感染症対策における政策判断のための数理モデル研究基盤の構築と発展

文献情報

文献番号
201447016A
報告書区分
総括
研究課題名
感染症対策における政策判断のための数理モデル研究基盤の構築と発展
課題番号
-
研究年度
平成26(2014)年度
研究代表者(所属機関)
西浦 博(東京大学大学院 医学系研究科)
研究分担者(所属機関)
  • 佐々木 顕(総合研究大学院大学)
  • 合原 一幸(東京大学生産技術研究所)
  • 筒井 俊之(農研機構・動物衛生研究所)
  • 廣瀬 英雄(九州工業大学)
  • 梯 正之(広島大学)
  • 江島 伸興(大分大学)
  • 中谷 友樹(立命館大学)
  • 稲葉 寿(東京大学大学院数理科学研究科)
  • 伊藤 公人(北海道大学)
  • 蒔田浩平(酪農学園大学)
  • 内田 満夫(信州大学)
  • 水本 憲治(東京大学)
  • 梶原 毅(岡山大学)
  • 竹内 康博(青山学院大学)
  • 佐々木 徹(岡山大学)
  • 佐藤 一憲(静岡大学)
  • 岩見 真吾(九州大学)
  • 井深 陽子(東北大学)
  • 中岡 慎治(東京大学)
  • 佐藤 佳(京都大学ウイルス研究所)
  • 原田 耕治(豊橋技術科学大学院)
  • 中澤 港(神戸大学)
  • 竹内 昌平(宮崎大学医学部)
  • 斎藤 正也(統計数理研究所)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 【委託費】 新興・再興感染症に対する革新的医薬品等開発推進研究
研究開始年度
平成26(2014)年度
研究終了予定年度
平成26(2014)年度
研究費
7,693,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
感染症の数理モデルは,発生動向を理解することや,感染症対策の政策判断や評価などの公衆衛生ツールとして利用されている.近年,モデル妥当性が格段に増し,観察データへの適合技術が飛躍的に発展した.欧米を中心とする諸外国では,感染症数理モデルの専門家が独立セクションを構えて雇用され,その専門性が十分に尊重され,公衆衛生専門家や感染症専門家との共同作業体制が整備されている.それらの国では,数理モデルを活用した研究が感染症対策の現場で既に必須の研究手段として定着している.他方,日本においては,感染症行政および予防接種に資する数理モデルの応用研究は質・量ともに十分でない.本研究の目的は、日本における感染症行政および予防接種行政に資する数理モデルの応用研究を実施するために、多施設の同課題に関する専門家を結集して若手研究者の教育を共同で実施しつつ共同研究体制を構築し、数理モデルを用いて,統計学的推定やシステム分析,数値計算などの研究を展開し,政策活用を行うことである。
研究方法
感染症対策において,数理的・理論的見解を要する政策決断プロセスを通じて,数理モデルを活用した知見のニーズに対応できる学術的基盤を確立し,専門家としての意見聴取に対応可能な基礎的状態を築く.予防接種政策の計画時に,「どの程度の数のワクチンが誰を対象に必要か」という政策立案者の問いに回答を寄せ,その計算プロセスを公表しつつ,複雑な流行動態をわかり易く解説することで、政策見解をサポートする基盤を構築する.
結果と考察
初年度は、研究班を専門的研究アプローチによって3つに分けて分業体制を築いた.全体の実務及び事務の連絡が円滑に進むよう各チームでハブとなる連絡担当者を設置し,責任と実務内容を能率的に分配した.具体的な研究成果として,西アフリカのエボラウイルス病流行のリアルタイム分析を実施し,その成果(再生産数の推定結果と必要とされる隔離の努力量について)を原著論文として出版・報告した.
結論
日本における感染症行政および予防接種行政に資する数理モデルの応用研究を実施するために、多施設の同課題に関する専門家を結集して若手研究者の教育を共同で実施しつつ共同研究体制を構築し、統計学的推定やシステム分析,数値計算などの研究結果を政策に役立てるべく初年度の活動を終えた.引き続き、厚生労働行政に資する数理モデル研究に取り組む所存である.

公開日・更新日

公開日
2015-04-21
更新日
-

研究報告書(PDF)

総括研究報告書
分担研究報告書
分担研究報告書
分担研究報告書
分担研究報告書
分担研究報告書
分担研究報告書
分担研究報告書
分担研究報告書
分担研究報告書
分担研究報告書
分担研究報告書
分担研究報告書
分担研究報告書
研究成果の刊行に関する一覧表

公開日・更新日

公開日
2015-04-21
更新日
-

行政効果報告

文献番号
201447016C

成果

専門的・学術的観点からの成果
初年度で達成できた具体的な成果物として,西アフリカのエボラウイルス病流行のリアルタイム分析を実施し,その成果(再生産数の推定結果と必要とされる隔離の努力量について)を原著論文として出版・報告した.
臨床的観点からの成果
エボラウイルス病のリアルタイム研究及び流行予測について引き続き至急の研究を続けており,また,2013年夏のデング熱の流行動態の分析を報告予定である。
ガイドライン等の開発
感染症行政におけるニーズの把握と数理モデルの活用のため,平成26年7月18日に厚生労働省の健康局結核感染症課で勉強会を開催し,同機会を通じて研究課題の選定を図った.
その他行政的観点からの成果
研究課題毎にリード研究者を個別に定め,臨床あるいは公衆衛生での各疾病のコンタクトへの相談を順次開始しようと計画している.
その他のインパクト
エボラ出血熱のリアルタイム研究成果は新聞誌上で取り上げられた。

発表件数

原著論文(和文)
1件
原著論文(英文等)
38件
その他論文(和文)
3件
その他論文(英文等)
1件
学会発表(国内学会)
83件
学会発表(国際学会等)
0件
その他成果(特許の出願)
0件
その他成果(特許の取得)
0件
その他成果(施策への反映)
0件
その他成果(普及・啓発活動)
0件

特許

主な原著論文20編(論文に厚生労働科学研究費の補助を受けたことが明記された論文に限る)

論文に厚生労働科学研究費の補助を受けたことが明記された論文に限ります。

原著論文1
Nishiura H, Chowell G
Early transmission dynamics of Ebola virus disease (EVD), West Africa, March to August 2014.
Eurosurveillance , 19 (36) , 1-4  (2014)
原著論文2
Chowell G, Nishiura H
Transmission dynamics and control of Ebola virus disease (EVD): a review.
BMC Medicine , 12 (1) , 1-17  (2014)
原著論文3
Nishiura H, Chowell G.
Theoretical perspectives on the infectiousness of Ebola virus disease
Theoretical Biology and Medical Modelling , 12 (1) , 1-10  (2015)
原著論文4
Mizumoto K, Ejima K, Yamamoto T, Nishiura H.
On the risk of severe dengue during secondary infection: a systematic review coupled with mathematical modeling.
Journal of Vector Borne Diseases , 51 (3) , 153-164  (2014)

公開日・更新日

公開日
2015-04-21
更新日
2018-06-22

収支報告書

文献番号
201447016Z
報告年月日

収入

(1)補助金交付額
10,000,000円
(2)補助金確定額
10,000,000円
差引額 [(1)-(2)]
0円

支出

研究費 (内訳) 直接研究費 物品費 178,317円
人件費・謝金 1,202,786円
旅費 4,467,185円
その他 1,844,712円
間接経費 2,307,000円
合計 10,000,000円

備考

備考
-

公開日・更新日

公開日
2015-04-21
更新日
-