障害福祉サービスにおける質の確保とキャリア形成に関する研究

文献情報

文献番号
201516013A
報告書区分
総括
研究課題名
障害福祉サービスにおける質の確保とキャリア形成に関する研究
課題番号
H27-身体・知的-一般-005
研究年度
平成27(2015)年度
研究代表者(所属機関)
高木 憲司(和洋女子大学 生活科学系)
研究分担者(所属機関)
  • 本名 靖(東洋大学 ライフデザイン学部)
  • 山口 創生(国立研究開発法人国立精神・神経医療研究センター精神保健研究所 社会復帰研究部)
  • 大塚 晃(上智大学 総合人間科学部)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 障害者対策総合研究
研究開始年度
平成27(2015)年度
研究終了予定年度
平成29(2017)年度
研究費
5,493,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
 障害福祉サービスの質の確保とキャリア形成の観点から、サービス管理責任者等研修に関する現状を概観し、これらの研修修了者に対するサービスの質が確保されているかの先行研究を取り上げ、サービス管理責任者等研修の現状と課題を明らかにすること。
 サービス管理責任者等養成における現状と課題から、ニーズ分析と設計の作業を行い、「研修体系と研修プログラム」(素案)を開発し、この素案について、サービス管理責任者等及び都道府県担当者に対して、アンケートによる確認作業を行い、そのデータを分析して、研修体系及び研修プログラム案の開発及び検討を行うこと。
 今後のサービス管理責任者等養成研修における分野別研修において各分野で求められる研修内容の整理を行い、分野別研修内容案を作成するための資料を提示することを目的とする。
研究方法
 研究班により過去の研究データからサービス管理責任者等養成における現状と課題を明らかにするとともに、ニーズ分析と設計の作業を行い、研修体系案と研修プログラム案(素案)を作成する。
 サービス管理責任者等及び都道府県担当者に対して、これらの案についてアンケートによる確認作業を行い、そのデータを分析して、研修体系及び研修プログラム案の開発を行う。①全国のサービス管理責任者等約970名に対するアンケート調査対象:サービス管理責任者 970名、②都道府県の障害福祉部局の人材育成担当者に対するアンケート調査対象:都道府県の障害福祉部局の人材育成担当者:47件
 分野別研修については、今年度は、各キャリアレベルにおける到達目標と、各分野で必要な学習項目について整理を行うことを目的とした質問紙調査を実施した。平成27年度サービス管理責任者等指導者養成研修講師を対象として調査票を配布および研究協力の依頼を行い、回収は郵送またはメールの返送にて行った。
結果と考察
(1)H24調査結果から導き出された課題と課題解決の方向性:サービス管理責任者については、事業所内での個別支援計画作成をはじめとした支援の要であるにもかかわらず、その質の担保は図られていない現状がある。これを打開するための一つの方策として、研修体系の面から質の担保を行っていく方法が有効であると考えられる。
(2)サービス管理責任者等基礎研修について:目的については、都道府県、サービス管理責任者等とも「十分」「概ね十分」と回答した者が9割程度であり、概ね賛同が得られた。「サービス管理責任者等基礎研修」の受講要件(3年間の実務経験)の評価をみると、都道府県、サービス管理責任者等とも「妥当だと思う」割合が6割以上を占めた。この「3年」が妥当かどうかは、個人の適性にもよるため、一概に言えないとの意見もあるが、研修受講要件の考え方としては実務経験を基準にする以外に現実的な方法はないものと考えられる。
(3)サービス管理責任者等実践研修について:目的については、都道府県は「十分」「概ね十分」を合わせると8割以上、サービス管理責任者等は9割以上が十分と答えており、概ね賛同が得られた。「サービス管理責任者等実践研修」の受講要件(基礎研修終了後2年)の評価をみると、都道府県は約6割、サービス管理責任者等は8割近くが「妥当だと思う」と回答。実際に、サービス管理責任者等として個別支援計画を作成できる資格を有することとなるのに、実務経験5年が必要となることとなるが、これは現行と同様であり、一定の納得感があるものと思われる。
(4)サービス管理責任者等更新研修について:目的については、都道府県、サービス管理責任者等とも、「十分」「概ね十分」と合わせるといずれも9割以上が十分と答えており、概ね賛同が得られた。更新期間(5年)の評価みると、都道府県は「妥当だと思う」が9割、サービス管理責任者等も8割以上が「妥当だと思う」と答えており、5年毎の更新研修についても、先行している相談支援専門員とも合致しており納得感がある者と思われる。
(5)事業分野別、障害分野別等実践研修について:任意研修として実施することには概ね賛同が得られたものの、どのような組織が実行していくかの実際の運営面で課題が残る。各地域で都道府県と協力して研修実施が行える組織の育成について検討していく必要がある。
結論
 現状の研修体制からの変更点(以下の4点)について概ね賛同が得られた。
①「サービス管理責任者等基礎研修」と「サービス管理責任者等実践研修」に分ける
②現行の分野別研修は現行のサービス管理責任者等研修から分離して実施する
③更新研修の新設
④受講者個々の必要性に応じて選択・受講できる「事業分野別、障害分野別等実践研修」の新設
 次年度に予定しているモデル研修に向け、研修テキストの作成及び候補地の選定を行った上で、実際にモデル研修を実施しさらに検討していきたい。

公開日・更新日

公開日
2016-08-08
更新日
-

研究報告書(PDF)

公開日・更新日

公開日
2017-05-30
更新日
-

収支報告書

文献番号
201516013Z
報告年月日

収入

(1)補助金交付額
5,493,000円
(2)補助金確定額
5,493,000円
差引額 [(1)-(2)]
0円

支出

研究費 (内訳) 直接研究費 物品費 950,725円
人件費・謝金 69,152円
旅費 85,923円
その他 4,387,200円
間接経費 0円
合計 5,493,000円

備考

備考
-

公開日・更新日

公開日
2017-05-23
更新日
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