文献情報
文献番号
201602007A
報告書区分
総括
研究課題名
医療行為にかかわる分類の国際比較とその改善や利用価値の向上に資する研究
課題番号
H28-統計-一般-001
研究年度
平成28(2016)年度
研究代表者(所属機関)
川瀬 弘一(聖マリアンナ医科大学 医学部)
研究分担者(所属機関)
- 岩中 督(埼玉県立小児医療センター)
- 波多野 賢二(国立精神・神経医療研究センター)
- 高橋 長裕(公益財団法人ちば県民保健予防財団総合健診センター)
- 荒井 康夫(北里大学病院)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 行政政策研究分野 政策科学総合研究(統計情報総合研究)
研究開始年度
平成28(2016)年度
研究終了予定年度
平成30(2018)年度
研究費
1,500,000円
研究者交替、所属機関変更
-
研究報告書(概要版)
研究目的
WHOは国際統計分類(WHO-FIC)の中心分類として、国際疾病分類(ICD)と国際生活機能分類(ICF)、医療行為の国際分類(ICHI)を設けている。ICHIは現在開発中であるが、WHOによって承認されると国際統計報告、診療報酬体系等を含め、幅広く影響を及ぼす可能性があり、ICHI開発の情報収集・分析、国内意見の集約、ICHI開発に対する体制作りが重要である。外保連手術試案とICHIの分類コードは構造的に類似しており、この両者の対応表を作成することにより、ICHIがWHOに承認された後の国内の対応が円滑に進むことが期待される。
研究方法
ICHIは2015α版を、外保連手術試案は第8.3版(外保連試案2016年に掲載)を用いて比較対象とした。外保連コードが操作対象部位、基本操作、手術部位へのアプローチ方法、アプローチ補助器械の4つの基本構造、合計7桁コードからなるのに対して、ICHIコードは、Target、Action、Meansの3つの基本構造、合計7桁コードからなっている。外保連コードとICHIコードについて、構成する基本構造および7桁コードの比較と対応表作成を行った。なお7桁コードに比較については「消化器系領域」と「血液リンパ系領域」について行い、ICHIコードのTarget、Actionの対応表を用いて外保連コードの操作対象部位、基本操作に変換、対応件数とその比率を求めた。
結果と考察
外保連コードの操作対象部位1,046項目中ICHIコードのTargetに対応付けられた項目は332(32%)であったが、ICHI Target 633項目中、操作対象部位に対応付けられた項目は251(40%)であった。Targetには身体部位の他に医療行為の対象として身体機能・活動・環境・行動が含まれ、身体部位320項目のみに限れば、操作対象部位との対応率は80%であった。
外保連コードの基本操作は66項目中、ICHIコードのActionに対応付けられた項目は49(74%)であった。ICHI コードのActionは130項目であるが、治療に係るコードの他に診断・マネージメント・予防も含まれており、治療に係るコード77項目に限れば、基本操作との対応率は48%であった。
ICHIにおける消化器系領域は660件のICHIコードがあり、これに対応できる外保連コードは495件(75%)であった。血液リンパ系領域は145件のICHIコードがあり、これに対応できる外保連コードは97件(67%)であった。
外保連コードの基本操作は66項目中、ICHIコードのActionに対応付けられた項目は49(74%)であった。ICHI コードのActionは130項目であるが、治療に係るコードの他に診断・マネージメント・予防も含まれており、治療に係るコード77項目に限れば、基本操作との対応率は48%であった。
ICHIにおける消化器系領域は660件のICHIコードがあり、これに対応できる外保連コードは495件(75%)であった。血液リンパ系領域は145件のICHIコードがあり、これに対応できる外保連コードは97件(67%)であった。
結論
外保連手術試案とICHIの分類コードは構造的に類似しており、コードの基本構造のマッチングでは、ICHI Targetの身体部位から外保連コードの操作対象部位への対応率は80%と高かったが、ICHI Actionの治療に係るコードから外保連コードの基本操作への対応率は48%と低かった。また7桁コードにおける対応では、消化器系領域においてICHIコードに対応できる外保連コードは75%であったが、血液リンパ系領域ではICHIコードに対応できる外保連コードは67%であった。
対応率が100%に近づかない理由は、ICHIのActionには診断やマネージメント、予防の項目が含まれており、これに対応するコードが外保連手術試案にないためである。今後は他の外保連試案にまで広げて検討したいと考えている。
対応率が100%に近づかない理由は、ICHIのActionには診断やマネージメント、予防の項目が含まれており、これに対応するコードが外保連手術試案にないためである。今後は他の外保連試案にまで広げて検討したいと考えている。
公開日・更新日
公開日
2017-08-03
更新日
-