文献情報
文献番号
201424016A
報告書区分
総括
研究課題名
医療の質評価・公表等事業のデータを利用した医療の質向上に資する教育研修プログラムの開発に関する研究
課題番号
H26-医療-一般-010
研究年度
平成26(2014)年度
研究代表者(所属機関)
西澤 寛俊(公益社団法人全日本病院協会)
研究分担者(所属機関)
- 飯田 修平(公益社団法人全日本病院協会)
- 永井 庸次(株式会社日立製作所 ひたちなか総合病院)
- 長谷川友紀(東邦大学 医学部)
- 小谷野圭子(公益財団法人 練馬総合病院)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 健康安全確保総合研究分野 【補助金】 地域医療基盤開発推進研究
研究開始年度
平成26(2014)年度
研究終了予定年度
平成26(2014)年度
研究費
2,700,000円
研究者交替、所属機関変更
-
研究報告書(概要版)
研究目的
全日病は、2002年より主要24疾患と転倒・院内感染症・抑制の病院全体の3指標を、病院の自発的参加の下でデータ収集・分析し、参加病院に還元する質評価事業を運営してきた。
現在は、(a)DPCデータ分析事業(Medi-Target)(b)前記に臨床データを加えた医療の質評価・公表事業の2つの質評価事業を運営している。
これらの知見は、ア)参加病院は医療の質管理を組織的な課題と認識し、イ)病院名を特定できる形でのデータ公開は抵抗がなく、ウ)データから問題点を抽出し、医療の質向上に資する院内体制整備、担当職員の養成が困難であること、である。
本研究では、ウ)に着目し、教育研修プログラムの開発と効果を検証した。また、前記(b)事業参加病院を対象に、実データを用いて質向上を可能にする院内体制構築、改善計画の策定・実施・効果を検証して、信頼性・実用可能性の高い教育研修プログラムの確立を図り、医療の質向上をもたらすための現場への結果の還元方法の開発、病院が質向上を実践するための手法、院内体制構築などの教育研修プログラムの開発、各病院の取組事例の取得を目的とした。
現在は、(a)DPCデータ分析事業(Medi-Target)(b)前記に臨床データを加えた医療の質評価・公表事業の2つの質評価事業を運営している。
これらの知見は、ア)参加病院は医療の質管理を組織的な課題と認識し、イ)病院名を特定できる形でのデータ公開は抵抗がなく、ウ)データから問題点を抽出し、医療の質向上に資する院内体制整備、担当職員の養成が困難であること、である。
本研究では、ウ)に着目し、教育研修プログラムの開発と効果を検証した。また、前記(b)事業参加病院を対象に、実データを用いて質向上を可能にする院内体制構築、改善計画の策定・実施・効果を検証して、信頼性・実用可能性の高い教育研修プログラムの確立を図り、医療の質向上をもたらすための現場への結果の還元方法の開発、病院が質向上を実践するための手法、院内体制構築などの教育研修プログラムの開発、各病院の取組事例の取得を目的とした。
研究方法
全日病の前記事業を基にする。すでに本事業に参加している病院を対象に、データ分析の方法、現場との協力などについて教育研修を行い、改善計画の策定・評価、教育研修プログラムの開発を行う。
(1)質評価事業システムの改編
(2)教育研修の実施
(3)改善計画の提出・評価
(4)改善の検証
(5)教育研修プログラムの開発と公開
(1)質評価事業システムの改編
(2)教育研修の実施
(3)改善計画の提出・評価
(4)改善の検証
(5)教育研修プログラムの開発と公開
結果と考察
(1)質評価事業システムの改編
全日本病院協会 医療の質の評価公表等推進事業で公表している以下の指標に対して、経年変化を確認するレポートを作成した。
(2)教育研修の実施
1)第1回「医療の質の評価・公表等推進事業」-データ・マネジメント-研修会の実施
全日本病院協会 医療の質の評価公表等推進事業参加病院を対象に平成26年9月4日(木)に実施した。
2)第2回「医療の質の評価・公表等推進事業」-データ・マネジメント-研修会の実施
全日本病院協会 医療の質の評価公表等推進事業参加病院等を対象に平成27年1月9日(金)に実施した。
(3)改善計画の提出・評価
全日本病院協会 医療の質の評価公表等推進事業において、事業参加42病院を対象に2回にわたり「参加病院における医療の質向上、臨床指標の評価・公表等による効果等についてのアンケート」を実施した。
(4)改善の検証
全日病 医療の質評価公表等推進事業の報告会を平成27年3月20日(金)に全日本病院協会会議室にて実施し、参加病院の担当者等に対して、同日時点までのデータ公開状況、各病院の改善事例等について6病院より報告を行った。
