脳/心血管領域におけるアンメットニーズに対応する創薬研究

文献情報

文献番号
201409049A
報告書区分
総括
研究課題名
脳/心血管領域におけるアンメットニーズに対応する創薬研究
研究課題名(英字)
-
課題番号
H23-実用化(臨床)-指定-002
研究年度
平成26(2014)年度
研究代表者(所属機関)
澤 芳樹(大阪大学 大学院医学系研究科)
研究分担者(所属機関)
  • 松村 泰志(大阪大学 大学院医学系研究科)
  • 名井 陽(大阪大学 医学部附属病院)
  • 玉井 克人(大阪大学 大学院医学系研究科)
  • 中神 啓徳(大阪大学 大学院医学系研究科)
  • 宮川 繁(大阪大学 大学院医学系研究科)
  • 南野 哲男(大阪大学 大学院医学系研究科)
  • 平田 雅之(大阪大学 大学院医学系研究科)
  • 前田 和久(大阪大学 大学院医学系研究科)
  • 大薗 惠一(大阪大学 大学院医学系研究科)
  • 高倉 伸幸(大阪大学 微生物病研究所)
  • 齋藤 洋一(大阪大学 大学院医学系研究科)
  • 森下 竜一(大阪大学 大学院医学系研究)
  • 齋藤 充弘(大阪大学 大学院医学系研究科)
  • 姚 香景(ヤオ シャンジン)(大阪大学 大学院医学系研究科)
  • 彦惣 俊吾(大阪大学 大学院医学系研究科)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 厚生科学基盤研究分野 【補助金】 医療技術実用化総合研究
研究開始年度
平成23(2011)年度
研究終了予定年度
平成27(2015)年度
研究費
95,000,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
大阪大学では、早期・探索的臨床試験拠点整備事業において、世界的にも急務とされる脳/心血管領域におけるアンメットニーズに対応するため、総合大学として薬学系、工学系等の研究科はもとより、製薬企業・ベンチャー各社との連携により、シーズ探索から臨床応用への共同開発や橋渡し研究を行う創薬基盤を形成することを目的としている。本研究事業は、拠点整備事業による基盤を基に下記8 件の重点シーズに関して、医師主導の臨床試験実施を目指している。(支援シーズ) ①骨髄間葉幹細胞動員因子を用いた末梢循環不全を伴う難治性皮膚潰瘍治療開発 ②血管新生作用を有する新規ペプチドの虚血性潰瘍への応用 ③左室補助人工心臓(LVAD)を装着した拡張型心筋症に対する液性免疫異常の解明とアフェレーシス治療の確立 ④ドラッグデリバリーシステムを用いた急性心筋梗塞治療薬の開発 ⑤オキシム誘導体徐放性マイクロスフェアー(ONO-1301MS)製剤の重症心不全への適応 ⑥慢性心不全治療薬としてのHGFプラスミドの開発 ⑦脳卒中後難治性疼痛に対する経頭蓋磁気刺激装置の開発 ⑧成人重症心筋症に対する骨格筋筋芽細胞シート移植治療、小児重症心筋症に対する骨格筋筋芽細胞シート移植治療
研究方法
重点支援シーズ(8件のシーズ課題名は「研究目的」の記載参照ください)
①候補ペプチドを選定し、非臨床安全性試験の実施とともに治験実施体制を整備する。
②試験用ペプチド(SR-0379)の作成、薬効薬理試験、薬物動態試験、非臨床試験(GLP)を進め、健康人にてパッチテスト安全性試験を行う。③選択式血漿成分吸着器「AMT-0902-1」を用いて、LVAD装着者を対象にアフェレーシスを行いデータを測定・集積する。④リポソーム製剤をGMP製造し非臨床試験を実施し、並行して臨床試験を準備する。⑤各種重症心不全モデルでONO-1301MS剤心臓局所投与の有効性を確認し、並行して臨床試験を準備する。⑥虚血性心筋症慢性心不全を対象としてHGFプラスミドの医師主導の安全性治験を進める。⑦経頭蓋磁気刺激装置(TEN-P11)を用いた多施設共同医師主導治験の実施計画書を作成する。⑧成人の骨格筋筋芽細胞シート移植医師主導治験を準備し、幼若動物モデルにて小児の非臨床安全性を確認する。
結果と考察
①FIH試験前に必要な非臨床安全性試験を完了。試験薬ペプチドのパイロット合成を経て治験用製剤の安定性試験を開始した。臨床面では治験実施計画書、治験薬概要書、説明同意書の作成を開始した。②PMDAと相談し必要な非臨床毒性試験を5つ実施した。パッチテストを終了し患者での初期評価試験の準備を開始。③3例のアフェレーシス臨床研究を終了。医療機器と因果関係がある重篤な有害事象は認めなかった。④リポソーム製剤をGMPにて製造して非臨床毒性試験を実施。臨床面では治験実施計画書、治験薬概要書、説明同意書の作成を開始。⑤臨床予定投与ルートでの非臨床毒性試験が終了。臨床面では院内IRBの承認を受け治験届を提出。⑥医師主導治験を開始。⑦PMDA相談を受け治験実施計画書を作成中。⑧成人の骨格筋筋芽細胞シート移植医師主導治験は院内IRBの承認と治験届30日調査を終えて治験を開始。
結論
各シーズは、いずれもアカデミア発、アカデミア主導で臨床試験まで目指しており、基礎的研究成果の社会還元を加速すると共に、我が国の国際競争力の強化に資するものである。事業期間終了までの、医師主導治験又はFIH試験の開始を目指し鋭意取り組んでいる。

公開日・更新日

公開日
2015-06-01
更新日
-

研究報告書(PDF)

収支報告書

文献番号
201409049Z