医療事故・有害事象の把握手法に関する研究

文献情報

文献番号
201424004A
報告書区分
総括
研究課題名
医療事故・有害事象の把握手法に関する研究
課題番号
H25-医療-一般-003
研究年度
平成26(2014)年度
研究代表者(所属機関)
長谷川 友紀(東邦大学 医学部医学科社会医学講座)
研究分担者(所属機関)
  • 飯田 修平(全日本病院協会)
  • 西澤 寛俊(全日本病院協会)
  • 北澤 健文(東邦大学 医学部医学科社会医学講座)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 健康安全確保総合研究分野 【補助金】 地域医療基盤開発推進研究
研究開始年度
平成25(2013)年度
研究終了予定年度
平成26(2014)年度
研究費
3,727,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
 医療安全活動の効果判定では、様態別発生頻度を客観的な数値(solid data)により明らかにする必要がある。近年は医療機能別に臨床指標をモジュールに分け、データセットとして評価する試みが、米国AHRQ(Agency for Healthcare and Quality)等を中心に行われており、患者安全領域の指標群はPSI(Patient Safety Indicator)として示されている。PSIは潜在的に予防可能な合併症に着目し、退院患者情報から算出される。メディケア診療報酬改革でも利用されることが決まっている。申請者らはこれまでに、AHRQの技術仕様に基づきDPC/PDPSデータに適した算出条件を設けることで、DPC/PDPSデータから施設レベルのPSI20指標の算出が可能であることを明らかにしている。 
 本研究では、米国オバマ大統領が主導する医療制度改革、メディケア診療報酬改革の概要の他、EHRの「意義ある利用(Meaningful Use:MU)」等の最新の動向を明らかにした他、周術期ケアに関連するPSIを算出し、医療安全対策加算算定状況との関連を明らかにした。
研究方法
 米国医療制度改革、ACO(Accountable Care Organization)、EHR(Electronic Health Record)の「意義ある利用(Meaningful Use:MU)」等の最新の動向を明らかにするため、文献調査、関係者へのインタビュー等を行った。
 DPC/PDPSデータ分析には公益社団法人全日本病院協会のDPC/PDPSデータ分析事業であるMedi-Target事業のデータベースから得た2009年1月から2011年12月に退院した患者の連結不可能匿名化されたデータを用いた。
結果と考察
 米国医療制度改革において、削減費用を原資としたインセンティブの付与、ケアの質と費用削減を計測するための指標の確立と基準値の公開、これらデータを収集するためのIT技術の導入等、インフラ整備がすすみ、一定の成果が得られていることが明らかになった。
 DPC/PDPSデータから算出した周術期ケアに関連するPSIと医療安全対策加算算定状況との関連をみたところ、PSI#9(術後の出血、血腫発生率)は、2010年において算定群で有意に高値であった。PSI#4(術後の治療可能な重症合併症による死亡率)、PSI#13(術後の敗血症)ではいずれの年も有意な差はみられなかった。
結論
 米国医療制度改革においても医療安全は重要な課題であり、ACOの評価においてもPSIなどの臨床指標が活用されている。我が国においてもDPC/PDPSデータベースやレセプト情報・特定健診等情報データベースをはじめとするビックデータを分析し、その結果を医療の質向上に活用しようとする動きが本格化すると考えられる。本研究を通じて得たDPC/PDPSデータを用いたPSIの算出アルゴリズムをはじめとする分析手法は、ビックデータの分析や結果の活用をすすめる際に貢献できると考えられる。

