迅速・網羅的病原体ゲノム解析法を基盤とした感染症対策ネットワーク構築に関する研究

文献情報

文献番号
201420037A
報告書区分
総括
研究課題名
迅速・網羅的病原体ゲノム解析法を基盤とした感染症対策ネットワーク構築に関する研究
課題番号
H25-新興-一般-015
研究年度
平成26(2014)年度
研究代表者(所属機関)
黒田 誠(国立感染症研究所 病原体ゲノム解析研究センター)
研究分担者(所属機関)
  • 木村 博一(国立感染症研究所 感染症疫学センター)
  • 小沢 邦寿(群馬県衛生環境研究所)
  • 調 恒明(山口県環境保健センター)
  • 佐多 徹太郎(富山県衛生研究所)
  • 齋藤 幸一(岩手県環境保健研究センター保健科学部)
  • 舘田 一博(東邦大学・医学部・微生物)
  • 片野 晴隆(国立感染症研究所 感染病理部)
  • 梁  明秀(横浜市立大学大学院医学研究科分子生体防御学)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 【補助金】 新型インフルエンザ等新興・再興感染症研究
研究開始年度
平成25(2013)年度
研究終了予定年度
平成27(2015)年度
研究費
260,700,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
感染症疑いのある不明疾患やバイオテロ、新興再興感染症などによるアウトブレイク対策のための迅速・網羅病原体解析法を基盤とした感染症対策ネットワークシステムの構築を行う。臨床検体からダイレクトに解読検査し、患者に生じている実像を把握することは早期解決への有効な手段と考えている。次世代シークエンサーによる“迅速性”と“包括性”を地研および基幹病院の検査・医療現場に提供し、上述した内容に関する相互連携を重点的に整備する。
研究方法
H25-26年度の成果:不明症例の原因究明において次世代型網羅的病原体検索法を技術基盤にし、地研・大学病院とネットワーク整備を遂行した。研究分担者(群馬県衛生環境研究所、富山県衛生研究所、東邦大学・医学部、山口県環境保健センター)にて次世代シークエンサーMiSeq が配備され、本検査法が現場でも有効に活用できるよう、各研究所のウイルス部・細菌部の担当者の技術研修を感染研・ゲノムセンターで執り行い、次世代型病原体検査による不明症例への対応が整った。
結果と考察
本技術研修において各地研で不明症例(下痢症、発熱発疹性疾患および呼吸器感染症)の検査を実地訓練として執り行った。
それぞれの成果を列挙する。
・食中毒不明成人症例からロタウイルスの検出と11分節の全ゲノム解析(簡易検査法では陰性)。
・ノロウイルス食中毒の複数の遺伝型特定とAichiウイルスとの混合感染の検出。
・国内分離ヒトパラインフルエンザウイルス4型の全ゲノム配列の特定と分子疫学解析。
・臨床検体から分離された風疹ワクチン株の特定。
・ヒトライノウイルスC(HRV-C)のレファレンス整備MCMC分子疫学解析
臨床検体の解析パイプライン MePIC2 を構築し、webサイトにて公開運用中である。
臨床所見と病原体を関連付けるための明確なデータベースを作成し、病原体検索法の基盤を作成した。時系列解析可能なアルゴリズムを駆使した分子疫学解析法の開発と、小麦胚芽無細胞系による蛋白抗原を用いた病原体検査診断法の抗原選択を行った。
結論
不明感染症に対しては、バイオテロや新興・再興感染症の発生を考え、迅速で適切な診断が早期検知と早期対応などの感染症対策にとって重要となる。感染症の迅速な検知を行う地衛研との連携を考慮し、その適切な分担方法を探り、検査診断ネットワークとしての活用を検討する。地方衛生研究所と当所専門部会(レファレンス委員会)との有機的な迅速・網羅的病原体解析ネットワークを基盤とするシステムを構築し、不明感染症を迅速に究明するわが国における感染症対策セーフティーネットとして、包括的に感染症対策に貢献する。

公開日・更新日

公開日
2015-05-18
更新日
-

研究報告書(PDF)

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公開日・更新日

公開日
2015-05-18
更新日
2015-06-05

収支報告書

文献番号
201420037Z