文献情報
文献番号
201430002A
報告書区分
総括
研究課題名
国際保健課題のモニタリング・フレームワークの実現可能性に関する研究
課題番号
-
研究年度
平成26(2014)年度
研究代表者(所属機関)
曽根 智史(国立保健医療科学院 )
研究分担者(所属機関)
- 岡本 悦司(国立保健医療科学院)
- 熊川 寿郎(国立保健医療科学院)
- 小林 健一(国立保健医療科学院)
- 福田 敬(国立保健医療科学院)
- 堀井 聡子(国立保健医療科学院)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 行政政策研究分野 【委託費】 地球規模保健課題推進研究(地球規模保健課題推進のための研究)
研究開始年度
平成26(2014)年度
研究終了予定年度
平成26(2014)年度
研究費
5,000,000円
研究者交替、所属機関変更
-
研究報告書(概要版)
研究目的
本研究では、日本の保健医療システムのモニタリング・フレームワーク(評価指標、測定方法、時期、評価者等)について体系的なレビューを行い、WHO および諸外国のそれらと比較することで、日本の強みを生かした、効果的な国際保健課題のモニタリング・フレームワークについて提言を行うことを目的としている。今年度は、WHO の保健システムの6 ブロックスを参考に、保健医療人材、保健医療行政、保健医療情報、保健医療財政、保健医療サービス供給、保健医療技術の5 領域に関し、主にわが国のモニタリング・フレームワークについてレビューし、わが国の独自性、強みを抽出することを目的とした。
研究方法
WHO の保健システムの6 ブロックス(保健医療人材、保健医療行政(ガバナンス)、保健医療情報、保健医療財政、保健医療サービス供給、保健医療技術)のうち、ガバナンスを除く5領域におけるわが国のモニタリング・フレームワークについて体系的にレビューした。
具体的には、関連領域の、各種行政資料、データ等の網羅的収集を行うとともに、それらの客観性、信頼性について吟味した。データの信頼性の吟味においては、各項目に精通する研究協力者による、レビュー結果の精読を行い、客観性と信頼性の向上を図った。
具体的には、関連領域の、各種行政資料、データ等の網羅的収集を行うとともに、それらの客観性、信頼性について吟味した。データの信頼性の吟味においては、各項目に精通する研究協力者による、レビュー結果の精読を行い、客観性と信頼性の向上を図った。
結果と考察
領域ごとのレビューの結果、①高齢化やユニバーサルヘルスカバレッジ(UHC)に対応可能なヘルスシステムのモニタリング・フレームワークの構築において、日本の経験が有用であること(保健医療財政、保健医療情報、保健医療サービス供給)、②同様に海外のモニタリング・フレームワークも適用可能であること(保健医療技術)、③一方、WHO 等のモニタリング・フレームワークを活用する際には、各国の保健医療制度のみならず、社会経済システムをも包括的に捉えることが必要であること(保健医療人材)の3 点が明らかになった。
結論
日本には、高齢化社会を支える保健医療福祉システムを構成する人材、情報、施設(サービス提供)に関する経験が蓄積されている。諸外国が、高齢化対策に適したヘルスシステムを構築するうえで、どのような視点で自国のヘルスシステムを評価し、変革のための戦略を策定すべきか分析するための枠組みを提示することが可能であると考えられる。ただし、モニタリング指標として活用するためのデータが、分野ごとに様々な組織・機関に分散しており、それらを包括的、統合的に活用する仕組みも重要であると考えられた。
公開日・更新日
公開日
2015-06-15
更新日
-