公開日・更新日

公開日
2015-05-25
更新日
-

文献情報

文献番号
201424004B
報告書区分
総合
研究課題名
医療事故・有害事象の把握手法に関する研究
課題番号
H25-医療-一般-003
研究年度
平成26(2014)年度
研究代表者(所属機関)
長谷川 友紀(東邦大学 医学部医学科社会医学講座)
研究分担者(所属機関)
  • 飯田 修平(全日本病院協会)
  • 西澤 寛俊(全日本病院協会)
  • 北澤 健文(東邦大学 医学部医学科社会医学講座)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 健康安全確保総合研究分野 【補助金】 地域医療基盤開発推進研究
研究開始年度
平成25(2013)年度
研究終了予定年度
平成26(2014)年度
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
 医療の質と安全の確保は先進各国において重要な政策課題である。有害事象の様態別発生頻度を客観的な数値により明らかにするために、電子化された診療録情報や診療報酬請求情報の活用が注目されている。
 本研究では、まず米国オバマ大統領が主導する医療制度改革の概要の他、EHR(Electronic Health Record)の「意義ある利用(Meaningful Use:MU)」等の最新の動向を明らかにした。
 また、DPC/PDPSデータから周術期ケアに関連する患者安全指標(Patient Safety Indicators:PSI)を算出し、手術件数との関連、施設特性との関連等を明らかにした。
研究方法
 米国医療制度改革、ACO(Accountable Care Organization)、EHRのMUなどに関して文献調査、関係者へのインタビュー等を行った。また、DPC/PDPSデータ分析には公益社団法人全日本病院協会のDPC/PDPSデータ分析事業であるMedi-Target事業のデータベースから得た、2009年1月から2011年12月に退院した患者の連結不可能匿名化されたデータを用いた。PSIの算出には先行研究において開発した算出ロジックを用いた。
結果と考察
 米国では、プライマリケアを中心とした医療提供者グループと5,000人以上の患者グループ間の契約による組織であるACOによる支払いとサービス提供における改革の進展と、それらを支援する医療ITによる成果がみられていることが明らかとなった。
 DPC/PDPSデータ分析の結果、周術期ケアに関連するPSIのうち、PSI#4(術後の治療可能な重症合併症による死亡率)では、月当たり手術件数との間に有意な負の相関、PSI#9(術後の出血、血腫発生率)、PSI#13(術後の敗血症発生率)と月当たり手術件数との間には、有意な正の相関がそれぞれみられた。また、医療安全対策加算算定状況と周術期ケアに関連するPSIの関連をみたところ、PSI#9は、2010年において算定群で有意に高値であった。PSI#4、PSI#13ではいずれの年も有意な差はみられなかった。
結論
 米国医療制度改革において、削減費用を原資としたインセンティブの付与、ケアの質と費用削減を計測するための指標の確立と基準値の公開、これらデータを収集するためのIT技術の導入等、インフラ整備がすすみ、一定の成果が得られていると考えられた。
 今後、我が国においてDPC/PDPSデータベースやレセプト情報・特定健診等情報データベースをはじめとするビックデータを分析し、その結果を医療の質向上に活用しようとする動きが本格化すると考えられる。本研究を通じて得たDPC/PDPSデータを用いたPSIの算出アルゴリズムをはじめとする分析手法は、そうしたデータの分析や結果の活用をすすめる際に貢献できると考えられる。

公開日・更新日

公開日
2015-05-25
更新日
-

研究報告書(PDF)

公開日・更新日

公開日
2015-06-09
更新日
-

行政効果報告

文献番号
201424004C

成果

専門的・学術的観点からの成果
米国医療制度改革においては、削減費用を原資としたインセンティブの付与等において、一定の成果が得られていることが明らかになった。DPC/PDPSデータから算出した周術期ケアに関連する患者安全指標(Patient Safety Indicators:PSI)と手術件数の関連、施設特性との関連等が明らかになった。
臨床的観点からの成果
医療安全対策加算1あるいは2の算定と周術期ケアに関連する患者安全指標との関連を明らかにした。医療安全対策加算算定の施設基準に関連する院内の医療安全活動の実施が、術後合併症の診断技術向上や、DPC/PDPSデータへの入院後発症疾患の登録などをすすめるひとつの要因となっている可能性が考えられた。
ガイドライン等の開発
これまでに開発した米国Agency for Healthcare Research and Quality(AHRQ)のPSI算出に関する技術仕様書を基盤として、DPC/PDPSデータからPSIを算出するためのアルゴリズムを精緻化した。
その他行政的観点からの成果
今後、我が国においてDPC/PDPSデータベースやレセプト情報・特定健診等情報データベースをはじめとするビックデータを分析し、その結果を医療の質向上に活用しようとする動きが本格化すると考えられる。本研究を通じて得たDPC/PDPSデータを用いたPSIの算出アルゴリズムをはじめとする分析手法は、そうしたビックデータの分析や結果の活用をすすめる際に貢献できると考えられる。
その他のインパクト
本研究を通じて得たDPC/PDPSデータを用いたPSIの算出アルゴリズムをはじめとする分析手法は、国内各医療機関において活用可能で逢えると考えられる。

発表件数

原著論文(和文)
0件
原著論文(英文等)
1件
その他論文(和文)
0件
その他論文(英文等)
0件
学会発表(国内学会)
1件
学会発表(国際学会等)
1件
その他成果(特許の出願)
0件
その他成果(特許の取得)
0件
その他成果(施策への反映)
0件
その他成果(普及・啓発活動)
0件

特許

主な原著論文20編(論文に厚生労働科学研究費の補助を受けたことが明記された論文に限る)

公開日・更新日

公開日
2015-05-25
更新日
2019-06-10

収支報告書

文献番号
201424004Z
報告年月日

収入

(1)補助金交付額
3,727,000円
(2)補助金確定額
3,727,000円
差引額 [(1)-(2)]
0円

支出

研究費 (内訳) 直接研究費 物品費 1,148,139円
人件費・謝金 1,356,600円
旅費 960,480円
その他 261,781円
間接経費 0円
合計 3,727,000円

備考

備考
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公開日・更新日

公開日
2015-05-25
更新日
-