研究マインドを持つ臨床医に対する疫学教育プログラムの開発と基盤整備

文献情報

文献番号
201412033A
報告書区分
総括
研究課題名
研究マインドを持つ臨床医に対する疫学教育プログラムの開発と基盤整備
研究課題名(英字)
-
課題番号
H25-循環器等(生習)-一般-004
研究年度
平成26(2014)年度
研究代表者(所属機関)
高橋 理(聖ルカ・ライフサイエンス研究所 臨床疫学センター)
研究分担者(所属機関)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 【補助金】 循環器疾患・糖尿病等生活習慣病対策総合研究
研究開始年度
平成25(2013)年度
研究終了予定年度
平成27(2015)年度
研究費
9,000,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
質の高い医療を提供するためには、根拠に基づく医療(EBM)を実践することが必要不可欠である。EBM を支えているのは医療現場の疑問から発する臨床研究からの質の高いエビデンスであり、実際に診療を行っている医師がリサーチマインドを持ち臨床研究に関与することが重要である。しかし、臨床医が臨床研究を行うにはリソース(教育・メンターなど)や時間の不足などのバリアが報告されている。そこで、本研究では、忙しい臨床医が臨床を継続しながら研究マインドを習得することを目的とし、1)臨床研究e-learning 教育プログラムの構築 2)臨床研究メンター手法の標準化 3)支援ネットワークの構築 4)国際協力体制の構築を行う。
研究方法
臨床研究e-learning 教育プログラムの主な目標は研究プロトコルの作成である。学習方法は、ビデオなどの教育ツールを自己学習するだけでなく、学習者とメンターが1つのグループとして参加しグループ内・間でディスカッションしながら学ぶ双方参加型e-learning であり、学習効果が期待されている。3年目には臨床教育病院と地域病院・クリニックなどでの実行可能性と学習効果を検証する。
また、国内で臨床研究支援を行っている臨床研究メンターを招集して会議を定期的に開催し、メンター手法の標準化を行い臨床研究メンターマニュアルとしてまとめ、メンターの質の確保・育成が期待される。メンターネットワークに加え、生物統計学者などの専門家の支援ネットワークを構築しシェアすることでリソースの有効活用が可能となる。
結果と考察
臨床研究に必要な研究プロトコル作成のためのe-learning 教育プログラムを作成した。前半が臨床疫学・後半が医療統計学を中心に、1レクチャ10分前後の合計24レクチャ8Moduleで構成されている。これを基に、各病院やクリニックから医師30人が登録参加した。そのうち、20人(67%)が最終研究プロトコルを作成終了した。10月より新たに10人医師がe-learningを開始し、フィードバックを受けながら継続している。3年目は、全国各地で臨床研究ワークショップを開催し、臨床研究ネットワークを構築する予定である。
メンターの役割やメンター制度の標準化を図り、その普及を行うためのメンタリングワークショップを行った。(参加者17名)。米国と日本とのシステムの違いより、日本の臨床研究環境に適したメンターリングが必要とのことより、3年目の今年は、Dr.Feldmanと継続的に共同しながらメンタリングマニュアル日本版を作成する予定である。それを基に、臨床研究メンタリングワークショップを各地で開催する予定である。
臨床研究の手法を学ぶことは女性医師の復職に効果があるのかに関する質的研究は医学教育学会で発表し、現在、論文作成中である。その結果を基に、質問紙を利用した量的研究のための、質問紙の作成し全国の男女医師を対象とし調査を行った。3年目にその分析発表予定である。
結論
臨床研究e-learning 教育プログラム構築し、臨床研究メンター手法の標準化を進めている。しかし、遠隔よりインタネットを通して臨床研究支援を継続する上での問題点、アイデアの創出、データ抽出、モチベーション継続の困難さが明確になり最終年度はそれらを検討し、支援ネットワークの構築 を目指す。

公開日・更新日

公開日
2015-09-11
更新日
-

研究報告書(PDF)

収支報告書

文献番号
201412033Z