文献情報
文献番号
201516001A
報告書区分
総括
研究課題名
補装具の適切な支給実現のための制度・仕組みの提案に関する研究
課題番号
H25-身体・知的-一般-002
研究年度
平成27(2015)年度
研究代表者(所属機関)
井上 剛伸(国立障害者リハビリテーションセンター 研究所)
研究分担者(所属機関)
- 我澤 賢之(国立障害者リハビリテーションセンター 研究所)
- 山崎 伸也(国立障害者リハビリテーションセンター 研究所)
- 石渡 利奈(国立障害者リハビリテーションセンター 研究所)
- 樫本 修(宮城県リハビリテーション支援センター)
- 児玉 義弘(国立障害者リハビリテーションセンター 研究所)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 障害者対策総合研究
研究開始年度
平成25(2013)年度
研究終了予定年度
平成27(2015)年度
研究費
3,658,000円
研究者交替、所属機関変更
-
研究報告書(概要版)
研究目的
本研究の目的は、義肢・装具・座位保持装置の価格を適正に設定する仕組みを整えるとともに、完成用部品の機能に基づく整理を確立することで、障害状況に適応した適切な補装具が支給されるための制度・仕組みを提案することにある。
研究方法
上記の目的を達成するために、本研究では、以下の4つの小課題を設定して研究を実施している。
<課題1> 完成用部品の機能区分整備(児玉、山崎、我澤)
・平成26年度版および平成27年度版「完成用部品の指定基準」に掲載の骨格構造義足用部品約1200点について機能の整理・定義付けを行い、機能区分暫定案を作成した。
・作成した機能区分暫定案をベースにとし、部品供給事業者(7社)との意見交換会を実施した。これによって得られた情報を参考とし機能区分表を完成させた。
<課題2> 製作費用の包括的把握方法と簡便なデータ更新方法の確立にかかる研究(我澤、山崎)
・機能区分毎の価格の分布状況について分析した。
・完成用部品の価格制度について、補装具製作事業者から見た「仕入価格」と「補装具価格への加算価格」の定め方の2点に着目し、考えられる制度の類型分けをし、それぞれの制度における特性をまとめた。
<課題3> 補装具費支給判定基準マニュアルの作成(樫本)
・平成26年度に作製した「補装具費支給判定Q&A暫定版2・アンケート調査結果」をもとに、アンケートの意見、「全国身体障害者更生相談所長協議会補装具判定専門委員会」に寄せられた新たなQ&Aを踏まえ「補装具費支給判定基準マニュアル」を作成した。
・補装具費支給制度の基本事項を追加するとともに、骨格義足の完成用部品の機能区分表を盛り込むこととした。
<課題4> 機能区分を踏まえた完成用部品申請手続きの整備(石渡、山崎)
・作成された骨格構造義足用部品の機能区分に掲載されている内容と、本研究で改訂した補装具等完成用部品の現行の申請様式について比較検討を行った。
<課題1> 完成用部品の機能区分整備(児玉、山崎、我澤)
・平成26年度版および平成27年度版「完成用部品の指定基準」に掲載の骨格構造義足用部品約1200点について機能の整理・定義付けを行い、機能区分暫定案を作成した。
・作成した機能区分暫定案をベースにとし、部品供給事業者(7社)との意見交換会を実施した。これによって得られた情報を参考とし機能区分表を完成させた。
<課題2> 製作費用の包括的把握方法と簡便なデータ更新方法の確立にかかる研究(我澤、山崎)
・機能区分毎の価格の分布状況について分析した。
・完成用部品の価格制度について、補装具製作事業者から見た「仕入価格」と「補装具価格への加算価格」の定め方の2点に着目し、考えられる制度の類型分けをし、それぞれの制度における特性をまとめた。
<課題3> 補装具費支給判定基準マニュアルの作成(樫本)
・平成26年度に作製した「補装具費支給判定Q&A暫定版2・アンケート調査結果」をもとに、アンケートの意見、「全国身体障害者更生相談所長協議会補装具判定専門委員会」に寄せられた新たなQ&Aを踏まえ「補装具費支給判定基準マニュアル」を作成した。
・補装具費支給制度の基本事項を追加するとともに、骨格義足の完成用部品の機能区分表を盛り込むこととした。
<課題4> 機能区分を踏まえた完成用部品申請手続きの整備(石渡、山崎)