(5)教育研修プログラムの開発と公開
「医療の質の評価・公表等推進事業」-データ・マネジメント-研修会の研修プログラムを作成し、2回の研修会を開催した。また、研修会と事業報告会を通じ、13例の改善事例を得た。
全日本病院協会 医療の質の評価公表等推進事業で公表している以下の指標に対して、経年変化を確認するレポートを作成した。
(2)教育研修の実施
1)第1回「医療の質の評価・公表等推進事業」-データ・マネジメント-研修会の実施
全日本病院協会 医療の質の評価公表等推進事業参加病院を対象に平成26年9月4日(木)に実施した。
2)第2回「医療の質の評価・公表等推進事業」-データ・マネジメント-研修会の実施
全日本病院協会 医療の質の評価公表等推進事業参加病院等を対象に平成27年1月9日(金)に実施した。
(3)改善計画の提出・評価
全日本病院協会 医療の質の評価公表等推進事業において、事業参加42病院を対象に2回にわたり「参加病院における医療の質向上、臨床指標の評価・公表等による効果等についてのアンケート」を実施した。
(4)改善の検証
全日病 医療の質評価公表等推進事業の報告会を平成27年3月20日(金)に全日本病院協会会議室にて実施し、参加病院の担当者等に対して、同日時点までのデータ公開状況、各病院の改善事例等について6病院より報告を行った。
(5)教育研修プログラムの開発と公開
「医療の質の評価・公表等推進事業」-データ・マネジメント-研修会の研修プログラムを作成し、2回の研修会を開催した。また、研修会と事業報告会を通じ、13例の改善事例を得た。
結論
全日病が実施する、医療の質の評価公表等推進事業では、多様な指標を公開しており、自院の経時的推移を把握することができる。しかし、運営主体、地域、病院の種別、規模等々が多様であり、単純な比較は意味をなさない。
本事業の多くの指標を参加各病院が十分に活用できているとはいえない。その理由をアンケートの結果から見ると、臨床指標を質向上に用いる上の課題は、分析結果を臨床現場に還元する体制の未整備、専従・専任担当者不在、適切な指標を選択できない、リーダ不在であった。
医療の質評価・公表等事業のデータを利用した医療の質向上に資する教育研修プログラムを開発し、研修を実施した。
データ・マネジメントの意義、データ・マネジャーの役割、データウェアハウス構築、データ・マネジメントの基礎、体制構築、データ分析事例報告(分析の具体的方法)からなる研修プログラムである。
研修後、自院で体制整備し、改善した6病院の事例報告を、年度末(3月20日)に開催した。医療の質評価公表等推進事業参加病院のデータ・マネジメントの状況は、運営主体、地域、病院の種別、規模には関係なく、個別の病院の状況によるものであるが、情報基盤、担当者のデータ・マネジメント能力と経営層のデータ活用能力によることが推察された。
研修会プログラムでは、講義に情報基盤(データウェアハウス)、担当者のデータ・マネジメント能力と経営層のデータ活用能力の内容があり、理解度は良かった。しかし、実務で活用できることとは別次元であり、活用できるようにする研修プログラムの開発と実施が今後の課題である。
本事業の多くの指標を参加各病院が十分に活用できているとはいえない。その理由をアンケートの結果から見ると、臨床指標を質向上に用いる上の課題は、分析結果を臨床現場に還元する体制の未整備、専従・専任担当者不在、適切な指標を選択できない、リーダ不在であった。
医療の質評価・公表等事業のデータを利用した医療の質向上に資する教育研修プログラムを開発し、研修を実施した。
データ・マネジメントの意義、データ・マネジャーの役割、データウェアハウス構築、データ・マネジメントの基礎、体制構築、データ分析事例報告(分析の具体的方法)からなる研修プログラムである。
研修後、自院で体制整備し、改善した6病院の事例報告を、年度末(3月20日)に開催した。医療の質評価公表等推進事業参加病院のデータ・マネジメントの状況は、運営主体、地域、病院の種別、規模には関係なく、個別の病院の状況によるものであるが、情報基盤、担当者のデータ・マネジメント能力と経営層のデータ活用能力によることが推察された。
研修会プログラムでは、講義に情報基盤(データウェアハウス)、担当者のデータ・マネジメント能力と経営層のデータ活用能力の内容があり、理解度は良かった。しかし、実務で活用できることとは別次元であり、活用できるようにする研修プログラムの開発と実施が今後の課題である。
公開日・更新日
公開日
2015-06-29
更新日
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