成人T細胞性白血病/リンパ腫(ATLL)に対するNY-ESO-1+AS15ASCIのモガムリズマブ併用での安全性と有効性探索のための医師主導治験(第I/II相)

文献情報

文献番号
201438128A
報告書区分
総括
研究課題名
成人T細胞性白血病/リンパ腫(ATLL)に対するNY-ESO-1+AS15ASCIのモガムリズマブ併用での安全性と有効性探索のための医師主導治験(第I/II相)
課題番号
-
研究年度
平成26(2014)年度
研究代表者(所属機関)
金倉 譲(大阪大学 大学院医学系研究科)
研究分担者(所属機関)
  • 坂口 志文(大阪大学 免疫学フロンティア研究センター)
  • 西川 博嘉(大阪大学 免疫学フロンティア研究センター)
  • 江副 幸子(大阪大学 医学部附属病院)
  • 石田 高司(名古屋市立大学 大学院医学研究科)
  • 宇都宮 與(公益財団法人慈愛会 今村病院分院)
  • 石塚 賢治(福岡大学 医学部)
  • 塚崎 邦弘(独立行政法人国立がん研究センター東病院)
  • 織谷 健司(大阪大学 大学院医学系研究科)
  • 前田 哲生(大阪大学 大学院医学系研究科)
  • 佐藤 永一(東京医科大学 医学総合研究所)
  • 和田 尚(大阪大学 大学院医学系研究科)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 【委託費】 革新的がん医療実用化研究
研究開始年度
平成26(2014)年度
研究終了予定年度
平成26(2014)年度
研究費
153,840,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
本研究では、ATL患者を対象に、がん・精巣抗原NY-ESO-1に対するワクチン製剤とモガムリズマブとの併用療法の安全性と有効性を検証し、世界初のがんワクチン・制御性T細胞除去併用がん免疫治療法の開発を目指すものである。モガムリズマブ適応の患者を対象に、第Ⅰ相部分では、NY-ESO-1とモガムリズマブとの併用での安全性と用量適切性の確認を行い、第Ⅱ相部分においては、モガムリズマブ単独群と併用群での臨床効果の比較試験を行う。
研究方法
本研究において、以下の医師主導治験を実施する。
医師主導治験の目的:化学療法に対して難治性である再発成人T細胞性白血病・リンパ腫(ATLL)に対するrecNY-ESO-1 + AS15 ASCIのモガムリズマブ併用での安全性と有効性を探索する。
治療方法:
(第Ⅰ相)recNY-ESO-1+AS15 ASCIとモガムリズマブの併用のみ3例
    最初の3例は1例毎に治療開始から4週までの安全性が確認されるまでは次の症例以後の登録を行わない。さらに、全ての被験者のモガムリズマブの投与が終了した後、効果安全性評価委員会を開催し、次相に移行する。
(第Ⅱ相) モガムリズマブ単独群5例、recNY-ESO-1+AS15 ASCIとモガムリズマブ併用15例(
   第Ⅰ相の3例も含む)との比較試験
モガムリズマブ投与開始と同日にrecNY-ESO-1+AS15 ASCIの投与を開始する。
結果と考察
2014年8月に採択後、CROの剪定を行い、事務局業務、統計解析、データマネジメント、モニタリング業務についてDOTインターナショナル株式会社に業務委託する事とした。同、12月に治験薬提供委託先であるGSKから連絡があり、ノバルティスファーマ株式会社との業務移管により、治験薬の提供が滞る旨の通知があった。このため本年度中に治験開始の予定であったが、開始することはできなかった。12月に第1回班会議を実施し、プロトコルについての意見が出たため、生物統計専門家に相談し、再度プロトコル委員会を開催した。プロトコルの改定をおこない、新規プロトコルについて再度PMDAとの相談を進めている。GSKからの治験薬提供の延期は突然の予期せぬ事態であったが、今後の提供について情報を収集し、早期に提供を受けることができるよう対処する。
結論
医師主導治験の実施に向けて、準備を進めた。一方、治験薬提供者と予定していた株式会社GSKとノバルティスファーマ株式会社との業務移管により治験薬の提供が延期となったため、予定通りに治験を開始することができなかった。現在情報収集中であるが、見通しは定かではない。
プロトコルについて検討し、新たに生物統計専門家に相談し、改変を進めている。

公開日・更新日

公開日
2015-09-15
更新日
-

研究報告書(PDF)

行政効果報告

文献番号
201438128C

成果

専門的・学術的観点からの成果
ATL細胞はCD3、CD4陽性、その多くがCD25および転写因子forkhead box P3 (FOXP3)を発現し、CD4+制御性T細胞の特徴と極めて類似しており、事実ATL患者では強い免疫抑制が認められる。ATL細胞に一部の制御性T細胞と同様にケモカインレセプター4(CCR4)が高発現していることが明らかになり、抗CCR4抗体による抗体療法が臨床応用されている。ATL患者のおけるATL細胞に対する免疫応答について文献的考察を行った。
臨床的観点からの成果
本研究における目的である医師主導治験の実施については、被験薬の提供者であるグラクソ・スミス・クライン株式会社とノバルティスファーマ株式会社との業務移管により、遅延することになった。一方、本年度の活動内容としては、治験事務局、データセンター、モニター、統計解析の担当とその CROを決定し、SOPの作成、治験分担施設との打ち合わせ等を行った。また、班会議/プロトコル委員会において治験実施計画書の見直しを行い、見直したプロトコルについてPMDAの事前相談を受けた。
ガイドライン等の開発
該当なし
その他行政的観点からの成果
該当なし
その他のインパクト
本治験、および平行して実施中の同様のコンセプトの臨床研究について産経新聞、読売新聞等に取り上げられた。本研究における免疫療法がガン治療の新しい可能性を切り開くものであることが紹介された。

発表件数

原著論文(和文)
0件
原著論文(英文等)
0件
その他論文(和文)
1件
その他論文(英文等)
0件
学会発表(国内学会)
1件
学会発表(国際学会等)
0件
その他成果(特許の出願)
0件
その他成果(特許の取得)
0件
その他成果(施策への反映)
0件
その他成果(普及・啓発活動)
0件

特許

主な原著論文20編(論文に厚生労働科学研究費の補助を受けたことが明記された論文に限る)

公開日・更新日

公開日
2015-09-15
更新日
2017-06-23

収支報告書

文献番号
201438128Z