アレルギー疾患対策の均てん化に関する研究

文献情報

文献番号
201414003A
報告書区分
総括
研究課題名
アレルギー疾患対策の均てん化に関する研究
課題番号
H25-免疫-指定-020
研究年度
平成26(2014)年度
研究代表者(所属機関)
斎藤 博久(独立行政法人国立成育医療研究センター 研究所)
研究分担者(所属機関)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 【補助金】 難治性疾患等克服研究(免疫アレルギー疾患等予防・治療研究)
研究開始年度
平成25(2013)年度
研究終了予定年度
平成26(2014)年度
研究費
7,700,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
日本アレルギー学会等により提示されたエビデンスに基づいたアレルギー疾患のガイドラインに準拠した治療を行うことで、多くの患者は日常生活には支障がない程度まで症状をコントロールすることが可能になっているが、現状では、アレルギー疾患の有病率が高く診療にあたる医師も多いため、上記標準治療が受けられず、疾患が改善しないという訴えが少なくない。アレルギー疾患の質の高い診療が全国規模で速やかに行われる必要がある。そこで、本研究では、アレルギー疾患診療の現状を調査し、アレルギー疾患診療の均てん化のための手法の開発を目標とする。
研究方法
方法は、前年度に実施した「全国のアレルギー科標榜医療機関の医師、ならびにアレルギー疾患患者に対するアンケート調査」の結果を活用することで現状と課題を“見える化”し、その内容をアレルギー科標榜医師だけでなく、患者や患者家族、一般医師、その他の医療者、マスコミ等にも周知する試みを行った。
結果と考察
その結果、50日間で30万人超の認知と、7か月間で7千人の詳細理解を得られた。閲覧者の読後感想アンケートからは行動変容に繋がる可能性を示唆するコメントが多く見られたことから、実際の臨床現場に与える影響力、実効性も示唆された。
結論
以上のことから、アレルギー疾患診療の均てん化手法として有用との可能性を得ることができた。

公開日・更新日

公開日
2015-06-26
更新日
-

文献情報

文献番号
201414003B
報告書区分
総合
研究課題名
アレルギー疾患対策の均てん化に関する研究
課題番号
H25-免疫-指定-020
研究年度
平成26(2014)年度
研究代表者(所属機関)
斎藤 博久(独立行政法人国立成育医療研究センター 研究所)
研究分担者(所属機関)
  • 大矢 幸弘(独立行政法人国立成育医療研究センター アレルギー科)
  • 海老澤 元宏(独立行政法人国立病院機構相模原病院 臨床研究センター アレルギー性疾患研究部)
  • 粒来 崇博(独立行政法人国立病院機構相模原病院 アレルギー科)
  • 相原 道子(横浜市立大学大学院医学部環境免疫病態皮膚科学)
  • 岡本 美孝(千葉大学大学院医学研究院 耳鼻咽喉科)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 【補助金】 難治性疾患等克服研究(免疫アレルギー疾患等予防・治療研究)
研究開始年度
平成25(2013)年度
研究終了予定年度
平成26(2014)年度
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
日本アレルギー学会等により提示されたエビデンスに基づいたアレルギー疾患のガイドラインに準拠した治療を行うことで、多くの患者は日常生活には支障がない程度まで症状をコントロールすることが可能になっている。しかし現状では、アレルギー疾患の有病率が高く診療にあたる医師も多いため、上記標準治療が受けられず、疾患が改善しないという訴えが少なくない。アレルギー疾患の質の高い診療が全国規模で速やかに行われる必要がある。そこで本研究では、アレルギー疾患診療の現状を調査し、アレルギー疾患診療の均てん化のための手法の開発を目標とする。
研究方法
全国のアレルギー科を標榜している医療機関の医師に対して自記式アンケート調査を行なった。また、アレルギー疾患のある患者に対してはインターネットによるアンケート調査を実施した。
結果と考察
アレルギー専門医は全体の医師の3割程度であった。また、医師のアレルギー疾患ガイドライン所有率は約4割から5割であり、ガイドラインの内容も理解されていた。アレルギー疾患診療内容については、概ねガイドラインに従って治療が行われているものの、ガイドラインに掲載されていないような診療を行っている医師やそのような診療を受けている患者が存在することがわかった。「全国のアレルギー科標榜医療機関の医師、ならびにアレルギー疾患患者に対するアンケート調査」の結果を活用することで現状と課題を“見える化”し、その内容をアレルギー科標榜医師だけでなく、患者や患者家族、一般医師、その他の医療者、マスコミ等にも周知する試みを行った。その結果、3か月間で30万人超の認知と、7か月間で1万人弱の詳細理解を得られる(いずれも推計値)結果となった。以上のことから、アレルギー疾患診療の均てん化手法として有用との可能性を得ることができた。
結論
今回の研究では、実際の臨床現場への影響度合いまで追跡検証をしていない。とはいえ、その前段として必要な「臨床現場をとりまく関係者群に現状・課題を認識してもらう」ことについては、“見える化”すなわち「一部の人だけが断片的・主観的に知っていたことを客観化して、その内容をわかりやすい形で関係者に周知したり社会的認知を得る」手法が一定の実効力を持つ可能性が示された。

公開日・更新日

公開日
2015-06-26
更新日
-

行政効果報告

文献番号
201414003C

成果

専門的・学術的観点からの成果
回答率が15%であり疫学調査としては低いものの全国アレルギー科標榜医のアレルギー疾患ガイドラインに関する問題点が浮き彫りになった。
臨床的観点からの成果
全国アレルギー科標榜医のアレルギー疾患ガイドラインに関する問題点が浮き彫りになった。科学的に完全に否定されている高額なIgG検査によって食物アレルギーの診断を行い食事制限をしているものが16%もいる実態があきらかとなったことを受けて、上記検査法に対する日本アレルギー学会の公式見解を発表した。
ガイドライン等の開発
特にないが、ガイドラインの盲点があきらかになった。
その他行政的観点からの成果
全国アレルギー科標榜医のアレルギー疾患ガイドラインに関する問題点が浮き彫りになった。
その他のインパクト
2014年9月9日日経新聞で報道、そのほか、2015年1月にかけて朝日新聞と共同通信社を介して地方各紙にて報道された。さらに、2015年5月28日日本アレルギー学会第64回学術集会市民公開講座にて成果を発表した。

発表件数

原著論文(和文)
0件
原著論文(英文等)
0件
その他論文(和文)
0件
その他論文(英文等)
0件
学会発表(国内学会)
0件
学会発表(国際学会等)
0件
その他成果(特許の出願)
0件
その他成果(特許の取得)
0件
その他成果(施策への反映)
0件
その他成果(普及・啓発活動)
1件

特許

主な原著論文20編(論文に厚生労働科学研究費の補助を受けたことが明記された論文に限る)

公開日・更新日

公開日
2015-06-25
更新日
2018-06-26

収支報告書

文献番号
201414003Z