)
  • 国府田  正雄(千葉大学大学院医学研究院 整形外科学)
  • 石橋 恭之(弘前大学大学院医学研究科整形外科学)
  • 佐藤 公昭(久留米大学医学部 整形外科)
  • 筑田 博隆(群馬大学大学院医学系研究科整形外科学)
  • 海渡 貴司(大阪大学大学院器官制御外科学 整形外科脊椎脊髄外科)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 難治性疾患等政策研究(難治性疾患政策研究)
研究開始年度
平成26(2014)年度
研究終了予定年度
平成28(2016)年度
研究費
16,387,000円
研究者交替、所属機関変更
【所属機関異動】  研究分担者 筑田 博隆  所属機関名 東京大学医学部附属病院(平成28年4月1日~平成29年1月31日)       →群馬大学       (平成29年2月1日~平成29年3月31日)

研究報告書(概要版)

研究目的
脊柱に靭帯骨化をおこす、後縦靱帯骨化症(OPLL)、黄色靭帯骨化症(OYL)、びまん性特発性骨増殖症(DISH)、進行性骨化性線維異形成症(FOP)の診断基準、重症度分類の作成、診療ガイドライン(GL)の作成、改訂に資するエビデンス集積のため、各疾患に対する多施設研究を中心とした臨床研究を行う。
研究方法
1)ハイリスク脊椎手術における術中脊髄モニタリングのアラームポイント設定、2)CTを用いた頸椎OPLLにおける全脊柱評価、3)DISHにおける脊椎損傷、4)頚椎OPLL患者における転倒による症状悪化に対する手術の影響、5)胸椎OPLLの手術成績、6)FOP患者のQOL調査など、多数の多施設研究projectを立ち上げ、統一したフォーマットでデータベースを作成し、医学的根拠を蓄積していく。
結果と考察
1)16施設で行われたハイリスク脊椎手術症例(2432例)である脊柱後縦靭帯骨化症、脊髄腫瘍 、側弯症手術に対して行った術中モニタリングに関してMEPのアラームポイントを70%振幅低下として調査を行った。モニタリングの精度は感度94.2%,特異度90.6%、陽性的中率32.8%、陰性的中率99.7%、偽陽性率9.4%、偽陰性率5.8%であった。頚椎OPLLは術中波形回復する割合が比較的高く(86.2%)、術中モニタリングの有用性が示された。
2)頚椎OPLL患者の全脊柱をCT撮影し、OPLL、黄色靭帯骨化(OLF)、前縦靭帯骨化(OALL)、棘上靭帯骨化(バルソニー結節)、棘上棘間靱帯骨化(OSIL)について相互関連の調査を行った。頚椎OPLL骨化指数によって重症度を3段階に分類すると、頚椎OPLLの骨化指数が重度の患者群では、他部位(胸腰椎)の各靭帯において、重度の骨化を有するリスクが高いことが明らかとなった。
3)全国18施設にてDISH脊椎損傷に対して治療を行った285例を対象に調査を行った。受傷形態は立位もしくは座位からの転倒が51.2%と最も多く、受傷時の神経症状はFrankel分類A 13.0%、B 6.0%、C 15.4%、D 12.2%、E 53.3%であったが、遅発性麻痺による神経症状の悪化を40.9%に生じた。診断の遅れは40.4%に認め、doctor’s delayが59.1%と、patient’s delayの40.9%よりも多く認め、診断の遅れがあったものでは有意に遅発性麻痺を認めた。
4)全国11施設から350例の症例集積を行った。その結果、1年間に1回以上の転倒・転落を経験した患者の割合は、術前171名(49%)から術後98名(28%)と有意に減少した(P < 0.001)。転倒の際に症状の悪化(感覚障害のみ悪化を含む)を自覚した患者は、術前102名(29%)であったが、術後28名(8%)と有意に減少した(P < 0.001)。特に運動障害の悪化を自覚した患者は、術前の64名(18%)から術後6名(2%)と大きく減少した。このことから手術治療は外傷を契機とした症状の悪化を予防することが確認された。
5)2011年12月以降に胸椎OPLL手術115例が前向きに登録され、その手術成績を調査した。術式は前方除圧固定8例 (7%)、後方手術は後方固定術4例 (3.5%)、椎弓切除術6例 (5.2%)、後方進入前方除圧固定術12例 (10%)、後方除圧固定術 (矯正固定術含む) 85例 (74%)であった。JOAスコア改善率は術後1年では平均55%であった。術式別JOA改善率 (1年)は有意差がなかった。一過性を含む術後麻痺発生は40例 (35%)で、術後半年のJOAスコア改善率は術中エコーでの脊髄浮上した症例で有意に高かった。
6)FOP患者に対してアンケートを通して患者の症状経過と身体機能を評価した。Barthel Index(BI)の合計点は初回評価時平均50点、4年後41.3点、6年後37.5点であり、全体としてはADLの変化に有意差はなかった。初回評価時の年齢により3群に分け各々の変化をみたところ、合計点の平均は初回→6年後評価では19歳以下65→60点、20~39歳50→45点、40歳以上20→0点であった。10歳代の患者でも整容、入浴、更衣で点数が低いのに対し、初回評価では年齢が高くても排便、排尿は点数が保たれていたが4、6年後年後の評価では低下していた。
結論
研究班3年目の最終年度となり、数多くのデータを多施設より集積する研究方法がほぼ確立した。既に従来の研究とは異なる桁数のデータ収集が進んでおり、これまで権威ある国際雑誌に研究班から複数の多施設臨床研究が掲載されている。これらの成果を新たな診療ガイドラインに反映させていく。

