骨粗鬆症性椎体骨折に対する保存的初期治療の指針策定

文献情報

文献番号
201444002A
報告書区分
総括
研究課題名
骨粗鬆症性椎体骨折に対する保存的初期治療の指針策定
課題番号
-
研究年度
平成26(2014)年度
研究代表者(所属機関)
大川 淳(東京医科歯科大学大学院 整形外科学)
研究分担者(所属機関)
-
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 【委託費】 長寿科学研究開発
研究開始年度
平成26(2014)年度
研究終了予定年度
平成26(2014)年度
研究費
13,828,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究報告書(PDF)

公開日・更新日

公開日
2017-10-03
更新日
-

行政効果報告

文献番号
201444002C

成果

専門的・学術的観点からの成果
骨粗鬆症性椎体骨折に対する保存的初期治療法としての硬性装具と軟性装具の効果を比較検討することを目的とした、全国大規模の多施設前向きランダム化比較試験である。骨粗鬆症性椎体骨折に対する初期治療の標準化を目指す点で意義深いと考えている。大学病院臨床試験アライアンス(UHCT)で開発された臨床研究支援システム「アクレス」を用いた Web上での割り付け、データ登録システムを利用した。副次的ではあるが、Web上で割付可能な本システムが安定して利用できることを確認できた。
臨床的観点からの成果
全国141施設、研究協力医師353名が参加し、平成28年9月末の登録終了時点で382例の予備登録を得た。薬剤以外の介入研究としては類を見ない規模である。最終的に偽関節率は両群で有意差を認めなかったものの、椎体圧潰率は12週で硬性が有意に圧潰予防に有用であるとする結果が得られた。本研究により得られた結果からの椎体骨折に対する標準的な保存治療体系の確立により、椎体骨折後の圧潰進行の予防、後弯化によるQOL低下の予防、遷延治癒・偽関節例の発生減少等が見込まれる。
ガイドライン等の開発
本研究により、研究プロトコールから見て、骨粗鬆症性椎体骨折に対する保存的初期治療において高いエビデンスレベルでの硬性装具の着用を支持する指針が得られた。従って、今後骨粗鬆症性椎体骨折に対する治療ガイドラインへの収載が期待される。
その他行政的観点からの成果
本研究により、骨粗鬆症性椎体骨折に対する治療が標準化され、成績が改善されることにより、同傷病に対する医療費削減につながる。
その他のインパクト
第18回筑後地区脊椎外科研究会、第1回骨粗鬆症と疼痛を考える会、ベネッセ地域医療セミナー、第3回四国脊椎外科研究会、第21回骨と関節の日講演会、三鷹市老人クラブ連合会と杏林大学病院の合同講演会、東栄町住民健診講演会、第18回日本骨粗鬆症学会、第22回骨と関節の日講演会、第13回東名古屋医師会市民公開講座、骨粗しょう症の最新治療等 市民公開講座の開催。

発表件数

原著論文(和文)
18件
原著論文(英文等)
17件
その他論文(和文)
5件
その他論文(英文等)
0件
学会発表(国内学会)
83件
学会発表(国際学会等)
10件
その他成果(特許の出願)
0件
その他成果(特許の取得)
0件
その他成果(施策への反映)
0件
その他成果(普及・啓発活動)
13件

特許

主な原著論文20編(論文に厚生労働科学研究費の補助を受けたことが明記された論文に限る)

