日本人の健康・栄養状態のモニタリングを目的とした国民健康・栄養調査のあり方に関する研究

文献情報

文献番号
201412017A
報告書区分
総括
研究課題名
日本人の健康・栄養状態のモニタリングを目的とした国民健康・栄養調査のあり方に関する研究
課題番号
H24-循環器等(生習)-一般-005
研究年度
平成26(2014)年度
研究代表者(所属機関)
西 信雄(独立行政法人国立健康・栄養研究所 国際産学連携センター)
研究分担者(所属機関)
  • 奥田奈賀子(人間総合科学大学 健康栄養学科)
  • 佐々木敏(東京大学大学院 医学系研究科 公共健康医学専攻)
  • 横山徹爾(国立保健医療科学院生涯健康研究部)
  • 三浦克之(滋賀医科大学社会医学講座公衆衛生学部門)
  • 中村雅一(国立循環器病研究センター予防健診部)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 【補助金】 循環器疾患・糖尿病等生活習慣病対策総合研究
研究開始年度
平成24(2012)年度
研究終了予定年度
平成26(2014)年度
研究費
7,200,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
日本人の健康・栄養状態のモニタリングに不可欠な国民健康・栄養調査の結果の価値を高め、健康施策および研究により効果的に活用することを目的として実証的な研究を行った。
研究方法
国民健康・栄養調査のデータは、厚生労働大臣に調査票情報の提供の申出を行い、承認を得て利用した。
結果と考察
①国民の平均エネルギー摂取量の減少要因に関して分析を行い、1995~1997年と2009~2011年の間の平均エネルギー摂取量の減少の一部が、特に欠食率の増加と身体活動量の減少に関連していることを明らかにした。②国民健康・栄養調査における身体状況調査会場への来場とエネルギー摂取量の関連について分析し、被調査者が身体状況調査会場に来場して行われる食物摂取状況調査票の記入内容の確認・是正が、エネルギー摂取量の過小評価を防ぎ、データの信頼性を向上させるために重要である可能性が示唆された。③国民健康・栄養調査の血液検査への協力に関連する要因について分析し、人口規模が小さい市町村に居住していることや農林水産業に従事していること、身体的に活動的であることが血液検査への協力に関連していることが明らかとなった。④地域ブロック別に肥満者の割合の変化を検討し、1995~1997年から2009~2011年にかけて特に男性の肥満者の割合が全ての地域で増加したが、地域間のばらつきは減少し、肥満者の割合の増加は地域格差が縮小する方向で進行していることが示唆された。⑤1995-2010年のデータをもとにBMIの推移と栄養摂取状況調査による食行動の推移について全国および地域ブロック別の状況を検討した結果、男性のBMI上昇傾向、女性での低下傾向は、それぞれ若年者で収束しつつあると考えられ、地域ブロック別では大都市を有する地域ブロックで平均BMIが比較的低値である傾向が観察された。⑥身体状況調査会場に来場した対象者における血圧測定の精度を検討し、身体状況調査会場に来場した対象者においても収縮期・拡張期血圧値ともに「0」に偏る末端数字傾向を確認した。⑦水銀を含む機器の製造・輸出入を禁じた水俣条約の2020年発効に伴い、水銀血圧計使用中止に伴う代替測定法を検討した。厳格な測定精度検定済の水銀レス血圧計を用いた聴診法への移行が提案できるものの、末端数字傾向など測定者側の技術的問題、聴診法を実施可能な人材確保など解決すべき問題も残ることを指摘した。⑧国民健康・栄養調査における歩数測定は任意の1日における測定であることから、系統的な誤差の有無について某職域のデータをもとに検討したところ、任意の1日の測定であっても測定対象者の1日の歩数をほぼ反映していると推測された。⑨国民健康・栄養調査における歩数と日常の身体活動量の関連を分析したところ、歩数と身体活動指数の相関係数は統計学的に有意であったが低かった。⑩国民健康・栄養調査における血液検査項目の長期精度管理の経年的な観測を続けた。
結論
対象者に身体状況調査会場への来場を促し、血圧測定や栄養摂取状況調査票の確認を厳格に行うことが重要であること、地域ブロック別の結果の提示など国民健康・栄養調査の結果の価値を高める工夫が必要であることが明らかとなった。

公開日・更新日

公開日
2015-09-11
更新日
-

研究報告書(PDF)

文献情報

文献番号
201412017B
報告書区分
総合
研究課題名
日本人の健康・栄養状態のモニタリングを目的とした国民健康・栄養調査のあり方に関する研究
課題番号
H24-循環器等(生習)-一般-005
研究年度
平成26(2014)年度
研究代表者(所属機関)
西 信雄(独立行政法人国立健康・栄養研究所 国際産学連携センター)
研究分担者(所属機関)
  • 奥田奈賀子(人間総合科学大学 健康栄養学科)
  • 佐々木敏(東京大学大学院 医学系研究科 公共健康医学専攻)
  • 横山徹爾(国立保健医療科学院生涯健康研究部)
  • 三浦克之(滋賀医科大学社会医学講座公衆衛生学部門)
  • 中村雅一(国立循環器病研究センター予防健診部)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 【補助金】 循環器疾患・糖尿病等生活習慣病対策総合研究
研究開始年度
平成24(2012)年度
研究終了予定年度
平成26(2014)年度
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
日本人の健康・栄養状態のモニタリングに不可欠な国民健康・栄養調査の結果について、その価値を高め、健康施策の立案および評価に活用することを目的として実証的な研究を行った。
研究方法
国民健康・栄養調査のデータは、厚生労働大臣に調査票情報の提供の申出を行い、承認を得て利用した。
結果と考察
栄養摂取状況調査については、エネルギー摂取量の減少要因に関連して、被調査者が身体状況調査会場に来場して行われる食物摂取状況調査票の記入内容の確認・是正が、エネルギー摂取量の過小評価を防ぎ、データの信頼性を向上させるために重要である可能性を示唆した。習慣的摂取量の分布推定については統計学的検討を行い、改良した方法を提案した。身体状況調査の自己申告値、血圧の測定結果、装着状況別の歩行数、血液化学検査の総合誤差を検討し、標準化の重要性を指摘した。血圧値については末端数字傾向について検討するとともに、水銀血圧計の代替となる血圧計について提言を行った。さらに、歩数については一日測定の妥当性等について検討し、血液化学・血液検査について精度管理を継続して実施した。
結論
対象者に身体状況調査会場への来場を促し、血圧測定や栄養摂取状況調査票の確認を厳格に行うことが重要であること、地域ブロック別の結果の提示など国民健康・栄養調査の結果の価値を高める工夫が必要であることが明らかとなった。習慣的摂取量の分布推定については統計学的検討を行い、改良した方法を提案した。本研究の成果が今後の調査方法等の改善に活用されることが期待される。

公開日・更新日

公開日
2015-09-11
更新日
-

研究報告書(PDF)

行政効果報告

文献番号
201412017C

収支報告書

文献番号
201412017Z