公開日・更新日

公開日
2017-05-26
更新日
-

研究報告書(PDF)

研究成果の刊行に関する一覧表
研究成果の刊行に関する一覧表
研究成果の刊行に関する一覧表

公開日・更新日

公開日
2017-05-26
更新日
-

研究報告書(紙媒体)

文献情報

文献番号
201610008B
報告書区分
総合
研究課題名
脊柱靭帯骨化症に関する調査研究
課題番号
H26-難治等(難)-一般-038
研究年度
平成28(2016)年度
研究代表者(所属機関)
大川 淳(国立大学法人東京医科歯科大学 大学院医歯学総合研究科整形外科学)
研究分担者(所属機関)
  • 岩崎 幹季(大阪労災病院 整形外科)
  • 中嶋  秀明(福井大学医学部器官制御医学講座 整形外科学)
  • 川口 善治(富山大学大学院医学薬学研究部 整形外科学)
  • 山崎 正志(筑波大学医療系学部 整形外科学)
  • 中村 雅也(慶應義塾大学医学部 整形外科学)
  • 松本 守雄(慶應義塾大学医学部 整形外科学)
  • 竹下 克志(自治医科大学医学部 整形外科学)
  • 今釜 史郎(名古屋大学大学院医学系研究科 整形外科学)
  • 松山 幸弘(浜松医科大学 整形外科学)
  • 芳賀 信彦(東京大学医学部 リハビリテーション医学)
  • 森 幹士(滋賀医科大学 整形外科学)
  • 吉田 宗人(和歌山県立医科大学 整形外科学)
  • 遠藤 直人(新潟大学教育研究院医歯学系 整形外科学)
  • 小宮 節郎(鹿児島大学大学院運動機能修復学講座 整形外科学)
  • 高畑 雅彦(北海道大学病院 整形外科学)
  • 小澤 浩司(東北医科薬科大学医学部 整形外科学)
  • 土屋 弘行(金沢大学医薬保健研究域医学系・整形外科学)
  • 種市 洋(獨協医科大学 整形外科学)
  • 山本 謙吾(東京医科大学 整形外科学)
  • 渡辺 雅彦(東海大学医学部外科学系整形外科学)
  • 藤林 俊介(京都大学大学院医学研究科 運動器機能再建学講座)
  • 田中 雅人(岡山大学医歯薬学総合研究科 整形外科学)
  • 田口 敏彦(山口大学大学院医学系研究科 整形外科学)
  • 中島 康晴(九州大学大学院医学研究院 整形外科学)
  • 鬼頭 浩史(名古屋大学大学院医学系研究科総合医学専攻運動形態外科学)
  • 吉井 俊貴(東京医科歯科大学大学院医歯学総合研究科整形外科学)
  • 波呂 浩孝(山梨大学大学院医学工学総合研究科 整形外科学)
  • 国府田  正雄(千葉大学大学院医学研究院 整形外科学)
  • 石橋 恭之(弘前大学大学院医学研究科 整形外科学)
  • 佐藤 公昭(久留米大学医学部 整形外科)
  • 筑田 博隆(東京大学医学部 整形外科)
  • 海渡 貴司(大阪大学大学院器官制御外科学整形外科脊椎脊髄外科)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 難治性疾患等政策研究(難治性疾患政策研究)
研究開始年度
平成26(2014)年度
研究終了予定年度
平成28(2016)年度
研究者交替、所属機関変更
【研究者分担者交替】  研究分担者 内田 研造 (平成26年4月1日~平成27年10月17日)       →中嶋 秀明 (平成27年10月18日~平成29年3月31日) 【所属機関異動】  研究分担者 竹下 克志  所属機関名 東京大学   (平成26年4月1日~平成26年4月30日)       →自治医科大学 (平成26年5月1日~平成29年3月31日)  研究分担者 筑田 博隆  所属機関名 東京大学医学部附属病院(平成27年4月1日~平成29年1月31日)       →群馬大学       (平成29年2月1日~平成29年3月31日)

