文献情報
文献番号
201510054A
報告書区分
総括
研究課題名
自己炎症性疾患とその類縁疾患の診断基準、重症度分類、診療ガイドライン確立に関する研究
研究課題名(英字)
-
課題番号
H26-難治等(難)-一般-070
研究年度
平成27(2015)年度
研究代表者(所属機関)
平家 俊男(京都大学 大学院医学研究科 発達小児科学)
研究分担者(所属機関)
- 西小森 隆太(京都大学 大学院医学研究科 発達小児科学 )
- 高田 英俊(九州大学 大学院医学研究院 成長発達医学)
- 伊藤 秀一(横浜市立大学 大学院医学研究科 発生成育小児医療学)
- 大西 秀典(岐阜大学 医学部附属病院 小児科学)
- 井田 弘明(久留米大学 膠原病内科 リウマチ学)
- 神戸 直智(関西医科大学附属病院 皮膚科)
- 金澤 伸雄(和歌山県立医科大学 皮膚科)
- 上松 一永(信州大学 医学研究科)
- 谷内江 昭宏(金沢大学 医薬保健研究)
- 森尾 友宏(東京医科歯科大学 小児科)
- 河合 利尚(国立成育医療センター 成育遺伝研究部)
- 武井 修治(鹿児島大学 医学部保健)
- 右田 清志(長崎医療センター リウマチ学)
- 宮前多佳子(東京女子医科大学 膠原病リウマチ内科)
- 金兼 弘和(東京医科歯科大学 大学院 医歯学総合研究科)
- 野々山 恵章(防衛医科大学 小児科学講座)
- 今井 耕輔(東京医科歯科大学 小児周産期)
- 森 臨太郎(国立成育医療研究センター研究所 政策科学研究部)
- 小原 收(公財法人かずさDNA研究所)
- 横田 俊平(東京医科大学 医学総合研究所 小児難病部門)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 難治性疾患等克服研究(難治性疾患政策研究)
研究開始年度
平成26(2014)年度
研究終了予定年度
平成28(2016)年度
研究費
21,807,000円
研究者交替、所属機関変更
-
研究報告書(概要版)
研究目的
自己炎症性疾患は、主に自然免疫関連遺伝子異常を原因とし、周期性発熱を主症状とする稀少疾患である。その歴史は浅く標準的な診療手順は確立されていない。本研究では、H24-25年度“自己炎症疾患とその類縁疾患に対する新規診療基盤の確立”班で得られた成果発展と問題点の解消を目的とする。
研究方法
1)自己炎症性疾患の診断体制の改良、2)患者登録による長期的な患者予後調査システムの構築、3)Mindsの手法に沿った診療ガイドラインの作成と重症度分類の作成、を行う。対象疾患は、当初はCAPS、TRAPS、MKD、家族性地中海熱、PAPA、Blau症候群、中條―西村症候群、全身型若年性特発性関節炎、PFAPA、CRMOの10疾患としていたが、新たな自己炎症性疾患の原因遺伝子が同定されていることから、これらの疾患の診療体制の整備も併せて推進する。
結果と考察
1)自己炎症性疾患の新規原因遺伝子は相次いで報告されており、これら新規遺伝子の診断に対応すべく、引き続き、遺伝子診断体制の改良を推進した。また「自己炎症性疾患WEBサイト」を更新し、自己炎症性疾患の最新知見を追加するとともに、患者メール相談窓口の運営を引き続き行った。
2)昨年度に引き続き、WEBベース患者登録システムを推進し、患者情報の集積を行った。本研究対象10疾患のうち、PFAPAを除く指定難病であるの9疾患について重症度分類を作成した。その重症度分類は指定難病の助成対象基準として採用された。
3)昨年度から継続してCAPS、TRAPS、メバロン酸キナーゼ欠損症(高IgD症候群とメバロン酸尿症の総称)、家族性地中海熱、Blau症候群、PFAPA、の6疾患についてMindsの手法による診療ガイドラインの作成を推進した。昨年度に策定した診療ガイドライン作成計画書である「スコープ」に基づき、システマティックレビューチームによる文献評価を行い、そのエビデンスをもとにクリニカルクエスチョンの回答である「推奨」の草案を作成した。平成28年2月5日に開催した班会議において、文献評価概要を説明し、「推奨」草案に対する意見収集を行った。合わせて昨年度に作成した「疾患現状」の改訂について意見収集を行った。今後、集積した意見に基づき、「疾患現状」・「推奨」の最終版を作成する。
2)昨年度に引き続き、WEBベース患者登録システムを推進し、患者情報の集積を行った。本研究対象10疾患のうち、PFAPAを除く指定難病であるの9疾患について重症度分類を作成した。その重症度分類は指定難病の助成対象基準として採用された。
3)昨年度から継続してCAPS、TRAPS、メバロン酸キナーゼ欠損症(高IgD症候群とメバロン酸尿症の総称)、家族性地中海熱、Blau症候群、PFAPA、の6疾患についてMindsの手法による診療ガイドラインの作成を推進した。昨年度に策定した診療ガイドライン作成計画書である「スコープ」に基づき、システマティックレビューチームによる文献評価を行い、そのエビデンスをもとにクリニカルクエスチョンの回答である「推奨」の草案を作成した。平成28年2月5日に開催した班会議において、文献評価概要を説明し、「推奨」草案に対する意見収集を行った。合わせて昨年度に作成した「疾患現状」の改訂について意見収集を行った。今後、集積した意見に基づき、「疾患現状」・「推奨」の最終版を作成する。
結論
平成27年度は「自己炎症性疾患とその類縁疾患の診断基準、重症度分類、診療ガイドライン確立」に向け、ほぼ予定通りの研究が遂行できたと考えている。自然免疫系の異常による炎症病態は生活習慣病などとも深く結びついており、自己炎症性疾患の病態解明が医療全体に及ぼす影響は非常に大きいと期待されるものである。来年度以降も引き続き研究を進めて行く。
公開日・更新日
公開日
2017-03-31
更新日
-