文献情報
文献番号
201522029A
報告書区分
総括
研究課題名
我が国で優先すべき生物学的ハザードの特定と管理措置に関する研究
研究課題名(英字)
-
課題番号
H27-食品-一般-007
研究年度
平成27(2015)年度
研究代表者(所属機関)
近藤 一成(国立医薬品食品衛生研究所 生化学部)
研究分担者(所属機関)
- 紺野勝弘(富山大学・和漢医薬学総合研究所)
- 豊福肇(山口大学)
- 泉谷秀昌(国立感染症研究所)
- 岡田由美子(国立医薬品食品衛生研究所 食品衛生管理部)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 健康安全確保総合研究分野 食品の安全確保推進研究
研究開始年度
平成27(2015)年度
研究終了予定年度
平成29(2017)年度
研究費
7,000,000円
研究者交替、所属機関変更
-
研究報告書(概要版)
研究目的
微生物分野では、リスク評価手法を用いて、我が国の輸入食品に対する管理措置(検査の性質と頻度)をリスクに基づくものにするために、諸外国の健康被害発生状況、違反状況、食品汚染実態、検査体制の情報収集を行い、相対的リスクランキングを行う。国の食品衛生管理体制の指標を精査する。現在の輸入時の病原微生物モニタリングの実施体制と推定したリスクの比較を行う。また、食中毒起因菌について病院、保健所、患者および輸入食品由来の菌株を収集してデータベースを充実させ海外から侵入する原因菌の解析に活用する。自然毒に関しては、遺伝子鑑別法を活用して、食中毒発生の防止だけではなく、食中毒発生時の原因特定に役立てるように各地方衛生研究所と連携して行う。また中毒発生防止に重点を置いた野外でも可能な方法を検討する。
研究方法
諸外国の衛生管理および検査体制の調査と評価を行う。iRISKなど統計数理モデルを参考にして、生産国の衛生管理体制を考慮したリスク評価モデル案を構築する。赤痢、リステリアなど菌株情報を収集解析する。国内事例について食品や患者からの分離株の解析から菌株情報を得て、データベース化する。自然毒について、中毒事例情報収集とこれまでに開発した迅速な遺伝子鑑別法を実際の現場で活用し、その結果を収集してデータベース化を行い、喫食前および中毒発生時の原因特定に利用することで、きのこによる食中毒健康被害低減を行う。
結果と考察
次の3要素を掛け合わせたモデルで、ハザード、輸出国のNational Food Control System及び食品からリスクランキングを試みた。解析されたShigella sonneiは119株であった。輸入例は55株で、主な渡航先は東南アジア26株、南アジア18株、アフリカ4株などであった。リステリア菌株解析では、相同性75%以上の株を同一クラスターとして分類すると、血清型1/2aに属する69株は5つのクラスターに分類された。RPB2領域を用いた系統分類を新たに行った。日本のEntoloma rhodopoliumは3つのグループに分離し、いずれも海外の同種とは異なる。中毒の原因植物およびきのこを用いて、同定を試みた結果、正しく判定できた。
結論
輸入食品監視対策では、データや情報から管理が不十分と評価された国から輸入される食品の検査を強化することにより効果的な輸入食品に起因するリスクの低減化が図れると考えられた。国内の監視体制の整備のため、分離菌株の解析手法の検討ならびにデータベースの拡充を図る必要がある。自然毒対策では、遺伝子鑑定法の有用性を確認した。また、野外で検査可能な方法を検討した。
公開日・更新日
公開日
2016-07-06
更新日
-