文献情報
文献番号
201441016A
報告書区分
総括
研究課題名
生体並びに脳死下小腸移植技術の確立と標準化の研究
課題番号
-
研究年度
平成26(2014)年度
研究代表者(所属機関)
福澤 正洋(地方独立行政法人大阪府立病院機構大阪府立母子保健総合医療センター)
研究分担者(所属機関)
- 古川 博之(旭川医科大学 外科学講座消化器病態外科学分野)
- 仁尾 正記(東北大学医学系研究科 小児外科)
- 黒田 達夫(慶應義塾大学 医学部 小児外科)
- 上本 伸二(京都大学大学院医学系研究科 肝胆膵・小腸移植)
- 田口 智章(九州大学大学院医学研究院 小児外科学分野)
- 八木 孝仁(岡山大学病院 肝胆膵外科)
- 小倉 靖弘(名古屋大学医学部附属病院 移植外科)
- 阪本 靖介(熊本大学医学部附属病院 小児外科・移植外科 )
- 本多 昌平(北海道大学病院 消化器外科Ⅰ)
- 上野 豪久(大阪大学大学院医学系研究科 外科学講座 小児成育外科学)
- 藤山 佳秀(滋賀医科大学 消化器内科)
- 羽賀 博典(京都大学医学部附属病院 病理診断科 病理学)
- 森井 英一(大阪大学大学院医学系研究科 病理学)
- 石田 和之(岩手医科大学 医学部 病理学講座 分子診断病理学分野)
- 位田 忍(大阪府立母子保健総合医療センター 消化器内分泌科)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 【委託費】 難治性疾患等実用化研究(免疫アレルギー疾患等実用化研究)
研究開始年度
平成26(2014)年度
研究終了予定年度
平成26(2014)年度
研究費
5,405,000円
研究者交替、所属機関変更
-
研究報告書(概要版)
研究目的
腸管不全は全国に散在しており、体系的に検討を加えることが困難である。腸管不全の予後が明らかになっていないために、腸管不全に対する究極の治療である小腸移植を検討する適応や時期について明確になっていない。そのため腸管不全の予後を明らかにし小腸移植の成績と比較することによって小腸移植の適応を決定するのが本研究の目的である。
研究方法
患者の同意を得た前向き研究とした。日本小児外科学会認定施設、 日本小腸移植研究会、日本在宅静脈経腸栄養研究会の会員施設に対して、応諾した施設と多施設共同研究としての症例登録をおこなった。対象は、経静脈栄養を必要とする、難治性腸管不全と診断された全症例を対象とする。経静脈栄養から6か月以上離脱できない腸管不全の患者を難治性と判断した。中枢ルートの状態、肝機能、腎機能等について評価を行った。
結果と考察
初回登録では33施設より106症例の腸管不全の登録が行われた。短腸症候群45例、腸管運動障害57例、その他が4例であった。性別は男性54名、女性52名であった。調査時平均年齢は15.9歳であった。初回調査時でカテーテル閉塞があったものが41例、カテーテル感染があったものが59例、肝障害があったものが12例、腎障害があったものが6例であった。1年後の追跡調査で106例全例の結果を得ることができた。経過観察中に腸管運動障害の2例に死亡を認めた。2例とも腸管不全関連肝障害をきたしており、2例のうち1例は3本の中枢ルート閉塞をきたしていた。
結論
今回初めて腸管不全の全国追跡調査が行われた。しかしながら追跡調査期間が短いため統計的な結果を出すまでには至っていない。腸管不全の患者登録、並びに小腸移植患者の登録の解析を行うため、統計的な有意差が出るまで追跡調査を行う必要がある。
公開日・更新日
公開日
2015-06-01
更新日
-