大学の連携による職種・レベル別に対応した臨床研究・治験のe-learningシステムを展開する研究

文献情報

文献番号
201409021A
報告書区分
総括
研究課題名
大学の連携による職種・レベル別に対応した臨床研究・治験のe-learningシステムを展開する研究
研究課題名(英字)
-
課題番号
H24-臨研基-一般-002
研究年度
平成26(2014)年度
研究代表者(所属機関)
小出 大介(東京大学 医学部附属病院)
研究分担者(所属機関)
  • 木内 貴弘( 東京大学 医学部附属病院 )
  • 興梠 貴英(自治医科大学 医療情報部)
  • 原田 賢治(東京農工大学 保健管理センター)
  • 苅尾 七臣(自治医科大学 内科学講座)
  • 浜本 敏郎(自治医科大学 情報センター)
  • 吉尾 卓(自治医科大学 とちぎ臨床試験推進部)
  • 星出 聡(自治医科大学 内科学講座)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 厚生科学基盤研究分野 【補助金】 医療技術実用化総合研究
研究開始年度
平成24(2012)年度
研究終了予定年度
平成26(2014)年度
研究費
21,825,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
国の「臨床研究・治験活性化5か年計画2012」に基づき、臨床研究・治験を担う人材養成が必要であり、そのためどこでも学習可能なe-learningが注目されている。そこで大学と地域病院が連携して、基幹病院だけでなく地域医療の現場でも臨床研究を推進するための新しいe-learningシステムの構築を研究目的としている。
研究方法
3年目の最終の方法としては、メインは評価である。まずコンテンツとして不足していた初級編の「生活習慣病について」、上級編の「薬剤疫学と安全性」及びCDISCの英語として「Overview」を加えた。また評価のためには評価ツールが必要であることからアンケートを開発した。そして利用者にアンケートをこのe-learning上で実施するとともに、客観的な評価のためe-learningシステムの利用状況についても解析した。また評価については、同様に分担研究者達の自治医科大学でも実施された。またカリキュラム問題の改変についてもCRCの初級編に限っているが実施した。そしてe-learningで学習する際に今後ますます多様化するデバイスの操作性についても比較して検討した。またグローバル化対応のため欧州で臨床研究・治験のe-learningを展開しているPharma Trainについて調査した。
結果と考察
 アクセス状況を評価した結果、利用者は離島を含む全国から及び海外からもアクセスがあり、基幹病院のみならず、地域医療の現場でも利用可能なe-learningとしての目的が達せられた。そして利用者のアンケートによる評価から、満足度が8割を超えていたことも目標を達成していた。なお利用状況の評価から、利用登録者数としては平成27年2月末で1219人、初級登録者は852人、上級登録者は244人と、それぞれ目標3000人と500人に達していないが、ログインを改善し、現在も全体で毎月新規登録者数が約100人増えている。また修了証の発行数は少なく、その要件はやや厳し過ぎたとも思われた。分担研究者達の自治医科大学でもユーザー数は少なく、さらに努力を要すると思われた。またCRCの初級編の問題で改革案も出された。さらに学習時のデバイスとして、今後携帯型端末への対応も必要と思われた。グローバル化では国際的に認められるコンテンツ及び修了証となるよう米国のDCRIのみならず、欧州のPharma Trainとも連携してカリキュラムのすり合わせなども進めることとなった。Pharma Trainでは分担研究者などを対象としたレベル1、施設の代表者向けのレベル2、研究代表者向けのレベル3とあるが、まずはレベル1についてカリキュラムについてマッピングをして、設問についても共有化した。
結論
本研究の3年目の最終として、導入したシステムの評価を実施した。コンテンツの不足分は充足された。登録者数については目標の数には達してはいないが、職種別・レベル別のコンテンツや利用者の満足度は目標を達成した。また離島を含む全国から、そして海外からのアクセスもあり、基幹病院のみならず地域の医療の現場でも利用可能なe-learningとしての目的も達せられた。ただ修了証の発行数は少なく、その要件はやや厳し過ぎたとも示唆された。同様に分担研究者達の自治医科大学でも利用者はまだ少なく、さらにユーザー獲得の努力を要する。またカリキュラムの問題についてもCRCの初級編に限った検討ではあるが、改変案が出された。さらに学習時のデバイスの検討では、通常のPC等では問題ないが、携帯型端末では見づらいことや操作ミスが誘発される恐れがあり、今後それらのデバイスのさらなる普及に従って対応していくことも必要と判明した。
 最後に本e-learningシステムのグローバル化にあたって、Pharma Trainと引き続き連携を取ってカリキュラムのすり合わせを進めて、国際的に認められるe-learningとしていくこととした。

公開日・更新日

公開日
2015-06-01
更新日
-

研究報告書(PDF)

