医療情報の活用のための疾病及び関連保健問題の国際統計分類のあり方に関する研究

文献情報

文献番号
201601001A
報告書区分
総括
研究課題名
医療情報の活用のための疾病及び関連保健問題の国際統計分類のあり方に関する研究
課題番号
H26-政策-一般-001
研究年度
平成28(2016)年度
研究代表者(所属機関)
今村 知明(公立大学法人奈良県立医科大学 医学部 公衆衛生学講座)
研究分担者(所属機関)
  • 今井 健(東京大学大学院医学系研究科 疾患生命工学センター)
  • 中谷 純(東北大学大学院医学系研究科 医学情報学分野)
  • 興梠 貴英(自治医科大学 医療情報部)
  • 小川 俊夫(国際医療福祉大学大学院 医療福祉学研究科)
  • 田嶼 尚子(東京慈恵会医科大学)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 行政政策研究分野 政策科学総合研究(政策科学推進研究)
研究開始年度
平成26(2014)年度
研究終了予定年度
平成28(2016)年度
研究費
7,643,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
ICD(International Classification of Disease、国際疾病分類)は、死亡統計や患者調査、DPCなど医療情報全般において活用される重要な分類体系であり、わが国のみならず各国で幅広く活用されている。2007年より、現行のICD-10からICD-11への改訂作業がWHOにより行われており、わが国も内科分野を中心に改訂作業に参加している。本研究は、ICD-11をわが国としてより適切なものとすべく、医療における情報活用を行ううえで適切な疾病分類をとりまとめ、WHOへのわが国の対応に資する基礎資料を作成することを目的として実施する。
研究方法
本研究は、研究年度を通じてICD改訂作業の最新動向をWHO主催の各種会議等に参加して収集・分析したうえで、わが国としての対応について検討した。また、国内内科TAG検討会および国内腫瘍TAG検討会を組織してICD改訂に対するわが国の様々な意見を集約し、国際会議などの場で意見発信を行った。今年度は、WHOが東京で開催したWHO-FICネットワーク会議やICD改訂会議に参加して、ICD改訂の最新の状況を把握したほか、国内内科TAG検討会および国内腫瘍TAG検討会において集約したわが国のICD改訂に対する様々な意見を、これらの国際会議や学会などで意見発信を行った。特に、完成に向けて作業が進むICD-11-MMSとICD-11完成後の運営組織に関する情報収集と意見集約、発信を実施した。
結果と考察
2016年10月に評価版ICD-11であるICD-11-MMS(International Classification of Diseases, 11th Revision, for Mortality and Morbidity Statistics)が全世界に向けてリリースされ、ICD-11完成後の運用を見据えて、MSAC/CSACと呼ばれる組織が新たに組織されるなど、ICD改訂作業は大きな局面を迎えている。このような状況において、ICD-11の完成に向けた様々な作業に対して引き続き我が国として貢献することに加え、今後はわが国へのICD-11の適用に向けた各種準備を行う必要がある。そのため、ICD-11の日本語化の検討を昨年度に引き続き実施したほか、わが国独自分類の必要性についても検討を行った。
結論
今年度は、ICD改訂に向けたWHOの最新動向を調査しつつ、国内内科TAG検討会、国内腫瘍TAG検討会とも情報共有を行い、その対応について個別に協議した。特にICD-11-MMSの公開とICD-11完成後の運用体制の整備など、ICD改訂の新局面について、わが国としての対応について協議を行ったほか WHO-FIC年次会議やICD改訂会議など国際会議に研究分担者が出席し、改訂に向けた各国の最新状況を把握する中で日本から積極的に提案を行い、大きな成果を上げた。本研究は、国内での検討体制の確立や最新情報の共有、ICD改訂における日本の国際的なプレゼンス向上については概ね目標を達成したといえよう。今後のICD改訂は、2018年の完成に向けてより一層動きが見られると思われることに加え、ICD-11の活用についてより具体的な議論が必要になると考えられる。今後、さらなる議論および緻密なスケジュール管理が必要である。

公開日・更新日

公開日
2017-08-28
更新日
-

研究報告書(PDF)

公開日・更新日

公開日
2017-08-28
更新日
-

研究報告書(紙媒体)

