文献情報
文献番号
201412053A
報告書区分
総括
研究課題名
生活習慣病の治療・予防における統合医療の包括的な有用性評価
課題番号
H25-循環器等(生習)-一般-029
研究年度
平成26(2014)年度
研究代表者(所属機関)
林 邦彦(国立大学法人群馬大学 大学院保健学研究科)
研究分担者(所属機関)
- 野田 光彦(国立国際医療研究センター研究所)
- 磯 博康(国立大学法人大阪大学 大学院医学系研究科)
- 清原 裕(国立大学法人九州大学 大学院医学研究院)
- 岩谷 力(国立障害者リハビリテーションセンター)
- 星地 亜都司(三井記念病院)
- 水沼 英樹(国立大学法人弘前大学 大学院医学研究科)
- 久保田 俊郎(国立大学法人東京医科歯科大学 大学院医歯学総合研究科)
- 鈴木 庄亮(国立大学法人群馬大学)
- 李 廷秀(リ チョンスウ)(国立大学法人東京大学 大学院医学系研究科)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 【補助金】 循環器疾患・糖尿病等生活習慣病対策総合研究
研究開始年度
平成25(2013)年度
研究終了予定年度
平成27(2015)年度
研究費
7,240,000円
研究者交替、所属機関変更
-
研究報告書(概要版)
研究目的
本研究班は,各種の統合医療法における有効性と安全性のエビデンスを,世界の研究論文のシステ
マティック・レビューおよび既存コホート研究のアウトカム評価から包括的に整理して,わが国にお
ける生活習慣病の発症予防や進展予防に資する安全な統合医療法を見出すことを目的としている。
マティック・レビューおよび既存コホート研究のアウトカム評価から包括的に整理して,わが国にお
ける生活習慣病の発症予防や進展予防に資する安全な統合医療法を見出すことを目的としている。
研究方法
3年の研究期間の2年目である本年度は,(A) 疾患発症予防や進展予防に関するシステマティック・レビュー論文(以下、SR論文)の網羅的検索による評価,およびエビデンス評価の不足領域の選定,(B) わが国の既存コホート研究での統合医療法の利用実態調査を行った。
結果と考察
(A) SR論文の網羅的評価の結果,[1]循環器系疾患群では,抽出された270論文を評価して予防に関す
るSR論文12報を特定した(効果以外のSR論文が2報,効果あり4報,効果なし6報)。[2]運動器系疾患
群では,抽出された222論文を評価して予防に関するSR論文30報を特定した(質評価で除外6報,効果
判断不能3報,効果あり17報,効果なし4報)。[3]婦人科系疾患群では,抽出された35論文を評価して
SR論文23報を特定した(効果以外のSR論文が1報,効果判断不能3報,効果あり8報,効果なし11報)。
これらSR論文の網羅的評価結果から,SR論文が不足しており,メタ解析が必要と考えられる統合医
療法の評価課題を研究班で検討した。その結果,[1]循環器系疾患では「ハーブ療法と冠動脈疾患予防」,「茶など各種飲料摂取と糖尿病予防・血糖レベル管理」,「森林浴と血圧など心血管系疾患リスク管理」,[2]運動器疾患群では「部分浴・入浴療法と運動器疾患進展の予防」,「サプリメント・健康食品と運動器疾患進展の予防」,[3]婦人科疾患群では「補完代替療法全般と周閉経期での障害」が必要課題とされた。
一方,(B)の本年度の調査から,女性コホートでの腰痛・膝痛の有訴者(n=2,404)に対して,医師の処方としての保存的療法や手術療法のほかに,医師の処方以外の統合医療法として,各種体操,ヨーガ,鍼灸,整体・カイロプラクティック,マッサージ,温泉・足湯,健康食品・サプリメントなどが利用されていた。
るSR論文12報を特定した(効果以外のSR論文が2報,効果あり4報,効果なし6報)。[2]運動器系疾患
群では,抽出された222論文を評価して予防に関するSR論文30報を特定した(質評価で除外6報,効果
判断不能3報,効果あり17報,効果なし4報)。[3]婦人科系疾患群では,抽出された35論文を評価して
SR論文23報を特定した(効果以外のSR論文が1報,効果判断不能3報,効果あり8報,効果なし11報)。
これらSR論文の網羅的評価結果から,SR論文が不足しており,メタ解析が必要と考えられる統合医
療法の評価課題を研究班で検討した。その結果,[1]循環器系疾患では「ハーブ療法と冠動脈疾患予防」,「茶など各種飲料摂取と糖尿病予防・血糖レベル管理」,「森林浴と血圧など心血管系疾患リスク管理」,[2]運動器疾患群では「部分浴・入浴療法と運動器疾患進展の予防」,「サプリメント・健康食品と運動器疾患進展の予防」,[3]婦人科疾患群では「補完代替療法全般と周閉経期での障害」が必要課題とされた。
一方,(B)の本年度の調査から,女性コホートでの腰痛・膝痛の有訴者(n=2,404)に対して,医師の処方としての保存的療法や手術療法のほかに,医師の処方以外の統合医療法として,各種体操,ヨーガ,鍼灸,整体・カイロプラクティック,マッサージ,温泉・足湯,健康食品・サプリメントなどが利用されていた。
結論
現在の我が国での統合医療の利用を鑑みたとき,世界のSR論文の網羅的なシステマティック・レビューから,SR論文が不足している領域として,「ハーブ療法と冠動脈疾患予防」,「茶など各種飲料摂取と糖尿病予防・血糖レベル管理」,「森林浴と血圧など心血管系疾患リスク管理」,「部分浴・入浴療法と運動器疾患進展の予防」,「サプリメント・健康食品と運動器疾患進展の予防」,「補完代替療法全般と周閉経期での障害」の6課題が挙げられた。この6課題を中心に,来年度はメタ解析および既存コホートでのアウトカム研究を実施する。
公開日・更新日
公開日
2015-09-11
更新日
-