文献情報
文献番号
201415075A
報告書区分
総括
研究課題名
遺伝性不整脈疾患の診断基準・重症度分類・診療ガイドライン等の作成に関する研究
課題番号
H26-難治等(難)-一般-040
研究年度
平成26(2014)年度
研究代表者(所属機関)
堀江 稔(滋賀医科大学 医学部内科学講座(呼吸器・循環器))
研究分担者(所属機関)
- 清水 渉(日本医科大学内科学(循環器内科学)・循環器内科学(日本医科大学 内科学 循環器内科学) 国立循環器病研究センター・心臓血管内科)
- 青沼 和隆(筑波大学医学医療系 循環器内科・循環器内科学 (筑波大学医学医療系))
- 蒔田 直昌(長崎大学大学院 医歯薬学総合研究科分子生理学・分子遺伝学(長崎大学大学院医歯薬学総合研究科))
- 萩原 誠久(東京女子医科大学 循環器内科・循環器内科学(東京女子医科大学))
- 福田 恵一(慶応義塾大学 循環器内科・循環器内科学(慶応義塾大学))
- 吉永 正夫(国立病院機構鹿児島医療センター 小児科(国立病院機構鹿児島医療センター小児科))
- 堀米 仁志(国立大学法人筑波大学 医学医療系小児科小児循環器(筑波大学医学医療系学系棟))
- 住友 直方(埼玉医科大学 小児不整脈(埼玉医科大学国際医療センター))
- 森田 宏(岡山大学大学院 医歯薬学総合研究科 臨床・基礎不整脈(岡山大学大学院医歯薬学総合研究科先端循環器治療学講座))
- 牧山 武(京都大学大学院 医学研究科循環器内科学・循環器内科学(京都大学大学院 医学研究科循環器内科学))
- 渡部 裕(新潟大学医歯学総合病院、循環器内科・循環器内科学(新潟大学医歯学総合病院、循環器内科))
- 林 研至(金沢大学大学院 医薬保健研究域医学系・臓器機能制御学循環器内科学(金沢大学大学院医薬保健研究域医学系))
- 鎌倉 史郎(国立循環器病研究センター臨床検査部・循環器内科学(国立循環器病研究センター))
- 白石 公(国立循環器病研究センター 小児循環器部(国立循環器病研究センター小児循環器部))
- 宮本 恵宏(国立循環器病研究センター・予防健診部・予防医学,疫学情報部 循環器疫学(国立循環器病研究センター))
- 相庭 武司(国立循環器病研究センター・心臓血管内科、不整脈科・循環器内科学(国立循環器病研究センター))
- 中野 由紀子(広島大学医歯薬学総合研究科、循環器内科・循環器内科学(広島大学医歯薬学総合研究科、循環器内科))
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 【補助金】 難治性疾患等克服研究(難治性疾患克服研究)
研究開始年度
平成26(2014)年度
研究終了予定年度
平成26(2014)年度
研究費
19,231,000円
研究者交替、所属機関変更
-
研究報告書(概要版)
研究目的
遺伝性不整脈疾患は、致死性不整脈を発症し、健康で社会に貢献する比較的若い世代 で心臓突然死を起こす疾患で、それにより失われる文化経済的損害は多大であるため、 これを未然に予防、治療するストラテジーを構築する。
(6) 早期再分極症候群 (ERS)
(6) 早期再分極症候群 (ERS)
研究方法
主要な6疾患について、全国レベルの登録研究を展開し、遺伝子型、遺伝子変異、多型などの遺伝情報と臨床情報と の関連を詳細に検討し、診断基準・重症度分類・診療ガイドラインの確立や普及をめざす。
(1) 先天性 QT 延長症候群 (LQTS)
(2) Brugada 症候群 (特発性心室細動)
(3) 進行性心臓伝導障害 (PCCD)
(4) カテコラミン誘発性多形性心室頻拍 (CPVT)
(5) QT 短縮症候群 (SQTS)
(1) 先天性 QT 延長症候群 (LQTS)
(2) Brugada 症候群 (特発性心室細動)
(3) 進行性心臓伝導障害 (PCCD)
(4) カテコラミン誘発性多形性心室頻拍 (CPVT)
(5) QT 短縮症候群 (SQTS)
結果と考察
本研究班のメンバーが参加した、世界の3大ハートリズム学会の協賛による遺伝性不整脈の診断と治療に関するガイドラインが、完成し、3つの学会誌(日本では、Journal of Arrhythmia誌)に掲載された。また、日本循環器学会の監修するQT 延長症候群(先天性・二次性)と Brugada 症候群の診療に関するガイドライ ンの改訂が、前倒しで進められることに決定したが、これは、本研究における遺伝性不整脈症例の集積とその解析結果により、多くの新しい知見を得たための結果で有る。そのガイドラインは、従来の2疾患のみならず、上記の6疾患を含むものとされた。このような形で、ガイドライン作成のさらなる展開を図ることが出来た。また、ガイドラインの表題も、遺伝性不整脈の診断と治療に関するというように、変更されることとなった。26年度の会のガイドライン作成班にも、本研究班のメンバーが多く参加する予定である。
結論
平成26年度単年度の事業ではあったが、この班研究は18年以来、断続的に続いており、厚生労働科学研究費補助金による先天性LQTSの登録研究(『致死性遺伝性不整脈疾患の遺伝子診断と臨床応用』(H18- ゲノム-一般-002)、『先天性QT延長症候群の家族内調査による遺伝的多様性の検討と治療指針の決定』(H23-難治-一般-088)) により、すでに先天性LQTSについては1,000例以上の遺伝子診断例とその臨床像を含むデータベースを構築しており、Brugada症候群についても登録研究(H18-ゲノム-一般-002)で、開始し、500例以上の遺伝情報を含むデータベースを有している。さらに、Brugada症候群の調査研究(H22-難治-一般-144)、PCCD (H22-難治-一般-145)、ERS (H23-難治-一般-114)、小児科領域の先天(H22-難治-一般-145、H23-難治-一般-114、H22-難治-一般-053)、性LQTS(H22-難治-一般-05)などの多くの難治性疾患政策研究事業の研究を展開してきた。26年度は先天性LQTSについて、さらに症例を集積することが出来、現在、投稿中の論文では、遺伝子診断された家族を含めて、1,938名となっており、その予後調査を展開している。Brugada症候群ERSについても、班員の青沼が中心となって、J-IVF研究会を展開し、全国レベルの登録をおこなっており、300例を越える症例の登録を得ており、従来の集積例を含めて800例以上のデータベースとなった。このような情報をオールジャパン体制で共有し、Updateな重症度分類・診療ガイドラインの確立に役立てつつある。CPVT, SQTSについては、登録のためのエクセルデータファイルを作成して、本研究班のメンバーを中心に、この入力ファイルを共有して、情報を集めている。とくに 遺伝子診断確定例を中心に、日本でのガイドライン(Consensus Statement)の作成をめざしている。
公開日・更新日
公開日
2015-06-26
更新日
-