文献情報

文献番号
201601001B
報告書区分
総合
研究課題名
医療情報の活用のための疾病及び関連保健問題の国際統計分類のあり方に関する研究
課題番号
H26-政策-一般-001
研究年度
平成28(2016)年度
研究代表者(所属機関)
今村 知明(公立大学法人奈良県立医科大学 医学部 公衆衛生学講座)
研究分担者(所属機関)
  • 今井 健(東京大学大学院医学系研究科 疾患生命工学センター)
  • 中谷 純(東北大学大学院医学系研究科 医学情報学分野)
  • 興梠 貴英(自治医科大学 医療情報部)
  • 小川 俊夫(国際医療福祉大学大学院 医療福祉学研究科)
  • 田嶼 尚子(東京慈恵会医科大学)
  • 中野 隆史(群馬大学大学院医学系研究科 病態腫瘍制御学)
  • 落合 和徳(東京慈恵会医科大学 産婦人科学)
  • 大江 和彦(東京大学医学部附属病院 企画情報運営部)
  • 伊藤 美千穂(京都大学大学院薬学研究科 薬品資源学分野)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 行政政策研究分野 政策科学総合研究(政策科学推進研究)
研究開始年度
平成26(2014)年度
研究終了予定年度
平成28(2016)年度
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
ICD(International Classification of Disease、国際疾病分類)は、死亡統計や患者調査、DPCなど医療情報全般において活用される重要な分類体系であり、わが国のみならず各国で幅広く活用されている。2007年より現行のICD-10からICD-11への改訂作業がWHOにより行われており、わが国も内科分野を中心に改訂作業に参加している。本研究は、ICD-11をわが国としてより適切なものとすべく、医療における情報活用を行ううえで適切な疾病分類をとりまとめ、WHOへのわが国の対応に資する基礎資料を作成することを目的として実施する。
研究方法
本研究は、研究年度を通じてICD改訂作業の最新動向をWHO主催の各種会議等に参加して収集・分析したうえで、わが国としての対応について検討した。具体的には、国内内科TAG検討会および国内腫瘍TAG検討会を組織してICD改訂に対するわが国の様々な意見を集約し、内科分野における構造変更の提案を実施した。また、これらの検討会の議論を踏まえて、わが国に適した疾病分類のあり方について、ICDの日本語化の検討や傷病名索引日英対応データベースの構築などを通じて、考察を実施した。さらに、ICD改訂の最新情報を把握し、また本研究班の成果を発信するために、WHO主催の国際会議や関連学会に幅広く参加した。
結果と考察
本研究班の活動の一環として組織した国内内科TAG検討会および国内腫瘍TAG検討会において、わが国に適した疾病分類について幅広く議論を実施した。具体的には、研究年度を通じて毎年開催した班会議などでICD改訂に対するわが国の様々な意見を集約したほか、内科分野における構造変更の提案を行うなど、大きな成果を挙げた。また、わが国へのICD-11の適用を視野に入れたスペシャリティ・リニアライゼーションの検討やICD-11の日本語化への検討、傷病名索引日英対応データベースの構築などを実施することで、わが国に適した疾病分類のあり方について考察を実施した。さらに、ICD改訂の最新情報を把握し、また本研究班の成果を発信するために、WHO主催の国際会議であるWHO-FICネットワーク会議やICD改訂会議などに積極的に参加したほか、これらの国際会議や医療情報学連合大会など関連学会などで、本研究班の成果を積極的に発表し、各国の専門家との意見交換を実施した。
結論
わが国はICD改訂作業に深く関与しており、その成果はわが国の医療全体に大きな影響を及ぼすと考えられる。本研究により、ICD改訂の最新動向について、研究年度を通じて把握し、国内の各学会と共有してわが国としての意見集約と発信を行なったことで、ICD改訂作業の進展に大きく寄与したと考えられる。また、ICD改訂に向けた各国の最新状況を把握しつつ、わが国としての方針や提案を伝えることで、ICD改訂作業の進展に寄与したのみならず、わが国へのICDの適用と活用という点で大きな成果をあげてきた。さらに、各種国際会議へ出席して議論をリードしたことにより、今後のICD改訂や日本のプレゼンス向上に関して重要な意義を持つと考えられる。
 本研究の成果は、医療における情報活用を行う上でのより適切な疾病分類体系の構築に加え、WHOのICD改訂に対するわが国としての適切な対応が可能となることが挙げられる。今後も引き続きわが国の状況を取りまとめ、またICD-11導入にかかる問題点やWHOへの提言を取りまとめて発信することが重要と考えられる。

公開日・更新日

公開日
2017-08-24
更新日
-

研究報告書(紙媒体)

行政効果報告

文献番号
201601001C

成果

専門的・学術的観点からの成果
わが国はICD改訂作業に深く関与しており、その成果はわが国の医療全体に大きな影響を及ぼすと考えられる。本研究の成果は、医療における情報活用を行う上でのより適切な疾病分類体系の構築に加え、WHOのICD改訂に対するわが国としての適切な対応が可能となることが挙げられる。本研究の成果により、特に疾病に関する医療における情報の質の向上を実現し、厚生統計、医療保険制度、EBMに基づく各種施策等の質の向上が図られ、最終的には、医療の質の向上に貢献すると考えられる。
臨床的観点からの成果
特記事項なし。
ガイドライン等の開発
特記事項なし。
その他行政的観点からの成果
WHOのICD11原案作成の準備資料となった。
その他のインパクト
特記事項なし。

発表件数

原著論文(和文)
0件
原著論文(英文等)
0件
その他論文(和文)
2件
その他論文(英文等)
0件
学会発表(国内学会)
2件
学会発表(国際学会等)
2件
その他成果(特許の出願)
0件
その他成果(特許の取得)
0件
その他成果(施策への反映)
0件
その他成果(普及・啓発活動)
0件

特許

主な原著論文20編(論文に厚生労働科学研究費の補助を受けたことが明記された論文に限る)

公開日・更新日

公開日
2022-05-31
更新日
-

収支報告書

文献番号
201601001Z
報告年月日

収入

(1)補助金交付額
7,643,000円
(2)補助金確定額
7,643,000円
差引額 [(1)-(2)]
0円

支出

研究費 (内訳) 直接研究費 物品費 487,170円
人件費・謝金 2,114,643円
旅費 984,501円
その他 4,056,686円
間接経費 0円
合計 7,643,000円

備考

備考
-

公開日・更新日

公開日
2018-03-16
更新日
-