研究報告書(概要版)

研究目的
脊柱に靭帯骨化をおこす疾患群:後縦靱帯骨化症(OPLL)黄色靭帯骨化症(OYL)びまん性特発性骨増殖症(DISH)進行性骨化性線維異形成症(FOP)の診断基準、重症度分類の作成、診療ガイドライン(GL)の改訂に資するエビデンス集積の為、各疾患に対する多施設研究を中心とした臨床研究を行う。
研究方法
1)OPLL手術における術中脊髄モニタリングのアラームポイント設定、2)CTを用いた頸椎OPLLにおける全脊柱評価、3)DISHにおける脊椎損傷の調査、4)頚椎OPLL患者における転倒による症状悪化に対する手術の影響、5)胸椎OPLLの前向き手術成績、6)FOP患者の重症度分類など多数の多施設研究projectを立ち上げ統一したフォーマットでDBを作成し医学的根拠を蓄積していく。
結果と考察
1)16施設で行われたOPLL手術の術中モニタリングについて調査を行った。振幅の70%低下をMEPのアラームポイントとしたところ頚椎OPLL203例のうち10例に波形変化を認め、うち4例がレスキューされていた。麻痺遺残は6例である。胸椎OPLLは114例であり波形変化20例のうちレスキューが5例、麻痺遺残が14例であった。波形変化は椎弓切除による除圧操作時がもっとも多かった。その際には、脊髄への侵襲行為を中止する、血圧を上昇させる、体位を調整する、インストゥルメントにより脊柱後弯を矯正する、ステロイド剤の投与などの対策を取るべきと考えられた。2)頚椎OPLL患者の全脊柱をCT撮影しOPLLおよび他の靭帯骨化との相互関連の調査を行った。頚椎OPLL骨化指数によって重症度を3段階に分類すると、頚椎OPLLの骨化指数が重度の患者群では、他部位(胸腰椎)の各靭帯において、重度の骨化を有するリスクが高いことが明らかとなった。本研究の結果は下記に掲載されたMori at al., BMC Musculoskelet Disord.2016 Dec 1;17(1):492. Hirai et al., PLoS One. 2016 Aug 22;11(8):e0160117.3)全国18施設にてDISH脊椎損傷に対して治療を行った285例を対象に調査を行った。受傷形態は立位もしくは座位からの転倒が51.2%と最も多く、受傷時の神経症状はFrankel分類A 13.0%、B 6.0%、C 15.4%、D 12.2%、E 53.3%であったが、遅発性麻痺による神経症状の悪化を40.9%に生じた。診断の遅れは40.4%に認め、doctor’s delayがpatient’s delayよりも多く認め、診断の遅れがあったものでは有意に遅発性麻痺を認めた。4)全国11施設から350例の症例集積を行った。その結果、1年間に1回以上の転倒・転落を経験した患者の割合は、術前171名(49%)から術後98名(28%)と有意に減少した(P < 0.001)。転倒の際に症状の悪化(感覚障害のみ悪化を含む)を自覚した患者は、術前102名(29%)であったが、術後28名(8%)と有意に減少した(P < 0.001)。このことから手術治療は外傷を契機とした症状の悪化を予防することが確認された。本研究結果は、下記に掲載された。Kimura et al., Spine (Phila Pa 1976). 2017 Apr 1;42(7):E398-E403.5)2011年12月以降に胸椎OPLL手術115例が前向きに登録され、その手術成績を調査した。術式は前方除圧固定8例 (7%)、後方手術は後方固定術4例 (3.5%)、椎弓切除術6例 (5.2%)、後方進入前方除圧固定術12例 (10%)、後方除圧固定術 (矯正固定術含む) 85例 (74%)であった。JOAスコア改善率は術後1年では平均55%であった。術式別JOA改善率 (1年)は有意差がなかった。一過性を含む術後麻痺発生は40例 (35%)で、術後半年のJOAスコア改善率は術中エコーでの脊髄浮上した症例で有意に高かった。今後、中長期的な成績を検討し、治療法の標準化、手術成績の向上を図っていく必要がある。6)これまでFOP患者の全国の症例を集積してきた。患者40名(男23名、女17名、10~45歳)を対象とし、病状の内容と今までの変化、画像上の特徴を調査した。その結果から、診断基準を策定した。症状のA項目、鑑別診断のB項目、遺伝学的検査のC項目から構成され、該当項目数からdefinite、possible、probableの3段階に分類した。この診断基準は難病の認定基準に採用された。
結論
靭帯骨化症調査研究班として多数の多施設研究を立ち上げ、重要な成果が得られている。引き続き社会に発信し成果を診療ガイドライン改訂に反映させていく。

