文献情報
文献番号
201430001A
報告書区分
総括
研究課題名
開発途上国における生活習慣病のモニタリング・フレームワークの実施可能性の検討
課題番号
-
研究年度
平成26(2014)年度
研究代表者(所属機関)
松下 由実(独立行政法人 国立国際医療研究センター 臨床研究支援部)
研究分担者(所属機関)
- 三好 知明(国立研究開発法人 国立国際医療研究センター 国際医療協力局)
- 明石 秀親(国立研究開発法人 国立国際医療研究センター 国際医療協力局)
- 梶尾 裕(国立研究開発法人 国立国際医療研究センター 糖尿病内分泌代謝科)
- 横山 徹爾(国立保健医療科学院 生涯健康研究部)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 行政政策研究分野 【委託費】 地球規模保健課題推進研究(地球規模保健課題推進のための研究)
研究開始年度
平成26(2014)年度
研究終了予定年度
平成26(2014)年度
研究費
3,800,000円
研究者交替、所属機関変更
-
研究報告書(概要版)
研究目的
WHO の提案するモニタリング・フレームワークをアジアの開発途上国であるベトナムへ導入する方法を検討し、実施を試み、その実施可能性について分析・検討することを目的とする。医療経済学的観点からも検証し、WHO 西太平洋事務局と協力しながら地域行動計画の全国レベルの普及とネットワーク構築についても検討を行う。
研究方法
1.研究実施体制の整備
国内・国外で、生活習慣病や疫学・統計の専門家、国際医療協力の専門家と協力して今回の臨床研究計画を立案した。国内およびベトナムの施設で倫理審査にかけた。
2.既存データの解析
我々は、2009年~2010年にベトナムのハノイ(都市部)とタイビン(田舎)の2地域で、成人約4,000名に対して健康・栄養調査を実施した。血糖・血圧・脂質などの血液データに加え、既往歴、生活習慣(食事・身体活動など)の詳細なデータを収集した。調査票としては、WHOのSTEPSを用いた。そのデータを用い、WHOの提案するモニタリング方法の実施可能性を、費用・マンパワーの面からも検討を行った。
3.生活習慣病のモニタリング・フレームワークの作成
上記のデータ解析結果を基に、現地の事情に合わせた費用対効果の高い生活習慣病のモニタリング方法を作成した。日本で循環器健診と疫学調査が一体化して行われてきたように、生活習慣病のモニタリングの場として健診を使うことを考えているが、開発途上国には日本のような集団健診システムがないため、健診のシステム作りと一体化して行う。
4.調査スタッフの教育
モニタリング調査スタッフの研修および教育マニュアルを作成した。それに基づき、ベトナムの調査スタッフの研修・教育を行った。
IDFのメタボリックシンドロームの診断基準(下記)のうち、2つ以上を持つ人をメタボリックシンドロームの重積ありと定義した。
①Triglyceride ≧150mg<dL
②HDL-cholesterol <40 mg/dL for men <50 mg/dL for women
③Systolic blood pressure ≧ 130 mmHg and/ or
Diastolic blood pressure ≧ 85 mmHg
④Impaired fasting glucose ≧100 mg<dL
高脂血症、高血圧、糖尿病の薬を飲んでいる人は、血液データに関係なく、そのリスクありとした。
性別に、ウエスト周囲長の最適なカットオフをROC曲線を用いて求めた。
国内・国外で、生活習慣病や疫学・統計の専門家、国際医療協力の専門家と協力して今回の臨床研究計画を立案した。国内およびベトナムの施設で倫理審査にかけた。
2.既存データの解析
我々は、2009年~2010年にベトナムのハノイ(都市部)とタイビン(田舎)の2地域で、成人約4,000名に対して健康・栄養調査を実施した。血糖・血圧・脂質などの血液データに加え、既往歴、生活習慣(食事・身体活動など)の詳細なデータを収集した。調査票としては、WHOのSTEPSを用いた。そのデータを用い、WHOの提案するモニタリング方法の実施可能性を、費用・マンパワーの面からも検討を行った。
3.生活習慣病のモニタリング・フレームワークの作成
上記のデータ解析結果を基に、現地の事情に合わせた費用対効果の高い生活習慣病のモニタリング方法を作成した。日本で循環器健診と疫学調査が一体化して行われてきたように、生活習慣病のモニタリングの場として健診を使うことを考えているが、開発途上国には日本のような集団健診システムがないため、健診のシステム作りと一体化して行う。
4.調査スタッフの教育
モニタリング調査スタッフの研修および教育マニュアルを作成した。それに基づき、ベトナムの調査スタッフの研修・教育を行った。
IDFのメタボリックシンドロームの診断基準(下記)のうち、2つ以上を持つ人をメタボリックシンドロームの重積ありと定義した。
①Triglyceride ≧150mg<dL
②HDL-cholesterol <40 mg/dL for men <50 mg/dL for women
③Systolic blood pressure ≧ 130 mmHg and/ or
Diastolic blood pressure ≧ 85 mmHg
④Impaired fasting glucose ≧100 mg<dL
高脂血症、高血圧、糖尿病の薬を飲んでいる人は、血液データに関係なく、そのリスクありとした。
性別に、ウエスト周囲長の最適なカットオフをROC曲線を用いて求めた。
結果と考察
同じウエスト周囲長でも、人種によりメタボリックシンドロームのリスクが変わることが明らかになった。特にベトナム人は世界でもBMIが低い人種であるが、ウエスト周囲長が大きくなるとメタボリックシンドロームのリスクは、より高まることが明らかになった。
ベトナム人は、より体重コントロールがメタボリックシンドロームの予防には必要である。
肥満のない人にも高血圧や高中性脂肪がみられるので、肥満のない人に対してもモニタリングが必要である。
ベトナム人は、より体重コントロールがメタボリックシンドロームの予防には必要である。
肥満のない人にも高血圧や高中性脂肪がみられるので、肥満のない人に対してもモニタリングが必要である。
結論
ベトナム人は、より体重コントロールがメタボリックシンドロームの予防には必要である。
肥満のない人にも高血圧や高中性脂肪がみられるので、肥満のない人に対してもリスク・病態評価を行い、それらに応じたモニタリング方法の確立が必要である。
肥満のない人にも高血圧や高中性脂肪がみられるので、肥満のない人に対してもリスク・病態評価を行い、それらに応じたモニタリング方法の確立が必要である。
公開日・更新日
公開日
2015-06-01
更新日
-