医療及び介護の総合的な確保に資する基金の効果的な活用のための持続的な評価と計画への反映のあり方に関する研究

文献情報

文献番号
201601009A
報告書区分
総括
研究課題名
医療及び介護の総合的な確保に資する基金の効果的な活用のための持続的な評価と計画への反映のあり方に関する研究
課題番号
H27-政策-一般-002
研究年度
平成28(2016)年度
研究代表者(所属機関)
泉田 信行(国立社会保障・人口問題研究所 社会保障応用分析研究部)
研究分担者(所属機関)
  • 小野太一(政策研究大学院大学)
  • 川越 雅弘(国立社会保障・人口問題研究所 社会保障基礎理論研究部 )
  • 野口 晴子(早稲田大学政治経済学術院)
  • 石川 ベンジャミン光一(国立がん研究センターがん対策情報センターがん統計研究部がん医療費調査室)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 行政政策研究分野 政策科学総合研究(政策科学推進研究)
研究開始年度
平成27(2015)年度
研究終了予定年度
平成28(2016)年度
研究費
5,850,000円
研究者交替、所属機関変更
所属機関異動 研究分担者 小野太一 国立社会保障・人口問題研究所(~平成28年7月21日)→ 政策研究大学院大学(平成28年7月22日以降)

研究報告書(概要版)

研究目的
本研究の目的は、1)「地域における医療及び介護の総合的な確保の促進に関する法律」第六条による基金の仕組みが、効果的・効率的に活用されるために必要な、持続的な評価の方法、それに使用される評価指標等を作成すること、2)都道府県による基金事業の選択に影響を与える要因を明らかにすること、3)都道府県における「基金事業」の実施サイクルの実際を明らかにすること、である。
研究方法
研究目的1)~3)を達成するために、a)評価指標・評価枠組みのあり方の概念整理をした上で、b)個別基金事業のアウトカム評価指標例の作成、c)医療・介護連携評価指標例の作成、d) 作成した指標例の内容についての都道府県担当者ヒアリング、e)基金事業計画の事前・事後評価のための工程チェックリスト案の作成、f)都道府県による基金事業の選択に影響を与える要因の分析、を実施した。
結果と考察
OECDのヘルスケア評価の枠組みを拡張した評価枠組みを構成した上で、個別基金事業のアウトカム評価指標例、医療・介護連携評価指標例の作成を行い、都道府県の属性と選択される基金事業の内容の相関についての定量的評価や基金事業の運用状況や指標例に関する意見についての都道府県担当者ヒアリングを行った上で事前・事後評価のための工程チェックリスト案の作成を実施した。
本研究の実施により、「地域における医療及び介護の総合的な確保の促進に関する法律」第六条による基金の仕組みについて、評価の基礎となる概念枠組みについて構成した上で、それに沿った形で個別の基金事業のアウトプット・アウトカムについての評価のみならず医療・介護連携についてのアウトカム評価の指標例を作成し、ヒアリングによりその実行可能性について担保した。ヒアリングにより都道府県における基金事業の実施状況及び市町村との連携状況が把握されただけでなく、都道府県属性と総事業費・事業費配分との関連性が数量的に検証され、それらの結果を踏まえつつ工程チェックリスト案の作成が行われた。これらにより都道府県の実施する基金事業について包括的な課題を把握した上で、指標例作成を含む評価枠組み構築できた。
結論
本研究の実施により、「地域における医療及び介護の総合的な確保の促進に関する法律」第六条による基金の仕組みについて、評価の基礎となる概念枠組みについて構成し、ヒアリング調査や都道府県属性と総事業費・事業費配分との関連性についての数量的評価を行った上で、評価指標例の作成、工程チェックリスト案の作成が行われた。これらの活用により、都道府県・市町村担当者のcapacity buildingとともに、基金事業のより効果的・効率的な運用が期待される。指標例に使用されている公的統計の一次集計が二次医療圏単位で公表されることや全国レベルで医療・介護連携を測定する尺度を決定したうえで公的統計として調査・公表すること、研究者によるアウトプットとアウトカムの関連性についての評価研究は基金事業がより効率的に行われるために重要な要素であり、それらの推進が望まれる。