・作成された骨格構造義足用部品の機能区分に掲載されている内容と、本研究で改訂した補装具等完成用部品の現行の申請様式について比較検討を行った。
結果と考察
今年度の成果は以下の通りである。
<課題1>平成25年度および平成26年度に行った調査・分析結果を基に機能の定義付けとその妥当性を確認し、完成用部品の骨格構造義足について機能区分案を作成した。
<課題2>現行の部品リストから、機能区分内の部品の価格を調べたところ、平均48.0%と、ある程度大きなちらばりがあることがわかった。また、将来的に、機能区分毎固定価格制を併用することで必要な部品を供給しつつ全体のコストを抑えられると示唆を得た。
<課題3>更生相談所職員を対象とした限定版(Q&A189問)と医療関係者、市町村職員等支援者を対象とした公開版(Q&A71問)に分けてマニュアルを作成した。いずれも、骨格義足完成用部品の機能区分表を盛り込み義肢判定の際に役立つものとして完成させた。
<課題4>機能区分の運用上必要な情報を整理するとともに、完成用部品登録申請を通じて集約することを想定した様式改訂案の作成、さらには、運用上の問題点についてまとめた。
<課題1>平成25年度および平成26年度に行った調査・分析結果を基に機能の定義付けとその妥当性を確認し、完成用部品の骨格構造義足について機能区分案を作成した。
<課題2>現行の部品リストから、機能区分内の部品の価格を調べたところ、平均48.0%と、ある程度大きなちらばりがあることがわかった。また、将来的に、機能区分毎固定価格制を併用することで必要な部品を供給しつつ全体のコストを抑えられると示唆を得た。
<課題3>更生相談所職員を対象とした限定版(Q&A189問)と医療関係者、市町村職員等支援者を対象とした公開版(Q&A71問)に分けてマニュアルを作成した。いずれも、骨格義足完成用部品の機能区分表を盛り込み義肢判定の際に役立つものとして完成させた。
<課題4>機能区分の運用上必要な情報を整理するとともに、完成用部品登録申請を通じて集約することを想定した様式改訂案の作成、さらには、運用上の問題点についてまとめた。
結論
補装具費支給制度、その仕組みに関して議論し、以下のような提案をとりまとめた。
1)短期的な提案
・機能区分表の公開により、補装具費支給制度 に関わる関係者が、完成用部品に関する共通認識を持つことができ、改めて価格に対する関心が高まることにより、価格の平準化を促進する。
・定期的な価格調査を行い、現状をしっかりと把握した上で、価格の見直しを行う。
・マニュアルの活用により、更生相談所および 市町村等の担当者の支給判定における質の向上が促される。
・完成用部品指定申請の電子化により、事務手続の効率化を実現する。
2) 長期的な提案
・継続的な機能区分に基づく完成用部品の整理を行う事で、共通認識を定着させる。
・個別製品ごとの価格設定と機能区分ごとの価 格設定の併用により、適正な価格設定を実現する。
・部品の機能と人の機能の対応付けに基づき、適正な支給判定を促進する。
今後、骨格構造義足以外の完成用部品について、機能区分を作成すると共に、機能区分表の普及に向けた活動を実施する予定である
1)短期的な提案
・機能区分表の公開により、補装具費支給制度 に関わる関係者が、完成用部品に関する共通認識を持つことができ、改めて価格に対する関心が高まることにより、価格の平準化を促進する。
・定期的な価格調査を行い、現状をしっかりと把握した上で、価格の見直しを行う。
・マニュアルの活用により、更生相談所および 市町村等の担当者の支給判定における質の向上が促される。
・完成用部品指定申請の電子化により、事務手続の効率化を実現する。
2) 長期的な提案
・継続的な機能区分に基づく完成用部品の整理を行う事で、共通認識を定着させる。
・個別製品ごとの価格設定と機能区分ごとの価 格設定の併用により、適正な価格設定を実現する。
・部品の機能と人の機能の対応付けに基づき、適正な支給判定を促進する。
今後、骨格構造義足以外の完成用部品について、機能区分を作成すると共に、機能区分表の普及に向けた活動を実施する予定である
公開日・更新日
公開日
2016-08-05
更新日
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