文献情報
文献番号
201421015A
報告書区分
総括
研究課題名
HIV感染者の長期予後を規定するエイズリンパ腫の全国規模多施設共同臨床試験の展開と包括的医療体制の確立
課題番号
H25-エイズ-一般-002
研究年度
平成26(2014)年度
研究代表者(所属機関)
岡田 誠治(熊本大学 エイズ学研究センター)
研究分担者(所属機関)
- 渡邉 俊樹(東京大学大学院新領域創成科学研究科メディカルゲノム専攻 )
- 味澤 篤(東京都立豊島病院)
- 永井 宏和(国立病院機構名古屋医療センター・臨床研究センター・血液腫瘍研究部)
- 藤原 成悦(国立成育医療研究センター研究所・母児感染研究部)
- 片野 晴隆(国立感染症研究所・感染病理部)
- 萩原 將太郎(国立国際医療研究センター血液内科)
- 上平 朝子(国立病院機構大阪医療センター感染症内科)
- 矢永 由里子(慶応義塾大学医学部感染制御センター )
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 【補助金】 エイズ対策研究
研究開始年度
平成25(2013)年度
研究終了予定年度
平成27(2015)年度
研究費
12,675,000円
研究者交替、所属機関変更
-
研究報告書(概要版)
研究目的
ART導入後エイズが慢性疾患化した現在、HIV-1感染者の10%がエイズ関連悪性リンパ腫で命を落としている。エイズリンパ腫は難治性・再発性であり、標準的な治療法は確立していない。エイズリンパ腫の日本人に最適化した治療戦略の開発は、厚生労働行政上急務である。本研究では、先駆的な業績を有する悪性リンパ腫治療専門医、エイズ治療専門医、病理医、基礎研究者等が、有機的に研究・治療・支援ネットワークを構築し、日本人に最適化された難治性エイズ関連悪性リンパ腫の包括的医療体制を構築する。
研究方法
柱1 日本人エイズリンパ腫治療最適化に関する研究
エイズ関連悪性リンパ腫の日本人に最適化された標準的治療法の確立を目指し、初発エイズリンパ腫及び再発例・治療抵抗例に対する全国規模多施設共同臨床試験を行う。「エイズ関連非ホジキンリンパ腫治療の手引き」によるエイズリンパ腫の治療法と認識の普及に務める。また、エイズリンパ腫の治療における患者ケアと援助システムを構築する。
柱2 エイズリンパ腫の診断と病因の探索
統一的な病理診断法を確立し、臨床像・治療効果との関連を検討する。コンサルテーションシステムにより、全国に散発するエイズリンパ腫の迅速診断体制を確立する。miRNA発現による新たな病型分類を行い、リンパ腫の発症機構の解明につなげる。エイズリンパ腫発症者の様々なバイオマーカーを解析し、リンパ腫発症の高リスクグループの同定を試みる。腫瘍ウィルスの制御によるエイズリンパ腫発症予防のマウスモデルを樹立し、病態解析と新規治療法の開発に供する。
エイズ関連悪性リンパ腫の日本人に最適化された標準的治療法の確立を目指し、初発エイズリンパ腫及び再発例・治療抵抗例に対する全国規模多施設共同臨床試験を行う。「エイズ関連非ホジキンリンパ腫治療の手引き」によるエイズリンパ腫の治療法と認識の普及に務める。また、エイズリンパ腫の治療における患者ケアと援助システムを構築する。
柱2 エイズリンパ腫の診断と病因の探索
統一的な病理診断法を確立し、臨床像・治療効果との関連を検討する。コンサルテーションシステムにより、全国に散発するエイズリンパ腫の迅速診断体制を確立する。miRNA発現による新たな病型分類を行い、リンパ腫の発症機構の解明につなげる。エイズリンパ腫発症者の様々なバイオマーカーを解析し、リンパ腫発症の高リスクグループの同定を試みる。腫瘍ウィルスの制御によるエイズリンパ腫発症予防のマウスモデルを樹立し、病態解析と新規治療法の開発に供する。
結果と考察
1)エイズリンパ腫多施設共同臨床試験:治療抵抗性リンパ腫の全国規模多施設共同臨床試験とバーキットリンパ腫の臨床試験を継続している。
2)病理診断:エイズリンパ腫診断のためのフロー チャートを作成し、本邦におけるエイズリンパ腫の病理学的特徴について解析し、英文論文として公表した。日本病理剖検輯報の解析から、本邦のHIV-1感染者の剖検例におけるリンパ腫の合併率が30%を超える事を示し、英文論文として公表した。エイズリンパ腫病理診断コンサルテーションを継続的に行っている。
5) 病因・病態解析:エイズリンパ腫の病型分類と治療標的探索に資するためにエイズリンパ腫組織のmiRNA解析を行った。エイズリンパ腫細胞では miR-200ファミリーはエピジェネティックな異常によって転写が抑制されていることが判明した。
6)エイズリンパ腫マウスモデル:ヒト化マウスにEBVを感染させることで、エイズリンパ腫発症モデルを樹立した。エイズリンパ腫マウスモデルを用いてNF-kB阻害剤や抗VEGF抗体の有効性を示した。
2)病理診断:エイズリンパ腫診断のためのフロー チャートを作成し、本邦におけるエイズリンパ腫の病理学的特徴について解析し、英文論文として公表した。日本病理剖検輯報の解析から、本邦のHIV-1感染者の剖検例におけるリンパ腫の合併率が30%を超える事を示し、英文論文として公表した。エイズリンパ腫病理診断コンサルテーションを継続的に行っている。
5) 病因・病態解析:エイズリンパ腫の病型分類と治療標的探索に資するためにエイズリンパ腫組織のmiRNA解析を行った。エイズリンパ腫細胞では miR-200ファミリーはエピジェネティックな異常によって転写が抑制されていることが判明した。
6)エイズリンパ腫マウスモデル:ヒト化マウスにEBVを感染させることで、エイズリンパ腫発症モデルを樹立した。エイズリンパ腫マウスモデルを用いてNF-kB阻害剤や抗VEGF抗体の有効性を示した。
結論
本邦におけるエイズリンパ腫の克服に向け、長期的視野に立って多面的な治療戦略を展開している
公開日・更新日
公開日
2015-06-09
更新日
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