文献情報

文献番号
201409021B
報告書区分
総合
研究課題名
大学の連携による職種・レベル別に対応した臨床研究・治験のe-learningシステムを展開する研究
研究課題名(英字)
-
課題番号
H24-臨研基-一般-002
研究年度
平成26(2014)年度
研究代表者(所属機関)
小出 大介(東京大学 医学部附属病院)
研究分担者(所属機関)
  • 木内 貴弘( 東京大学 医学部附属病院)
  • 興梠 貴英(自治医科大学 医療情報部)
  • 小室 美子(東京大学 医学部附属病院(平成25年度まで))
  • 原田 賢治(東京農工大学 保健管理センター)
  • 苅尾 七臣(自治医科大学 内科学講座)
  • 浜本 敏郎(自治医科大学 情報センター)
  • 吉尾 卓(自治医科大学 とちぎ臨床試験推進部 )
  • 星出 聡(自治医科大学 内科学講座)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 厚生科学基盤研究分野 【補助金】 医療技術実用化総合研究
研究開始年度
平成24(2012)年度
研究終了予定年度
平成26(2014)年度
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
国の「臨床研究・治験活性化5か年計画2012」に基づき、臨床研究・治験を担う人材養成が必要であり、そのためいつでもどこでも学習可能なe-learningが注目されている。そこで大学と地域病院が連携して、基幹病院だけでなく地域医療の現場でも臨床研究を推進するための新しいe-learningシステムの構築を目的として本研究を実施した。
研究方法
初年度は、まず全体としてコンテンツとインフラに大別した。コンテンツは上級、初級と分け、様々な職種にも対応させるように開発した。インフラでは永続性のある標準システムとし、また複数のサーバーを一元的に利用するシングルサインオン(SSO)を適用することにした。2年目は実装とし、まず臨床研究・治験の教育について現状把握のために医療系大学及び大学附属病院を対象にアンケートを作成して調査を実施した。3年目はシステムの評価の年とし、カリキュラム問題の見直し、そして評価アンケートを開発して利用者に対してe-learning上で実施し、またアクセス状況の解析による客観的な評価もした。また3年間を通じてグローバル化を進めるため海外の施設との連携も図った。
結果と考察
コンテンツでは、生活習慣病についてなど新たな内容も含めて最終的には初級は9コマの予定を32コマ、上級は6コマの予定を15コマと予定を超えるコンテンツを実装できたことは大きな成果で、他では学べないコンテンツも含めた。
インフラでは、オープンソースのMoodleを採用し、受講者の学習管理もでき、永続性も期待できる。そしてSSOにより、UMINのIDでそのままe-learningを利用でき、運用管理の負担を軽減できた。ただしMoodleにおいてメールアドレスが必須であり、UMINのSSOでメールアドレスが未入力の際にエラーとなることがあったが、UMINのIDをベースとしたメールアドレスをデフォルトで設定することで改善した。またデバイスとしては携帯端末への対応としてさらなる見易さや誤操作防止機能についても検討する必要があると示唆された。
医療系大学及び大学附属病院を対象としたアンケートから医・歯・薬学系は、3/4以上で臨床研究や倫理の教育をしているが、看護系では半分程度で、また90%以上の大学も大学附属病院も臨床研究・治験に関するe-learningを導入していなかったことが判明し、我々のe-learningなどを活用していく余地があるものと考えられた。
受講者用アンケートを実施して、職種別・レベル別の学習を提供でき、満足度80%以上という目的も達成できていることが示された。アクセス状況の解析からは、平成27年度2月末で1219人、初級登録者は852人、上級登録者は244人と、それぞれ目標3000人と500人に達していなかった。これは先述のSSOに関する問題が影響したとも考えられるが、それも改善したことで、右肩上がりに毎月新規利用者が約100人増えており、今後もさらなる増加が見込まれる。修了証の発行状況も少なく要件が厳しかったとも思われた。そしてグローバル化も3年かけて進め、国際的にも通じるe-learningとするためのカリキュラムのすり合わせ、国際的な認定のための設問の共有などが実現し、さらなる連携も今後も進めていくこととした。
結論
大学と地域病院が連携して、基幹病院だけでなく地域医療の現場でも臨床研究を推進するための新しいe-learningのシステムの構築を目的として本研究を実施し、予定を超える多くのコンテンツを実装できた。またMoodleの実装に成功した。SSO機能も実装して運用管理の負担軽減に寄与する一方、メールアドレス未入力でエラーとなる問題も判明したが改善できた。またデバイスとしては携帯端末への対応も示唆された。
看護系大学で臨床研究や倫理の教育は半分程度に留まっている実態も判明した。また医療系大学も附属病院も臨床研究・治験に関するe-learningを殆ど導入しておらず、我々のe-learningを使用される余地があると考えられた。
評価アンケート結果から、職種別・レベル別の学習を提供でき、満足度80%以上という目的も達成できていた。ただ目標の登録者数には達していないが、ログイン機能の改善以降、右肩上がりに登録者は増えていた。修了証の発行状況も少なく要件が厳しかったとも思われた。国際的にも通じるe-learningとするためのカリキュラムのすり合わせ、設問の共有化がなされ、今後も欧州のPharma Trainと連携していくこととした。

公開日・更新日

公開日
2015-06-01
更新日
-

研究報告書(PDF)

行政効果報告

文献番号
201409021C

収支報告書

文献番号
201409021Z
報告年月日

収入

(1)補助金交付額
28,372,000円
(2)補助金確定額
28,372,000円
差引額 [(1)-(2)]
0円

支出

研究費 (内訳) 直接研究費 物品費 2,356,952円
人件費・謝金 4,065,027円
旅費 3,221,961円
その他 12,188,052円
間接経費 6,547,000円
合計 28,378,992円

備考

備考
不足分の6992円については自己資金にて対応した。

公開日・更新日

公開日
2018-06-04
更新日
-