文献情報
文献番号
201411043A
報告書区分
総括
研究課題名
癌特異的アポトーシスを誘導する革新的分子標的薬による難治性皮膚癌に対する治療薬の医師主導臨床治験による実用化開発
課題番号
H24-実用化(がん)-一般-008
研究年度
平成26(2014)年度
研究代表者(所属機関)
片山 一朗(国立大学法人大阪大学 大学院医学系研究科)
研究分担者(所属機関)
- 種村 篤(国立大学法人大阪大学 大学院医学系研究科)
- 金田 安史(国立大学法人大阪大学 大学院医学系研究科)
- 齋藤 充弘(国立大学法人大阪大学 大学院医学系研究科)
- 李 千萬(大阪大学医学部附属病院)
- 梅垣 昌士(国立大学法人大阪大学 大学院医学系研究科)
- 横関 博雄(東京医科歯科大学 医歯学研究科)
- 佐藤 貴浩(防衛医科大学校)
- 山崎 直也(国立がん研究センター中央病院 )
- 柴垣 直孝(山梨大学 医学工学総合研究部)
- 河上 裕(慶應義塾大学 医学部先端医科学研究所細胞情報研究部門)
- 坂口 志文(大阪大学 免疫学)
- 島田 眞路(山梨大学医学部付属病院)
- 佐野 栄紀(高知大学 医学部)
- 山本 俊幸(福島県立医科大学 医学部)
- 清原 祥夫(静岡県立静岡がんセンター 皮膚科)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 【補助金】 がん対策推進総合研究
研究開始年度
平成24(2012)年度
研究終了予定年度
平成26(2014)年度
研究費
109,140,000円
研究者交替、所属機関変更
-
研究報告書(概要版)
研究目的
革新的癌治療薬であるHVJ-Eの安全性、有効性を臨床試験で検証し、国内で医薬品として上市する事を目的として医師主導治験実施と作用メカニズムの詳細な解析を実施する。多施設での実施体制で治験を推進すると共に、第2相以降の治験実施に必要な開発体制の確立を目的として研究を実施した。
研究方法
1)PMDAへの治験届:これまでに実施した計3回の対面助言の内容に基づき治験実施に必要な書類を最終化し、施設内倫理委員会(IRB)の承認取得後に治験届を提出した。
2)医師主導臨床治験の実施:国内3施設の治験実施体制を構築、進行性悪性黒色腫を対象とする医師主導治験を国内の複数の医療機関で開始した。
3)薬効・薬理試験の実施:がん細胞に対するアポトーシス作用の増強に必要な薬効薬理検討として、癌関連遺伝子の発現と機能解析を実施
4)治験に必要な追加試験の実施:治験薬の安全性に関わる試験をGLPレベル、またはGMPレベルの試験として実施し、治験届に必要なデータを取得した。
5)治験薬の確保:これまでに確立した治験薬GMP体制で治験に必要な被験物質の製造を実施し、必要量を確保する。また、被験物質の品質確保に必要な長期安定性試験データを取得する。
2)医師主導臨床治験の実施:国内3施設の治験実施体制を構築、進行性悪性黒色腫を対象とする医師主導治験を国内の複数の医療機関で開始した。
3)薬効・薬理試験の実施:がん細胞に対するアポトーシス作用の増強に必要な薬効薬理検討として、癌関連遺伝子の発現と機能解析を実施
4)治験に必要な追加試験の実施:治験薬の安全性に関わる試験をGLPレベル、またはGMPレベルの試験として実施し、治験届に必要なデータを取得した。
5)治験薬の確保:これまでに確立した治験薬GMP体制で治験に必要な被験物質の製造を実施し、必要量を確保する。また、被験物質の品質確保に必要な長期安定性試験データを取得する。
結果と考察
1)PMDAと実施した3回の対面助言での指摘事項と追加試験データを反映した書類案(治験実施計画書、治験薬概要書、同意書、同意説明文書)を作成、IRB(学内倫理委員会)への仮申請を行ない、事務局からの指摘事項を反映した改訂案を作成した。改定した書類案で正式な審議が実施された結果、治験計画の施設内承認を取得した。
2)IRBでの承認内容に基づいて治験届を作成し、H26年8月にPMDAへ提出した。初回治験届けであったため製造工程・品質試験・安定性試験情報を治験薬概要書の追加書類として提出後、30日調査での照会事項に適切に対応した結果、書類の一部変更で治験届が受理される事となった。
3)治験届の30日調査での合意内容を対象としてH26年9月にIRBで再審議が実施され、治験計画が最終承認された。そのため、H26年10月から大阪大学医学部附属病院が医師主導治験を開始し、H26年11月から第1例目の投与が実施された。
4)大阪大学医学部附属病院で投与が実施された第1例目の結果について、第三者委員会である効果安全性評価委員会が安全性と有効性の観点から審議を行った(H26年12月)。その結果、安全上の重大な問題はないとの見解であり、第2例目以降のエントリーが承認された。
