文献情報
文献番号
201432007A
報告書区分
総括
研究課題名
脂肪組織由来多系統前駆細胞を用いた抗炎症・肝線維溶解療法の開発
課題番号
-
研究年度
平成26(2014)年度
研究代表者(所属機関)
松山 晃文((独)医薬基盤研究所)
研究分担者(所属機関)
- 田中 紘一((医)神戸国際フロンティアメディカルセンター)
- 一瀬 晃洋(国立大学法人 神戸大学)
- 青井 貴之(国立大学法人 神戸大学)
- 大倉 華雪((独)医薬基盤研究所 )
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 厚生科学基盤研究分野 【委託費】 再生医療実用化研究
研究開始年度
平成26(2014)年度
研究終了予定年度
平成26(2014)年度
研究費
23,000,000円
研究者交替、所属機関変更
-
研究報告書(概要版)
研究目的
本研究の到達点は治験届package構築であり、その一環として脂肪組織由来多系統前駆細胞試験物概要書を提示することを目的とする。
研究方法
これまでに実施した有効性試験、非臨床安全性試験、ならびに品質にかかるpartを統合し、試験物概要書とする。皮下脂肪組織の採取にかかる課題は神戸大学の一瀬晃洋、安全性partのうちリンパ球混合試験は同青井貴之、有効性の指標検証は田中紘一、有効性ならびに試験物概要書の作成、とりまとめは松山晃文が行う。
(倫理面への配慮)
1.非臨床試験(研究)において遺伝子改変動物、プラスミドDNA あるいは遺伝子導入ウイルス等を用いる場合は、使用に際して遺伝子組み換え生物などの使用等の規制による生物多様性の確保に関する法律、カルタヘナ条約等各種法令・告示・通知に基づき研究を実施する。
2.動物操作に当たっては、(独)医薬基盤研究所の動物実験規定に従って行なう。
3.臨床試研究の実施にあっては、計画書(プロトコール)に関して医学倫理委員会での承認を受け、本人の書面によるinformed consent を取得した患者のみを対象とする。
(倫理面への配慮)
1.非臨床試験(研究)において遺伝子改変動物、プラスミドDNA あるいは遺伝子導入ウイルス等を用いる場合は、使用に際して遺伝子組み換え生物などの使用等の規制による生物多様性の確保に関する法律、カルタヘナ条約等各種法令・告示・通知に基づき研究を実施する。
2.動物操作に当たっては、(独)医薬基盤研究所の動物実験規定に従って行なう。
3.臨床試研究の実施にあっては、計画書(プロトコール)に関して医学倫理委員会での承認を受け、本人の書面によるinformed consent を取得した患者のみを対象とする。
結果と考察
脂肪組織由来多系統前駆細胞のmode-of Actionが、抗炎症サイトカイン、線維溶解酵素、肝細胞指向成長因子の分泌による、肝硬変症での炎症抑制、沈着コラーゲンの分解、ならびに傷害肝細胞の修復増殖であることを明らかとした。安全性の観点から、免疫拒絶に関する議論を行い、リンパ球混合試験を実施した。血管内皮細胞等と比べると低いものの、チミジン取り込みは陽性であった。しかしながら、チミジン取り込みを惹起する要因として、死細胞の混入がその原因であったことが突き止められ、生細胞の安全性に関しては大きな問題はないことが判明した。出荷判定規格として、生存率が重要な設定規格となることが示唆された。脂肪採取に関しては、生物由来原料基準適合性に合致する説明同意文書の作成と、ウインドウピリオドの設定がなされ、使用する原料、材料および原材料に関して生物由来原料基準適合性を、薬事戦略相談対面助言(戦確P30)にて独立行政法人医薬品医療機器総合機構再生医療等製品審査部の確認を得た。平成26年度においては、試験物概要書(第1版)の策定は終了、CTD packageに準じた治験届の策定を進めている。これらを踏まえ、平成28年度には治験届の提出に進む予定である。しかしながら、治験届の記載にあたり特に治験実施計画書の策定、治験受け入れ審査に向けた受け入れ態勢の確認を含め、治験実施病院との調整が必要となる。しかしながら、治験実地予定病院は平成26年11月に開院したばかりであり、治験審査委員会など治験を受けいれる体制がなかった。そこで、平成26年度において、治験審査委員会を外部に委託するcentral lIRB systemを活用することとし、それに伴う最低限の治験実施規程、手順書の策定を行った。
これまで再生医療等製品の開発が進んでいなかった要因として、本研究報告にあるような概要書などの書式が提示されておらず、またHPなどでも入手できなかったことにある。本研究事業は、公的研究費により行われたものであり、ひとつの事業としてのoutputの未ならず、再生医療全体へのインパクトを与えるというoutcomeをもつ。本様式は常に使用できるわけではないが、これを参考に、わが国の再生医療の裾野が広がることが期待される。
これまで再生医療等製品の開発が進んでいなかった要因として、本研究報告にあるような概要書などの書式が提示されておらず、またHPなどでも入手できなかったことにある。本研究事業は、公的研究費により行われたものであり、ひとつの事業としてのoutputの未ならず、再生医療全体へのインパクトを与えるというoutcomeをもつ。本様式は常に使用できるわけではないが、これを参考に、わが国の再生医療の裾野が広がることが期待される。
結論
肝硬変を対象疾患とし、経静脈的投与脂肪組織由来多系統前駆細胞を細胞医薬品として開発するため研究開発を実施した。本研究の到達点は治験届package構築であり、これまでに実施した有効性試験、非臨床安全性試験、ならびに品質にかかるpartを統合し、試験物概要書として脂肪組織由来多系統前駆細胞試験物概要書を提示した。本研究成果として提示することで、今後多くの再生医療等製品が開発され、多くの国民を救うと信じている。
公開日・更新日
公開日
2015-06-01
更新日
-