文献情報
文献番号
201446024A
報告書区分
総括
研究課題名
うつ病診断及び向精神薬治療反応性・副作用予測バイオーマーカーの同定
研究課題名(英字)
-
課題番号
-
研究年度
平成26(2014)年度
研究代表者(所属機関)
岩田 仲生(藤田保健衛生大学 医学部精神神経科学講座)
研究分担者(所属機関)
- 尾崎 紀夫(名古屋大学 医学系研究科)
- 齋藤 邦明(京都大学 病態情報解析医学)
- 野田 幸裕(名城大学薬学部 神経精神薬理学)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 【委託費】 障害者対策総合研究開発
研究開始年度
平成26(2014)年度
研究終了予定年度
平成26(2014)年度
研究費
15,390,000円
研究者交替、所属機関変更
-
研究報告書(概要版)
研究目的
精神疾患の病態生理解明に向けた研究が積極的に行われているにもかかわらず、必ずしも成功に至っていないことは、極めて複雑な要因が「病態生理」に関与していることが一因であると想定される。従って、本研究では、「病態生理」をスキップすることで、精神疾患における診断及び治療反応性・副作用予測バイオマーカーの同定を目的とする。
研究方法
本研究では、1)薬物治療に関連するバイオマーカー探索に関する研究(抗精神病薬反応性、ラモトリギン誘発性皮膚障害の薬理ゲノム学研究など)、2)リエゾン領域で発生するうつ病のバイオマーカー探索に関する研究(産科リエゾン領域の抑うつ状態、口腔外科リエゾン領域の抑うつ状態、健常人リソースと健康情報のデータベース化)を行った。
結果と考察
1)においては、遺伝子多型単独での「確実な」リスクファクターは同定できなかったが、抗精神病薬のターゲットとなりうる分子の異常が、統合失調症の疾患リスクになりうることを間接的に支持する結果が得られた。さらに、抗てんかん薬・気分調整薬であるラモトリギンによる皮膚障害は、他の薬剤で報告されている遺伝子領域が、同様にリスクとなりうる可能性を示唆する所見を得た。また、サイトカインの高発現により誘導された、うつ様マウスモデルを解析し、ターゲット遺伝子の候補としてとセロトニン系に加えて、トリプトファン/キヌレニン代謝の変容が重要である可能性を明らかにした。
2)における産科領域の抑うつに関しては、網羅的メチル化解析の結果、メチル化頻度に抑うつ群と非抑うつ群の間で有意差のある領域は転写不活性化と関連することを見出し、かつ口腔外科領域の抑うつに関しては、特定のサイトカインが抑うつのバイオマーカーとなる可能性を示した。また、健常人バイオリソースの健康情報をデータベース化し、より効率的に抑うつバイオマーカーを検索する足がかりとなるシステムが構築された。データベースより効率的に抽出した血液を解析し、トリプトファン/キヌレニン代謝の変容がセロトニン系に加えて新たな抑うつのリスクとなる可能性を示した。さらに、閾値下うつのバイオマーカーの候補分子であるセロトニントランスポーターあるいはノルアドレナリントランスポーターのユビキチン化のヒト末梢血での測定条件を確立、産後うつ病患者において血小板中のセロトニントランスポーター量の増加傾向を確認し、口腔内疼痛性障害患者の血小板中のユビキチン化セロトニントランスポーター量が少なく、抑うつ重症度が高い傾向を同定した。
2)における産科領域の抑うつに関しては、網羅的メチル化解析の結果、メチル化頻度に抑うつ群と非抑うつ群の間で有意差のある領域は転写不活性化と関連することを見出し、かつ口腔外科領域の抑うつに関しては、特定のサイトカインが抑うつのバイオマーカーとなる可能性を示した。また、健常人バイオリソースの健康情報をデータベース化し、より効率的に抑うつバイオマーカーを検索する足がかりとなるシステムが構築された。データベースより効率的に抽出した血液を解析し、トリプトファン/キヌレニン代謝の変容がセロトニン系に加えて新たな抑うつのリスクとなる可能性を示した。さらに、閾値下うつのバイオマーカーの候補分子であるセロトニントランスポーターあるいはノルアドレナリントランスポーターのユビキチン化のヒト末梢血での測定条件を確立、産後うつ病患者において血小板中のセロトニントランスポーター量の増加傾向を確認し、口腔内疼痛性障害患者の血小板中のユビキチン化セロトニントランスポーター量が少なく、抑うつ重症度が高い傾向を同定した。
結論
本研究結果から、精神疾患における薬理ゲノム学の有用性とともに、均一な表現型を用いたうつ状態へのアプローチがバイオマーカー同定の可能性を上昇させることを示唆するものであり、今後の臨床応用への足がかりとなる結果である。
公開日・更新日
公開日
2015-09-17
更新日
-