公開日・更新日

公開日
2017-05-26
更新日
-

研究報告書(PDF)

公開日・更新日

公開日
2017-05-26
更新日
-

研究報告書(紙媒体)

行政効果報告

文献番号
201610008C

成果

専門的・学術的観点からの成果
多施設共同による症例集積により、後縦靱帯骨化症(OPLL)、黄色靭帯骨化症(OYL)の全脊柱における骨化巣分布を分析した。胸椎後縦靭帯骨化症手術における高い神経合併症頻度(約40%)を明らかとし、術中の脊髄モニタリングの判断基準を策定した。頸椎後縦靭帯骨化症に対する新しいMRI診断技術(DTT)の開発を開始し、びまん性特発性骨増殖症(DISH)関連骨折を後方視的に分析し、進行性骨化性線維異形成症(FOP)の診断基準、重症度分類の作成した。
臨床的観点からの成果
①胸椎OPLLの術中モニタリングの精度を明らかにした、②重症度の高い頚椎OPLL患者における全脊椎検査の有用性を示した、②DISH脊椎損傷の診断遅れは、麻痺の重篤化につながること、診断遅れの原因の過半数は医師の見逃しであることを明らかにした、③頚部脊髄症患者において、手術により転倒による症状増悪は著明に減少することを示した、④骨化症の中でも治療が困難な胸椎OPLLの正確な周術期合併症リスクを明らかにした。⑤希少疾患のFOP症例を集積し、本邦における診断基準を作成した。
ガイドライン等の開発
多施設研究を中心とした臨床研究に基づき、日本整形外科学会の診療ガイドライン委員会のもとで、2011年に作成された「頸椎後縦靭帯骨化症診療ガイドライン」を、胸椎後縦靭帯骨化症、黄色靭帯骨化症を含めた「脊柱靭帯骨化症ガイドライン」として改訂を行うこととなった。既にこれまでにないサンプル数のデータ収集が進んでおり、エビデンスレベルの高い成果が今後輩出される見込みがあり、外部の専門家を交えた検討によりクリニカル・クエスチョンの設定を開始した。
その他行政的観点からの成果
新難病政策におけるOPLL、OYL個人調査票作成の際に研究班として協力し、調査票が改訂された。その他、難病情報センターホームページの一般利用者向け、医療従事者向けの解説作成に従事した。またFOPでは本邦における診断基準(症状のA項目、鑑別診断のB項目、遺伝学的検査のC項目から構成され、該当項目数からdefinite、possible、probableの3段階に分類)を作成し、この診断基準は難病の認定基準に反映されている。
その他のインパクト
H26-H28の3年間で計6回の靭帯骨化症研究班班会議(治療開発研究AMED班との合同会議)を開催し、全国の患者会の方々にご参加いただき、最新の臨床、基礎研究における知見を紹介している。また班会議の際に患者相談会を開催し、患者会の方々と双方向性の情報交換も行っている。その他、全国の患者会が中心となって開催する医療講演会や患者相談会に、研究班から多数の班員が、講師として参加し研究班で得られた成果を社会に発信している。

