文献情報
文献番号
201510112A
報告書区分
総括
研究課題名
難病対策の推進に寄与する実践的プラットホーム提供にむけた研究
課題番号
H27-難治等(難)-指定-001
研究年度
平成27(2015)年度
研究代表者(所属機関)
松山 晃文(国立研究開発法人 医薬基盤・健康・栄養研究所 創薬資源部)
研究分担者(所属機関)
- 石井 正三(日本医師会)
- 五十嵐 隆(国立成育医療研究センター)
- 水澤 英洋(国立精神・神経医療研究センター)
- 金倉 譲(大阪大学医学部附属病院)
- 磯 博康(大阪大学大学院医学系研究科公衆衛生学)
- 新谷 歩(大阪大学大学院医学系研究科医療統計学)
- 倉田 真由美(国立研究開発法人 医薬基盤・健康・栄養研究所 政策・倫理研究室)
- 秋丸 裕司(国立研究開発法人 医薬基盤・健康・栄養研究所 難治性疾患治療開発・支援室)
- 大倉 華雪(国立研究開発法人 医薬基盤・健康・栄養研究所 難治性疾患治療開発・支援室)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 難治性疾患等克服研究(難治性疾患政策研究)
研究開始年度
平成27(2015)年度
研究終了予定年度
平成27(2015)年度
研究費
90,308,000円
研究者交替、所属機関変更
-
研究報告書(概要版)
研究目的
平成27年1月より施行された「難病の患者に対する医療等に関する法律」及び厚生科学審議会疾病対策部会難病対策委員会「難病対策の改革について(提言)」に示された難病対策のあり方を社会実現するため、下記11項目の研究開発を行い、もって難病対策の推進に寄与する資料およびその実践的プラットホームを提供する。
研究方法
厚生科学審議会疾病対策部会難病対策委員会「難病対策の改革について(提言)」をもとに下記11項目を実施した。
① 難病指定医の研修プログラムの開発
難病指定医等の育成・研修を目的として実施される研修プログラム(到達目標、レジュメ)を開発するともに、その教材(認定基準集等)を作成した。
② 難病診断システムの開発に関する研究
各疾患の診断基準・重症度基準を元に、診断・重症度フローチャートを作成し、当該フローチャートをシステムフォーマットへ落とし込んだ。
③ 難病データ登録システムの開発
関係学会、研究班等から情報を収集し、各指定難病に関してその診断基準・診断補助システムデータ登録システムの構築と創薬展開を射程に入れた入力項目及び入力様式(ウェブ形式(システムへの組込み)、紙形式(臨床調査個人票))を作成した。加えて、データ登録システムの運用試験を実施してその問題点等の抽出と改善と最適化を行い実装した。
④ 難病患者データの活用方策の検討
個人情報保護等の担保に向け、関連法令指針等の整理と難病患者が医療費助成の申請時に提出するドラフトを議論するとともに、難病データ登録システムのデータ利用の申請に対する審査に必要な事項(申請書、審査手順、審査基準等)を議論した。
⑤ 難病医療提供体制のあり方の検討
小児期から難病に罹患している患者の、小児担当科から成人担当科への切れ目ない連携方策について検討した。
⑥ 希少・難治性疾患の類型化等の方法の検討
関連学会、研究班等から情報を収集・整理し、臨床的観点からの希少・難治性疾患の類型化、重症度分類等に関する資料を作成し、行政などと情報を共有した。
⑦ 難病に関する国際連携方策の検討
難病患者データ登録に関する国際連携の方策を、IRDiRCに加盟し、国際的な議論に供した。
⑧ 難病医療支援ネットワークのあり方の検討
極めて希少な疾患の専門的な対応に向け、国立高度専門医療研究センター等が形成する「難病医療支援ネットワーク」のあり方を検討した。
⑨ 難病に関する情報提供のあり方の検討
公知の研究情報(最新の研究開発関連情報))を収集し、特に難病創薬について情報を整理した。
⑩ 難病患者等の実態把握
R Squareを活用した難病患者等の実態、難病指定医の位置情報に関し、その調査手法を検討するため、難病指定医の都道府県分布を調査した。
⑪ 難病における医療費の把握
制度変更に伴う難病患者の医療費の変化等を検討した。
① 難病指定医の研修プログラムの開発
難病指定医等の育成・研修を目的として実施される研修プログラム(到達目標、レジュメ)を開発するともに、その教材(認定基準集等)を作成した。