5)治験実施体制を強化するため、国立がん研究センター、静岡県立静岡がんセンターの各IRBに治験の実施を申請した。国立がん研究センターについてはIRBが承認し、治験が開始された。静岡がんセンターについてはIRBからの照会事項対応を進めており、早期の治験開始に向けた準備を進めている。
6)治験薬GMP体制下で被験物質を製造し、低用量の投与に必要な治験薬の製造を完了した。引き続き高用量の投与に必要な治験薬製造を実施中である。また、第2相以降の治験に使用する治験薬製造の準備を開始し、製造に必要な新規治験薬GMPプラント整備に着手した。
7)日本人に多い末端黒子型悪性黒色腫に対する治療効果を向上するため、予後との関連性が示唆されているNUAK2遺伝子について、発現量の解析と、遺伝子発現抑制による機能解析を実施した結果、NUAK2の発現阻害により末端黒子型悪性黒色腫細胞のアポトーシスを誘導できる事が示唆された。
8)医薬品としての承認取得に必要な企業提携をとして、提携先である石原産業株式会社と第2相治験に必要な治験薬GMP製造のスケールアップ、および新規GMPプラントの整備を開始した。更に、実施中の医師主導治験結果に基づき後期治験の実施と上市後のグローバル販売に必要な製薬企業との提携交渉を継続中である。
2)IRBでの承認内容に基づいて治験届を作成し、H26年8月にPMDAへ提出した。初回治験届けであったため製造工程・品質試験・安定性試験情報を治験薬概要書の追加書類として提出後、30日調査での照会事項に適切に対応した結果、書類の一部変更で治験届が受理される事となった。
3)治験届の30日調査での合意内容を対象としてH26年9月にIRBで再審議が実施され、治験計画が最終承認された。そのため、H26年10月から大阪大学医学部附属病院が医師主導治験を開始し、H26年11月から第1例目の投与が実施された。
4)大阪大学医学部附属病院で投与が実施された第1例目の結果について、第三者委員会である効果安全性評価委員会が安全性と有効性の観点から審議を行った(H26年12月)。その結果、安全上の重大な問題はないとの見解であり、第2例目以降のエントリーが承認された。
5)治験実施体制を強化するため、国立がん研究センター、静岡県立静岡がんセンターの各IRBに治験の実施を申請した。国立がん研究センターについてはIRBが承認し、治験が開始された。静岡がんセンターについてはIRBからの照会事項対応を進めており、早期の治験開始に向けた準備を進めている。
6)治験薬GMP体制下で被験物質を製造し、低用量の投与に必要な治験薬の製造を完了した。引き続き高用量の投与に必要な治験薬製造を実施中である。また、第2相以降の治験に使用する治験薬製造の準備を開始し、製造に必要な新規治験薬GMPプラント整備に着手した。
7)日本人に多い末端黒子型悪性黒色腫に対する治療効果を向上するため、予後との関連性が示唆されているNUAK2遺伝子について、発現量の解析と、遺伝子発現抑制による機能解析を実施した結果、NUAK2の発現阻害により末端黒子型悪性黒色腫細胞のアポトーシスを誘導できる事が示唆された。
8)医薬品としての承認取得に必要な企業提携をとして、提携先である石原産業株式会社と第2相治験に必要な治験薬GMP製造のスケールアップ、および新規GMPプラントの整備を開始した。更に、実施中の医師主導治験結果に基づき後期治験の実施と上市後のグローバル販売に必要な製薬企業との提携交渉を継続中である。
結論
1) 医師主導治験を開始するために必要な書類を最終化し、IRBの承認取得後にPMDAへ治験届を提出した。30日調査期間中に照会事項への対応を適切に実施した結果、治験届が受理され、IRBからの再承認取得後のH26年10月とH27年1月から大阪大学医学部附属病院と国立がん研究センターが、それぞれ医師主導治験を開始した。
2) 大阪大学医学部附属病院で第1例の投与が実施され、その結果について第三者機関である効果安全性評価委員会が審議した結果、安全性に重大な問題はなく、有効性も期待されるとの見解が示され、第2例目以降のエントリーが承認された。
3) 治験実施体制の強化(多施設実施体制確立)および治験薬GMP製造体制の強化(提携先企業との連携)を進め、製薬企業と提携に向けた準備を計画通り進めた。
2) 大阪大学医学部附属病院で第1例の投与が実施され、その結果について第三者機関である効果安全性評価委員会が審議した結果、安全性に重大な問題はなく、有効性も期待されるとの見解が示され、第2例目以降のエントリーが承認された。
3) 治験実施体制の強化(多施設実施体制確立)および治験薬GMP製造体制の強化(提携先企業との連携)を進め、製薬企業と提携に向けた準備を計画通り進めた。
公開日・更新日
公開日
2015-09-09
更新日
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