発表件数

原著論文(和文)
41件
原著論文(英文等)
114件
その他論文(和文)
0件
その他論文(英文等)
0件
学会発表(国内学会)
197件
学会発表(国際学会等)
37件
その他成果(特許の出願)
0件
その他成果(特許の取得)
0件
その他成果(施策への反映)
1件
FOP新難病の指定基準作成。
その他成果(普及・啓発活動)
12件
患者懇話会を6回開催.深川保健所主催,大川 淳(難病患者対象の講演), 青葉福祉保健センター主催,大川 淳,(講演).埼玉県障害難病団体協議会主催,吉井俊貴(講演・相談)他

特許

主な原著論文20編(論文に厚生労働科学研究費の補助を受けたことが明記された論文に限る)

論文に厚生労働科学研究費の補助を受けたことが明記された論文に限ります。

原著論文1
Taniyama T, Hirai T, Yoshii T, et al
Modified K-line in magnetic resonance imaging predicts clinical outcome in patients with nonlordotic alignment after laminoplasty for cervical spondylotic myelopathy.
Spine , 39 (21) , E1261-1268  (2014)
10.1097/BRS.0000000000000531
原著論文2
Nakajima M, Takahashi A, Tsuji T, et al
A genome-wide association study identifies susceptibility loci for ossification of the posterior longitudinal ligament of the spine.
Nat Genet. , 46 (9) , 1012-1016  (2014)
10.1038/ng.3045
原著論文3
Yoshii T, Yamada T, Hirai T, et al
Dynamic changes in spinal cord compression by cervical ossification of the posterior longitudinal ligament evaluated by kinematic computed tomography myelography.
Spine , 39 (2) , 113-119  (2014)
10.1097/BRS.0000000000000086
原著論文4
Fujimori T, Iwasaki M, Okuda S, et al
Long-Term Results of Cervical Myelopathy Due to Ossification of the Posterior Longitudinal Ligament With an Occupying Ratio of 60% or More
Spine , 39 (1) , 58-67  (2014)
10.1097/BRS.0000000000000054
原著論文5
Kawaguchi Y, Izumi T, Iwasaki M, et al
New classification of ossification of the posterior longitudinal ligament using CT images
J Orthop Sci , 19 (4) , 530-536  (2014)
10.1007/s00776-014-0577-4
原著論文6
Kawaguchi Y, Nakano M, Yasuda T, et al
Anterior decompressive surgery after cervical laminoplasty in patients with ossification of the posterior longitudinal ligament.
Spine J , 14 (6) , 955-963  (2014)
10.1016/j.spinee.2013.07.457
原著論文7
Fujimori T, Le H, Hu SS, et al
Ossification of the Posterior Longitudinal Ligament of the Cervical Spine in 3161 Patients
Spine , 40 (7) , E394-E403  (2015)
10.1097/BRS.0000000000000791
原著論文8
Maeno T, Okuda S, Yamashita T, et al
Age-Related Surgical Outcomes of Laminoplasty for Cervical Spondylotic Myelopathy
Global Spine J , 5 (2) , 118-123  (2015)
10.1055/s-0034-1396759
原著論文9
Nakahara Y, Suzuki R, Katagiri T, et al
Phenotypic differences of patients with fibrodysplasia ossificans progressive due to p.Arg258Ser variants of ACVR1.
Human Genome Variation , 2 , 15055-  (2015)
10.1038/hgv.2015.55
原著論文10
Mori K, Yoshii T, Hirai T, et al
Prevalence and distribution of ossification of the supra/interspinous ligaments in symptomatic patients with cervical ossification of the posterior longitudinal ligament of the spine: a CT-based multicenter cross-sectional study.
BMC Musculoskelet Disord. , 17 (1) , 492-  (2016)
10.1186/s12891-016-1350-y
原著論文11
Yoshii T, Sakai K, Hirai T, et al