② 難病診断システムの開発に関する研究
各疾患の診断基準・重症度基準を元に、診断・重症度フローチャートを作成し、当該フローチャートをシステムフォーマットへ落とし込んだ。
③ 難病データ登録システムの開発
関係学会、研究班等から情報を収集し、各指定難病に関してその診断基準・診断補助システムデータ登録システムの構築と創薬展開を射程に入れた入力項目及び入力様式(ウェブ形式(システムへの組込み)、紙形式(臨床調査個人票))を作成した。加えて、データ登録システムの運用試験を実施してその問題点等の抽出と改善と最適化を行い実装した。
④ 難病患者データの活用方策の検討
個人情報保護等の担保に向け、関連法令指針等の整理と難病患者が医療費助成の申請時に提出するドラフトを議論するとともに、難病データ登録システムのデータ利用の申請に対する審査に必要な事項(申請書、審査手順、審査基準等)を議論した。
⑤ 難病医療提供体制のあり方の検討
小児期から難病に罹患している患者の、小児担当科から成人担当科への切れ目ない連携方策について検討した。
⑥ 希少・難治性疾患の類型化等の方法の検討
関連学会、研究班等から情報を収集・整理し、臨床的観点からの希少・難治性疾患の類型化、重症度分類等に関する資料を作成し、行政などと情報を共有した。
⑦ 難病に関する国際連携方策の検討
難病患者データ登録に関する国際連携の方策を、IRDiRCに加盟し、国際的な議論に供した。
⑧ 難病医療支援ネットワークのあり方の検討
極めて希少な疾患の専門的な対応に向け、国立高度専門医療研究センター等が形成する「難病医療支援ネットワーク」のあり方を検討した。
⑨ 難病に関する情報提供のあり方の検討
公知の研究情報(最新の研究開発関連情報))を収集し、特に難病創薬について情報を整理した。
⑩ 難病患者等の実態把握
R Squareを活用した難病患者等の実態、難病指定医の位置情報に関し、その調査手法を検討するため、難病指定医の都道府県分布を調査した。
⑪ 難病における医療費の把握
制度変更に伴う難病患者の医療費の変化等を検討した。
結果と考察
わが国の難病対策は、昭和47年に策定された「難病対策要綱」を踏まえ、調査研究の推進、医療機関の整備、医療費の自己負担の軽減、地域における保健医療福祉の充実・連携、QOLの向上を目指した福祉施策の推進が行われ、一定の成果を上げてきた。しかし難病の疾患間での不公平感、難病に対する国民の理解の不足、難病患者の長期にわたる療養と社会生活を支える総合的な対策の不足などの問題が指摘されてきた。これら問題を解決するため「難病対策の改革について(提言)」が示され、そこに提示された難病対策のあり方を社会実現するため、同提言が掲げる11項目にかかる研究開発を行い、もって対策推進に寄与する資料およびその実践的プラットホームを提供した。
具体的には、難病指定医の育成体制の構築、基礎的データの収集による難病対策の基盤となる診断基準、判定システムおよび臨床調査票を含む難病データ登録システムの構築、新たな難病医療体制の構築に必要な難病指定医等、難病医療拠点病院等の把握、基礎的データおよびその活用方策の提示、難病stake holderのニーズを反映した効果的かつ効率的な支援方策の提示などの成果を提示することができた。
具体的には、難病指定医の育成体制の構築、基礎的データの収集による難病対策の基盤となる診断基準、判定システムおよび臨床調査票を含む難病データ登録システムの構築、新たな難病医療体制の構築に必要な難病指定医等、難病医療拠点病院等の把握、基礎的データおよびその活用方策の提示、難病stake holderのニーズを反映した効果的かつ効率的な支援方策の提示などの成果を提示することができた。
結論
わが国の難病対策に対する問題意識を踏まえ、平成23年9月より難病対策委員会において難病対策の抜本的な改革について検討が重ねられ、「難病対策の改革について(提言)」が示され、これをもとにして平成26年通常国会に「難病の患者に対する医療等に関する法律」案が提出され、可決成立の上、平成27年1月から施行されている。これらの提言や法の趣旨に則った対策を行っていく上で、解決しなければならない課題も多く、本研究事業によって、当該提言で示された難病対策の推進に寄与する資料および難病対策プラットホームが開発・提供される準備が出来た。
公開日・更新日
公開日
2016-09-20
更新日
-