文献情報
文献番号
201412031A
報告書区分
総括
研究課題名
人口構成、社会経済状況、生活習慣の変化を考慮した疾病構造と経済的負担の将来予測
研究課題名(英字)
-
課題番号
H25-循環器等(生習)-一般-002
研究年度
平成26(2014)年度
研究代表者(所属機関)
井上 真奈美(東京大学 大学院医学系研究科健康と人間の安全保障(AXA)寄附講座)
研究分担者(所属機関)
- 大久 保一郎(筑波大学医学医療系保健医療政策学)
- 斉藤 功(愛媛大学大学院医学系研究科看護学専攻)
- 横山 徹爾(国立保健医療科学院生涯健康研究部)
- 西 信雄(国立健康・栄養研究所国際産学連携センター)
- 山岸 良匡(筑波大学医学医療系)
- 野田 愛 (池田愛)(順天堂大学医学部)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 【補助金】 循環器疾患・糖尿病等生活習慣病対策総合研究
研究開始年度
平成25(2013)年度
研究終了予定年度
平成27(2015)年度
研究費
7,310,000円
研究者交替、所属機関変更
-
研究報告書(概要版)
研究目的
本研究の目的は、わが国において今後予想される人口構成、社会経済状況及び生活習慣の変化を同時に考慮し、2050年頃までの疾病構造の動向を予測することである。特に、死因構成と主要生活習慣病である循環器疾患・がんの罹患に焦点を当て、健康日本21(第二次)に関連する危険因子の変容による疾病構造の変化とその経済的負担を複数のシナリオを用いて示すことにより、今後わが国に求められる健康増進施策のあり方に資すると同時に自治体の健康増進施策への活用をめざす。
研究方法
本年度は、昨年度に収集した各種情報をもとに、変容シナリオに関連する危険因子の性・年代別の保有率や平均値等の分布、及び、各危険因子の日本人の循環器疾患及びがんに対する相対危険度の代表値を集計・要約した。また、死因別死亡及びがん罹患値を予測推計し、地域における虚血性心疾患、脳卒中の死亡率・罹患率の推移を検討した。回帰モデル及びシステム・ダイナミックスモデルの2法により2050年頃までの疾病構造の変化の予測を実施した。関連して、国民健康栄養調査データを用いて、循環器疾患の主要なリスクファクターである高血圧と過体重について、その集積状況を検討した。また、日本人における2050年までの婚姻状況を予測し、婚姻状況に関連する余剰死亡者数を推計した。経済的負担については、推計の際に必要な、目的別・疾病分類別医療費に関する統計情報の入手を進めた。また、40歳の仮想コホートを用いて罹患率、死亡率等が変化することによる80歳までの累積医療費への影響を推計した。
結果と考察
国民健康・栄養調査、人口動態統計、国勢調査情報、性年齢階級別人口構成、がん罹患全国推計値から、変容シナリオに関連する危険因子の性・年代別の保有率や平均値等の分布、及び、各危険因子の日本人の脳血管疾患、虚血性心疾患及びがんに対する相対危険度の代表値を集計・要約した。地域における虚血性心疾患、脳卒中の死亡率と罹患率の推移は、死亡率と罹患率の動向がほぼ同様の傾向を示していた。回帰モデルによる2050年までの予測では、高齢者における死因は、各因子の改善目標の達成により、脳血管疾患・虚血性心疾患の死亡数がやや低下したが、悪性新生物については変動が少なかった。また、システム・ダイナミックスによる糖尿病有病数シミュレーションでは、2015-2022年にかけて糖尿病患者数が増加することが推測された一方、糖尿病罹患率を同期間に25-50%減になるように漸減させた場合、糖尿病有病者数は2016-2017年に減少に転じることが推測された。循環器疾患の危険因子である高血圧と過体重の集積状況は、現時点では、中高年者では過体重を伴わない高血圧や食塩過剰摂取を伴う高血圧が多く、肥満対策のみならず非過体重者を含めた減塩対策についても重点を置く必要があることが示された。また、社会経済状況については、今後2050年にかけて、独身者の割合が大きく増加することに伴い、独身関連死の数が増加することが示された。40歳の仮想コホートの80歳までの累積医療費を推計した結果、罹患率が10%減少すると約9-10%医療費が減少し、死亡率が10%減少すると7-8%増加することが示された。
結論
昨年度に収集した各種情報をもとに、回帰モデル及びシステム・ダイナミックスモデルにより、危険因子の変容による疾病構造の変化を予測した。また、今後の人口構成や疾病構造の変化に伴う、婚姻状況の死亡への影響や累積医療費への影響を予測した。
公開日・更新日
公開日
2015-09-11
更新日
-