Anterior decompression with fusion versus posterior decompression with fusion for massive cervical ossification of the posterior longitudinal ligament with a [greater-than or equal to ]50% canal occupying ratio: a multicenter retrospective study.
Spine J. , 16 (11) , 1351-1357  (2016)
10.1016/j.spinee.2016.07.532
原著論文12
Hirai T, Yoshii T, Iwanami A, et al
Prevalence and Distribution of Ossified Lesions in the Whole Spine of Patients with Cervical Ossification of the Posterior Longitudinal Ligament A Multicenter Study (JOSL CT study).
PLoS One. , 11 (8) , e0160117-  (2016)
10.1371/journal.pone.0160117
原著論文13
Yoshii T, Hirai T, Sakai K, et al
Cervical pedicle screw placement using intraoperative computed tomography imaging with a mobile scanner gantry.
Eur Spine J , 25 (6) , 1690-1697  (2016)
10.1007/s00586-016-4508-2
原著論文14
Sakai K, Yoshii T, Hirai T, et al
Cervical Sagittal Imbalance is a Predictor of Kyphotic Deformity After Laminoplasty in Cervical Spondylotic Myelopathy Patients Without Preoperative Kyphotic Alignment.
Spine , 41 (4) , 299-305  (2016)
10.1097/BRS.0000000000001206
原著論文15
Kashii M, Matsuo Y, Sugiura T, et al
Circulating sclerostin and dickkopf-1 levels in ossification of the posterior longitudinal ligament of the spine
J Bone Miner Metab , 34 (3) , 315-324  (2016)
10.1007/s00774-015-0671-5
原著論文16
Katsumi K, Izumi T, Ito T, et al
Posterior instrumented fusion suppresses the progression of ossification of the posterior longitudinal ligament: A comparison of laminoplasty with and without instrumented fusion by 3-dimensional analysis.
European Spine Journal , 25 (5) , 1634-1640  (2016)
10.1007/s00586-015-4328-9
原著論文17
Hasegawa S, Victoria T, Kayserili H, et al
Characteristic calcaneal ossification: an additional early radiographic finding in infants with fibrodysplasia ossificans progressive
Ped Radiol , 46 (11) , 1568-1572  (2016)
10.1007/s00247-016-3662-3
原著論文18
Yoshii T, Hirai T, Yamada T, et al
Intraoperative evaluation using mobile computed tomography in anterior cervical decompression with floating method for massive ossification of the posterior longitudinal ligament.
J Orthop Surg Res. , 12 (1) , 12-  (2017)
10.1186/s13018-017-0515-1
原著論文19
Kimura A, Seichi A, Takeshita K, et al
Fall-related Deterioration of Subjective Symptoms in Patients with Cervical Myelopathy.
Spine , 42 (7) , E398-E403  (2017)
10.1097/BRS.0000000000001798
原著論文20
Yoshii T, Hirai T, Sakai K, et al
Anterior Cervical Corpectomy and Fusion Using a Synthetic Hydroxyapatite Graft for Ossification of the Posterior Longitudinal Ligament.
Orthopedics , 40 (2) , e334-e339  (2017)
10.3928/01477447-20161208-02

公開日・更新日

公開日
2021-06-08
更新日
-

収支報告書

文献番号
201610008Z
報告年月日

収入

(1)補助金交付額
21,302,000円
(2)補助金確定額
21,302,000円
差引額 [(1)-(2)]
0円

支出

研究費 (内訳) 直接研究費 物品費 5,225,979円
人件費・謝金 2,000,294円
旅費 4,030,381円
その他 5,134,906円
間接経費 4,915,000円
合計 21,306,560円

備考

備考
自己資金 4,560円

公開日・更新日

公開日
2018-02-16
更新日
-