常時測定・変動解析用カフなしウェアラブル血圧計の実用化を加速する臨床評価と無線遠隔システムへの応用

文献情報

文献番号
201434021A
報告書区分
総括
研究課題名
常時測定・変動解析用カフなしウェアラブル血圧計の実用化を加速する臨床評価と無線遠隔システムへの応用
課題番号
-
研究年度
平成26(2014)年度
研究代表者(所属機関)
杉町 勝(国立循環器病センター 研究所 先進医工学センター 循環動態機能部)
研究分担者(所属機関)
  • 河野 雄平(国立循環器病研究セン ター 生活習慣病部門 部門長)
  • 上村 和紀(国立循環器病研究セン ター 循環動態制御部 室長)
  • 長谷川 周平(国立循環器病研究セ ンター 知的資産部 専門職)
  • 青木 三喜男(セイコーエプソン株 式会社 技術開発本部コア技術開発 センター 課長)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 厚生科学基盤研究分野 【委託費】 医療機器開発推進研究
研究開始年度
平成26(2014)年度
研究終了予定年度
平成26(2014)年度
研究費
38,460,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
高血圧は種々の循環器疾患(特に心筋梗塞、心不全、脳梗塞)のリスク因子となり、結果として医療費増大に大きく影響する。最新の高血圧学会ガイドラインでも長い時間を過ごす家庭血圧を重視しており、健常者でも何時でも何処でも(在宅など)一日に何度でも正確な血圧測定ができる装置が求められている。また血圧変動の大きさや日内変動パターンが臓器障害に密接に関連することも知られ、血圧の連続監視から詳細なリスク分析が可能となる。本研究では、在宅での血圧管理を可能とする、非侵襲で血圧変動を連続監視可能なウェアラブル血圧計の商品仕様を確定し、臨床評価を通じて実用化を加速する。同時に市町村単位の多数機器の血圧情報を集約し個別指導とともに疫学解析を可能とする大規模遠隔診断システムの搭載を検討する。
研究方法
初年度は、開発済みのベッドサイド据置型装置と貼り付けセンサについて臨床評価に使用可能であることを担保するため、電気的安全性、超音波装置としての安全性が予め基準を満たすことを確認した。この安全性担保をもとに高血圧患者での初めての臨床評価のプロトコルを策定し、国立循環器病研究センターの倫理委員会での承認を得た。健常者についてのデータはセイコーエプソン社内での研究者自身のデータを取得していたので、軽症~中等症の高血圧患者20名を対象とした。血圧変化を正確に測定できることを実証する必要があるため、寒冷刺激、精神負荷(計算等)による血圧上昇時の測定を行った。介入に対し補償保険に加入した。上腕でオシロメトリック法により血圧測定を行い、両測定値の一致度を検定した。
結果と考察
1)開発したベッドサイド据置型装置と貼り付けセンサで臨床評価を行うために、電気的安全性、超音波装置としての安全性基準を満たすことを確認した。
2)高血圧患者20名での初めて臨床評価を行うために、プロトコルを策定し国立循環器病研究センターの倫理委員会での承認を得た。
3)寒冷刺激、精神負荷による血圧変化が精度よく測定できることのオシロメトリック自動血圧計での測定との比較対照、センサ貼り付け場所・方法の標準化、血管径の自動算出アルゴリズムの高精度化、動脈硬化の程度と精度の関係、臨床的背景因子と動脈高度との関係などについて解析により明らかにした。
4)商品の一次仕様、ターゲットユーザー層、申請医療機器分類案を考察した。
結論
高血圧によるリスク管理には長時間を過ごす自宅等の血圧が重要であるが、開発する装置では不快なカフ加圧なく医学的に必要な精度と頻度での血圧測定を可能とした。未受診者や未治療者の減少、高血圧の早期是正、疾病二次予防、血圧日内変動を用いた臓器障害リスク分析を実現する。

公開日・更新日

公開日
2015-06-12
更新日
-

研究報告書(PDF)

行政効果報告

文献番号
201434021C

収支報告書

文献番号
201434021Z