文献情報
文献番号
201519006A
報告書区分
総括
研究課題名
肝疾患患者を対象とした相談支援システムの構築、運用、評価に関する研究
課題番号
H26-肝政-指定-004
研究年度
平成27(2015)年度
研究代表者(所属機関)
八橋 弘(独立行政法人国立病院機構 長崎医療センター 臨床研究センター)
研究分担者(所属機関)
- 古田 清(独立行政法人国立病院機構 まつもと医療センター松本病院 内科)
- 中牟田 誠(独立行政法人国立病院機構 九州医療センター 消化器内科)
- 三田 英治(独立行政法人国立病院機構 大阪医療センター 消化器科)
- 上司 裕史(独立行政法人国立病院機構 東京病院 消化器内科)
- 高野 弘嗣(独立行政法人国立病院機構 呉医療センター 消化器内科)
- 肱岡 泰三(独立行政法人国立病院機構 大阪南医療センター 消化器科)
- 室 豊吉(独立行政法人国立病院機構 大分医療センター 消化器科)
- 小松 達司(独立行政法人国立病院機構 横浜医療センター 臨床研究部)
- 正木 尚彦(国立国際医療研究センター 消化器科)
- 太田 肇(独立行政法人国立病院機構 金沢医療センター 消化器科)
- 佐藤 丈顕(独立行政法人国立病院機構 小倉医療センター 肝臓病センター)
- 勝島 慎二(独立行政法人国立病院機構 京都医療センター 消化器内科)
- 島田 昌明(独立行政法人国立病院機構 名古屋医療センター 消化器科)
- 杉 和洋(独立行政法人国立病院機構 熊本医療センター 消化器内科)
- 二上 敏樹(独立行政法人国立病院機構 西埼玉中央病院 臨床研究部)
- 吉澤 要(独立行政法人国立病院機構 信州上田医療センター 地域医療教育センター)
- 中尾 一彦(国立大学法人 長崎大学 消化器内科)
- 矢野 博久(国立大学法人 久留米大学 病理学講座)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 肝炎等克服政策研究
研究開始年度
平成26(2014)年度
研究終了予定年度
平成28(2016)年度
研究費
40,675,000円
研究者交替、所属機関変更
-
研究報告書(概要版)
研究目的
肝疾患患者を対象とした相談支援システムの構築、運用、評価に関する研究をおこなうことで、完成度の高い肝疾患患者を対象とした相談支援システム(アプリケーション)を構築し、主に肝疾患患者相談支援を実施している肝疾患連携拠点病院や専門医療施設に本システムを配布することで、肝疾患患者の悩みの軽減、QOLの向上を目指すことを目的とする。
研究方法
平成23年-25年の3年間に実施した病態別の患者の実態把握のための調査および肝炎患者の病態に即した相談に対応できる相談員育成のための研修プログラム策定に関する研究班で集積された6,331名の患者アンケート調査結果と1,454名の肝疾患患者の自由記述を、それぞれデータマイニング解析、テキストマイニング解析をおこなうことで、肝疾患患者を対象とした相談支援システム(アプリケーション)のプロトタイプを構築する。
C型肝炎の新規抗ウイルス治療法(シメプレビルを用いた3剤療法、インターフェロンフリー内服治療法)の治療効果、患者QOLを評価する為に、患者登録をおこなう。
C型肝炎の新規抗ウイルス治療法(シメプレビルを用いた3剤療法、インターフェロンフリー内服治療法)の治療効果、患者QOLを評価する為に、患者登録をおこなう。
結果と考察
1.肝疾患患者を対象とした相談支援システムの構築
肝疾患患者相談支援システムの運用管理に関する事項を定め、患者個人情報を適正に扱うとともに、運用に関する正当性の確保を目的とした、肝疾患患者相談支援システム運用管理規程を作成した。
肝疾患患者を対象とした相談支援システムの構築に関する今後の予定として、平成28年度には、肝疾患患者を対象とした相談支援システム(アプリケーション)を実際に用いて患者相談、支援をおこないながら、このシステムを評価するとともに、更なる改良をおこなう。3年間の研究終了後には、肝疾患診療連携拠点病院など、多くの患者相談をおこなっている施設での導入、利用を目指しながら改良を重ねる予定にしている。
2.C型慢性肝炎に対するDAAs治療の評価
2013年12月から2014年10月の期間、C型慢性肝炎に対してシメプレビル3剤併用治療を導入した症例の24週目の治療効果判定(SVR判定)をおこなった。
33施設で530例が登録された。
24週目における効果判定結果は、SVR24:396例(74.7%)、non-SVR24:107例(20.2%)、判定保留、脱落:27例(5.1%)であった。未判定例等を除外した503例の解析では、SVR24:78.7%、non-SVR24:21.3%であった。
2014年9月から2015年8月の期間、C型慢性肝炎、肝硬変に対するアスナプレビル/ダクラタスビル併用内服2剤治療を導入症例した1,066例を対象に解析をおこなった。
12週目SVR判定が可能な症例は603例であった。