公開日・更新日

公開日
2017-11-16
更新日
-

研究報告書(PDF)

公開日・更新日

公開日
2017-11-16
更新日
-

研究報告書(紙媒体)

文献情報

文献番号
201601009B
報告書区分
総合
研究課題名
医療及び介護の総合的な確保に資する基金の効果的な活用のための持続的な評価と計画への反映のあり方に関する研究
課題番号
H27-政策-一般-002
研究年度
平成28(2016)年度
研究代表者(所属機関)
泉田 信行(国立社会保障・人口問題研究所 社会保障応用分析研究部)
研究分担者(所属機関)
  • 小野 太一(政策研究大学院大学)
  • 川越 雅弘(国立社会保障・人口問題研究所)
  • 野口 晴子(早稲田大学政治経済学術院)
  • 石川 ベンジャミン光一(国立がん研究センターがん対策情報センターがん統計研究部がん医療費調査室)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 行政政策研究分野 政策科学総合研究(政策科学推進研究)
研究開始年度
平成27(2015)年度
研究終了予定年度
平成28(2016)年度
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
本研究の目的は、1)「地域における医療及び介護の総合的な確保の促進に関する法律」第六条による基金の仕組みが、効果的・効率的に活用されるために必要な、持続的な評価の方法、それに使用される評価指標等を作成すること、2)都道府県による基金事業の選択に影響を与える要因を明らかにすること、3)都道府県における「基金事業」の実施サイクルの実際を明らかにすること、である。
研究方法
平成27・28年度の2年間にわたり、評価指標・評価枠組みのあり方の概念整理をした上で、個別基金事業のアウトカム評価指標例の作成、医療・介護連携評価指標例の作成、都道府県(市町村)計画のフォーマット及び事後評価改定フォーマットの改定提案、基金事業計画の事前・事後評価のための工程チェックリスト案の作成、都道府県による基金事業の選択に影響を与える要因の分析、16都道府県での担当者ヒアリング、を実施した。
結果と考察
OECDのヘルスケア評価の枠組みを拡張した評価枠組みを構成した上で、個別基金事業のアウトカム評価指標例、医療・介護連携評価指標例の作成を行い、都道府県の属性と選択される基金事業の内容の相関についての定量的評価や基金事業の運用状況や指標例に関する意見についての都道府県担当者ヒアリングを行った上で都道府県(市町村)計画のフォーマット及び事後評価改定フォーマットの改定提案、事前・事後評価のための工程チェックリスト案の作成を実施した。
本研究の実施により、「地域における医療及び介護の総合的な確保の促進に関する法律」第六条による基金の仕組みについて、評価の基礎となる概念枠組みについて構成した上で、それに沿った形で個別の基金事業のアウトプット・アウトカムについての評価のみならず医療・介護連携についてのアウトカム評価の指標例を作成し、ヒアリングによりその実行可能性について担保した。ヒアリングにより都道府県における基金事業の実施状況及び市町村との連携状況における課題(人的制約、新しい施策である医療・介護連携への政策的対応が過渡期であること人事異動があるため能力涵養が必要であること)が把握されただけでなく、都道府県属性と総事業費・事業費配分との関連性が数量的に検証され、それらの結果を踏まえつつ工程チェックリスト案の作成が行われた。これらにより都道府県の実施する基金事業について包括的な課題を把握した上で、指標例作成を含む評価枠組み構築が行われたと考えられる。他方で、特に医療・介護連携は現状でも発展しつつある状態であるため、指標例作成を含む評価枠組みは使いながら継続的に改善される必要があると考えられた。
結論
本研究の実施により、「地域における医療及び介護の総合的な確保の促進に関する法律」第六条による基金の仕組みについて、評価の基礎となる概念枠組みについて構成し、ヒアリング調査や都道府県属性と総事業費・事業費配分との関連性についての数量的評価を行った上で、都道府県(市町村)計画のフォーマット及び事後評価改定フォーマットの改定の提案、評価指標例の作成、工程チェックリスト案の作成が行われた。これらの活用により、都道府県・市町村担当者のcapacity buildingとともに、基金事業のより効果的・効率的な運用が期待される。指標例に使用されている公的統計の一次集計が二次医療圏単位で公表されることや全国レベルで医療・介護連携を測定する尺度を決定したうえで公的統計として調査・公表すること、研究者によるアウトプットとアウトカムの関連性についての評価研究は基金事業がより効率的に行われるために重要な要素であり、それらの推進が望まれる。

