文献情報
文献番号
201508014A
報告書区分
総括
研究課題名
小中学生の食行動の社会格差是正に向けた政策提案型研究
課題番号
H27-循環器等-一般-002
研究年度
平成27(2015)年度
研究代表者(所属機関)
橋本 英樹(東京大学大学院医学系研究科公共健康医学専攻保健社会行動学分野)
研究分担者(所属機関)
- 藤原 武男(国立成育医療研究センター研究所)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 循環器疾患・糖尿病等生活習慣病対策総合研究
研究開始年度
平成27(2015)年度
研究終了予定年度
平成29(2017)年度
研究費
11,539,000円
研究者交替、所属機関変更
-
研究報告書(概要版)
研究目的
本研究事業は、先行研究において2011年から確立された首都圏4市区における子どもパネル調査のフレームと、新たに2015年から足立区が実施する区立教育機関の学童・学生を対象とした世帯調査の2つを利用し、世帯の社会経済的状態(親の収入・学歴・教育歴・食生活行動・世帯の文化的環境・相対的貧困や社会的排除)による、子どもの食生活行動への影響と格差解消の方向性につき、社会疫学的視点から実証的な検討を行う。調査協力自治体で実施される子育て支援・子どもの貧困対策・学校保健施策にフィードバックし政策立案・実施を支援するとともに、その影響評価を行う。以て、子どもの食習慣の社会格差縮小に向けた科学的モニタリングと、根拠に基づく政策実施のサイクルモデルを構築する。
研究方法
初年度は予定どおり子どもパネルの追跡調査を2市区で実施、また協力自治体(足立区)において小学1年生の悉皆調査を実施した。
結果と考察
足立区においては初期分析の結果、先行パネルで得られた社会的排除の規模が再確認されるとともに、それが歯磨き習慣ほか子どもの行動発達に影響していることが明確となった。またその媒介要因として親の養育態度・世帯の養育環境などが有力な介入点として挙げられることが明らかとなった。一方、パネル追跡調査の初期的分析の結果、足立区での系統的な食育・町づくり施策が、子どもの野菜摂取の向上につながったことを示唆する結果を得た。
結論
次年度研究では追加データの収集分析により当該市区町村の子どもに対する食育対策の違いの効果影響について検証を精緻化し、結果を自治体にフィードバックして今後の政策的取組の方向性について議論を喚起することを目指す。
公開日・更新日
公開日
2016-07-14
更新日
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