12週目における効果判定結果は、SVR12:551例(91.4%)、non-SVR12:52例(8.6%)例であった。未判定例等を除外した603例の解析では、SVR12:91.4%、non-SVR12:8.6%であった。
C型慢性肝炎に対するDAAs治療の評価に関しては、症例導入施設でのアスナプレビル/ダクラタスビル併用内服2剤治療登録症例の効果判定を進めるとともに、ソホスブビル/リバビリン併用治療、ハーボニー治療導入症例を新たに登録する。これらを順次、効果判定をおこなうとともにnon-SVR症例の特徴、問題点を明らかにする。non-SVR症例の相談支援の在り方を本研究班の中で検討をおこなう予定である。
肝疾患患者相談支援システムの運用管理に関する事項を定め、患者個人情報を適正に扱うとともに、運用に関する正当性の確保を目的とした、肝疾患患者相談支援システム運用管理規程を作成した。
肝疾患患者を対象とした相談支援システムの構築に関する今後の予定として、平成28年度には、肝疾患患者を対象とした相談支援システム(アプリケーション)を実際に用いて患者相談、支援をおこないながら、このシステムを評価するとともに、更なる改良をおこなう。3年間の研究終了後には、肝疾患診療連携拠点病院など、多くの患者相談をおこなっている施設での導入、利用を目指しながら改良を重ねる予定にしている。
2.C型慢性肝炎に対するDAAs治療の評価
2013年12月から2014年10月の期間、C型慢性肝炎に対してシメプレビル3剤併用治療を導入した症例の24週目の治療効果判定(SVR判定)をおこなった。
33施設で530例が登録された。
24週目における効果判定結果は、SVR24:396例(74.7%)、non-SVR24:107例(20.2%)、判定保留、脱落:27例(5.1%)であった。未判定例等を除外した503例の解析では、SVR24:78.7%、non-SVR24:21.3%であった。
2014年9月から2015年8月の期間、C型慢性肝炎、肝硬変に対するアスナプレビル/ダクラタスビル併用内服2剤治療を導入症例した1,066例を対象に解析をおこなった。
12週目SVR判定が可能な症例は603例であった。
12週目における効果判定結果は、SVR12:551例(91.4%)、non-SVR12:52例(8.6%)例であった。未判定例等を除外した603例の解析では、SVR12:91.4%、non-SVR12:8.6%であった。
C型慢性肝炎に対するDAAs治療の評価に関しては、症例導入施設でのアスナプレビル/ダクラタスビル併用内服2剤治療登録症例の効果判定を進めるとともに、ソホスブビル/リバビリン併用治療、ハーボニー治療導入症例を新たに登録する。これらを順次、効果判定をおこなうとともにnon-SVR症例の特徴、問題点を明らかにする。non-SVR症例の相談支援の在り方を本研究班の中で検討をおこなう予定である。
結論
1.肝疾患患者を対象とした相談支援システムの構築
肝疾患患者相談支援システム運用管理規程と肝疾患患者を対象とした相談支援システム(アプリケーション)のプロトタイプを作成した。
今年度は、このシステムを研究協力施設において試験的に運用をおこない487件のデモ症例の相談記録を登録した。また相談対応の模範解答事例を204件作成した。
2.C型慢性肝炎に対するDAAs治療の評価
C型慢性肝炎に対してシメプレビル3剤併用治療導入症例の治療効果判定は530例の登録症例中、SVR 396例(74.7%)、non-SVR 107例(20.2%)、判定保留、脱落27例(5.1%)であった。C型慢性肝炎、肝硬変に対するアスナプレビル/ダクラタスビル併用内服2剤治療導入症例の効果判定では、1,066例の登録症例中、12週目SVR判定が可能な603例のうち、SVR 551例(91.4%)、non-SVR 52例(8.6%)例であった。
肝疾患患者相談支援システム運用管理規程と肝疾患患者を対象とした相談支援システム(アプリケーション)のプロトタイプを作成した。
今年度は、このシステムを研究協力施設において試験的に運用をおこない487件のデモ症例の相談記録を登録した。また相談対応の模範解答事例を204件作成した。
2.C型慢性肝炎に対するDAAs治療の評価
C型慢性肝炎に対してシメプレビル3剤併用治療導入症例の治療効果判定は530例の登録症例中、SVR 396例(74.7%)、non-SVR 107例(20.2%)、判定保留、脱落27例(5.1%)であった。C型慢性肝炎、肝硬変に対するアスナプレビル/ダクラタスビル併用内服2剤治療導入症例の効果判定では、1,066例の登録症例中、12週目SVR判定が可能な603例のうち、SVR 551例(91.4%)、non-SVR 52例(8.6%)例であった。
公開日・更新日
公開日
2017-01-17
更新日
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