論文に厚生労働科学研究費の補助を受けたことが明記された論文に限ります。

原著論文1
Kato T,Inosse H,Okawa A. et al
Comparison of Rigid and Soft-Brace Treatments for Acute Osteoporotic Vertebral Compression Fracture: A Prospective, Randomized, Multicenter Study.
J Clin Med. , 8 (2) , E198-  (2019)
原著論文2
Toshitaka Yoshii,Hiroko Ueki,Tsuyoshi Kato, Shoji Tomizawa et all
Severe kyphotic deformity resulting from collapses of cemented and adjacent vertebrae following percutaneous vertebroplasty using calcium phosphate cement. A case report
Skeletal Radiol , 43 , 1477-1480  (2014)
DOI 10.1007/s00256-014-1912-8
原著論文3
Masato Yuasa,Tsuyoshi Yamada,Takashi Taniyama et all
Dexamethasone Enhances Osteogenic Differentiation of Bone Marrow- and Muscle- Derived Stromal Cells and Augments Ectopic Bone Formation Induced by Bone Morphogenetic Protein-2
PLOS ONE , 10(2) , e0116462-  (2015)
DOI:10.1371
原著論文4
Saito M,Okawa A,Inose H et al
The Indispensable Role of Cyclin-Dependent Kinase 1 in Skeletal Development.
Sci Rep. , Feb 10;6  (2016)
DOI:10.1038/srep20622
原著論文5
徳橋泰明
単純X線、痛みのマネージメントupdate, 生涯教育シリーズ86
日本医師会雑誌 , 143 , 100-101  (2014)
原著論文6
徳橋泰明,上井浩,大島正史
脊椎疾患におけるレッドフラッグ
ペインクリニック , 35 , 1365-1373  (2014)
原著論文7
佐藤公昭、永田見生、志波直人
骨折に対するギプス固定-椎体骨折
整形外科骨折ギプスマニュアル , 108-118  (2014)
原著論文8
武政龍一
脊椎椎体骨折に対する最小侵襲手術の適応と限界―calcium phosphate cementの活用― 
整形外科 , 65 , 820-828  (2014)
原著論文9
戸川大輔
用語解説 骨粗鬆症性椎体骨折編 新鮮骨折と陳旧性骨折
脊椎脊髄ジャーナル , 27 (5) , 557-559  (2014)
原著論文10
戸川大輔
骨粗鬆症性椎体骨折診断治療に役立つ組織解剖・病理学的知識
J. MIOS , 73 (2-8) , 2-8  (2014)
原著論文11
平野 徹, 渡辺 慶, 勝見 敬一 他
【高齢者脆弱性骨折の予防と治療】 高齢者脆弱性骨折の治療 部位別各論 脊椎椎体骨折偽関節例の治療
整形外科 , 65 (8) , 815-819  (2014)
原著論文12
高畑雅彦
【脊椎骨粗鬆症・圧迫骨折に対する治療戦略】―薬物治療を中心に 圧迫骨折を伴う骨粗鬆症の薬物治療 骨形成促進剤の視点から
脊椎脊髄ジャーナル , 27 (3) , 189-193  (2014)
原著論文13
星野雅俊
骨粗鬆症性椎体骨折の長期予後 生存・ADL・遺残疼痛に影響する因子解析
Journal of Spine Research , 6 (1) , 12-16  (2015)
原著論文14
星野雅俊
【高齢者の脊柱変形-椎体骨折の診断と治療】 (Part1.)骨粗鬆症性椎体骨折の診断と分類 画像診断と自然経過
Bone Joint Nerve , 5 (2) , 257-264  (2015)
原著論文15
徳橋泰明,上井 浩,大島正史
椎体骨折の最新分類
Bone Joint Nerve , 5 (2) , 251-255  (2015)
原著論文16
德橋泰明
脊椎圧迫骨折
今日の診断指針 第7版 , 1540-1542  (2015)
原著論文17
武政龍一
骨粗鬆症関連脊椎椎体骨折
Monthly Orthopaedics , 28 (10) , 194-200  (2015)
原著論文18
戸川大輔, 安田達也, 大和 雄 他
【腰椎変性後側彎症-病態から治療まで-】 疫学・自然経過 高齢者運動器検診者における立位全脊柱・骨盤アライメントとQOL(TOEI study).
MB Orthopaedics , 28 (2) , 7-14  (2015)
原著論文19
戸川大輔
特集/最小侵襲脊椎安定術(MISt)の実際 Balloon kyphoplasty(BKP)の最新知見
脊椎脊髄ジャーナル , 28 (5) , 505-509  (2015)
原著論文20
戸川大輔
特集:高齢者に対する整形外科分野における手術の実際と適応:Seminar 5 椎体骨折(慢性期)に対する手術の実際と適応
老年医学 , 53 (12) , 1269-1275  (2015)

公開日・更新日

公開日
2023-05-01
更新日
-

収支報告書

文献番号
201444002Z