公開日・更新日

公開日
2017-11-16
更新日
-

研究報告書(紙媒体)

行政効果報告

文献番号
201601009C

成果

専門的・学術的観点からの成果
日本財政学会第73回研究大会における企画セッションにて研究報告を行った。今後論文等の投稿を行っていく予定である。
臨床的観点からの成果
医療・介護制度にかかる研究であり、臨床的観点からの検討を行うことは研究目的外であるため、成果を得ることは無い。
ガイドライン等の開発
初年度の成果の一部である、都道府県(市町村)計画、事業評価のフォーマットの部分的な改訂提案が採用され、使用されている。平成30年9月14日(金)に開催された第12回医療介護総合確保促進会議において厚生労働省により「都道府県間で同様の事業を実施している場合には、共通の評価指標による評価が行われるよう、国が策定した評価指標は平成31年度から都道府県において必ず活用すること」とされたが、当該国が策定した評価指標として本研究班で作成した指標が活用された。
その他行政的観点からの成果
平成28年7月4日(月)に第7回医療介護総合確保促進会議において研究内容についての説明を行い、基金事業のアウトプットとアウトカムを分けて評価することについて一定の評価を得た。平成29年9月7日開催の同会議において報告書の内容を報告した。平成30年9月14日(金)に開催された第12回医療介護総合確保促進会議において研究班報告資料が活用された
その他のインパクト
上記審議会において報告を行ったことがマスコミにより報道された。

発表件数

原著論文(和文)
1件
原著論文(英文等)
0件
その他論文(和文)
1件
大津唯「医療及び介護の総合的な確保に資する基金の効果的な活用のための持続的な評価と計画への反映のあり方に関する研究」『社会保障研究』第1巻第4号pp.867-868.
その他論文(英文等)
0件
学会発表(国内学会)
3件
日本財政学会第73回全国大会「企画セッションⅠ医療・介護サービスの確保に関する研究-「医療介護総合確保基金」の分析を切り口に-」として10月23日に3名で3件の報告を行った。
学会発表(国際学会等)
0件
その他成果(特許の出願)
0件
その他成果(特許の取得)
0件
その他成果(施策への反映)
1件
初年度の成果の一部である、都道府県(市町村)計画、事業評価のフォーマットの部分的な改訂提案が採用され、使用されている。
その他成果(普及・啓発活動)
2件
平成28年7月4日開催の第7回医療介護総合確保促進会議において基金事業のアウトカム評価を行う方向性について一定の評価を得、平成29年9月7日開催の同会議において報告書の内容を報告した。

特許

主な原著論文20編(論文に厚生労働科学研究費の補助を受けたことが明記された論文に限る)

論文に厚生労働科学研究費の補助を受けたことが明記された論文に限ります。

原著論文1
大津唯
「地域医療介護総合確保基金」の現状と課題―都道府県計画の集計に基づく検討―
会計検査研究 ,  (56) , 27-46  (2017)

公開日・更新日

公開日
2017-11-16
更新日
2019-06-24

収支報告書

文献番号
201601009Z
報告年月日

収入

(1)補助金交付額
5,850,000円
(2)補助金確定額
5,850,000円
差引額 [(1)-(2)]
0円

支出

研究費 (内訳) 直接研究費 物品費 104,409円
人件費・謝金 1,847,160円
旅費 1,385,606円
その他 2,549,584円
間接経費 0円
合計 5,886,759円

備考

備考
-

公開日・更新日

公開日
2018-03-16
更新日
-