文献情報
文献番号
201444005A
報告書区分
総括
研究課題名
在宅療養者に対する地域単位の夜間休日臨時対応体制のあり方に関する研究
課題番号
-
研究年度
平成26(2014)年度
研究代表者(所属機関)
吉江 悟(東京大学医学部附属病院老年病科)
研究分担者(所属機関)
- 辻 哲夫(東京大学高齢社会総合研究機構)
- 秋下 雅弘(東京大学大学院医学系研究科)
- 飯島 勝矢(東京大学高齢社会総合研究機構)
- 山本 則子(東京大学大学院医学系研究科)
- 永田 智子(東京大学大学院医学系研究科)
- 五十嵐 歩(東京大学大学院医学系研究科)
- 成瀬 昂(東京大学大学院医学系研究科)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 【委託費】 長寿科学研究開発
研究開始年度
平成26(2014)年度
研究終了予定年度
平成26(2014)年度
研究費
14,754,000円
研究者交替、所属機関変更
-
研究報告書(概要版)
研究目的
在宅療養者に対する24 時間対応体制のうち、特に夜間休日臨時対応の現状を明らかにするため、実際に在宅医療を担っている診療所、訪問看護ステーションに対する質問紙調査を行った。
研究方法
調査にあたっては、診療所医師、訪問看護師のそれぞれに実際に行われた臨時対応事例を選択してもらい、その事例に関する質問、および普段の臨時対応体制に関する質問、業務負担などに関する質問を尋ねた。加えて、各事例の患者・家族に対しても質問紙調査を行い、臨時対応に対する評価や在宅生活に対する考えを尋ねた。診療所医師からは405 票、訪問看護師からは563 票、患者から553 票、家族から493 票の回答が得られた。
結果と考察
調査の結果、現状では患者・家族の夜間休日臨時対応に対する安心度、満足度も高く、在宅療養を担う医師や看護師が患者・家族の夜間休日の緊急事態を支えていることがみてとれた。しかし、臨時対応業務が医師や看護師個人に与える心理的負担、精神的負担は大きく、家庭生活への影響も少なくないと考えられた。老年人口割合の増加や「病院から在宅へ」という流れにより、夜間休日に臨時対応を要する件数自体は増えていくことが想定されるが、患者・家族にとっては「できるだけ近くにいつでも来てくれる医療者がいてほしい」という願いがあることも改めて示唆された。
結論
患者・家族にとって望ましい体制をできる限り整えていくとともに、医療従事者の負担を軽減し、在宅療養を支える人材を確保していくためには、より一層のサポート体制の充実が必要である。地域によって最適な連携のあり方は異なると考えられるが、先進的な取り組みを行っている地域を参考にしながら、地域の実情にあった体制を整備していくことが求められるだろう。また、時間帯によってはかかりつけの医師や看護師以外が対応せざるをえないことなど在宅療養の現実について、患者・家族の理解を得ていくような取り組みも不可欠であると考えられた。
公開日・更新日
公開日
2015-06-08
更新日
-