文献情報
文献番号
201409014A
報告書区分
総括
研究課題名
PAI-1阻害に基づく新規放射線障害治療薬の臨床開発
課題番号
H24-被災地域-一般-004
研究年度
平成26(2014)年度
研究代表者(所属機関)
宮田 敏男(東北大学 大学院医学系研究科)
研究分担者(所属機関)
- 段 孝(東北大学 大学院医学系研究科)
- 市村 敦彦(東北大学 大学院医学系研究科)
- 安藤 潔(東海大学 医学部)
- 八幡 崇(東海大学 医学部)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 厚生科学基盤研究分野 【補助金】 医療技術実用化総合研究
研究開始年度
平成24(2012)年度
研究終了予定年度
平成28(2016)年度
研究費
33,700,000円
研究者交替、所属機関変更
-
研究報告書(概要版)
研究目的
申請者らは、経口PAI-1阻害薬TM5509(あるいはその後継化合物)が、放射線照射に伴う組織障害の改善薬となる可能性を発見し、現在臨床での有効性確認を目指している。放射線障害は重篤な組織障害をもたらすものであり、震災後の社会的喫緊の課題でもあるが、有効な治療薬は未だ無く、世界的に治療薬の開発が切望されている。本研究では、PAI-1阻害薬の放射線障害治療薬としての有効性を臨床試験で証明する。このアカデミア発の創薬は、震災地域の課題を震災地域のシーズで解決するものであり、「日本再生・被災地復興」のシンボルとなりうる。
研究方法
申請者らは、PAI-1阻害薬が放射線照射による組織障害を防御、治癒する画期的な医薬品になる可能性を一連の動物試験で実証した。TM5509は、申請者らが開発してきた化合物であり、ヒトPAI-1のX線構造解析を元にデザインした新規合成400化合物から、有効性、安全性、薬物動態で評価選択し、ヒト血漿での作用を確認している。そして、平成24年3月に医薬品戦略相談を行い、試験計画に反映した上で、GLP安全性試験を施行し、GMP合成/錠剤化検討を終了、平成24年度末までに治験届提出を行い、第I相試験までの準備を完了させた。平成25年度は臨床第I相試験(健常人、単回30 mgまで)を実施した。PMDAとの相談から、第I相単回試験(増量)を開始した。
結果と考察
本研究は、平成27、28年度におけるM5509のPOC取得(医師主導早期第Ⅱ相臨床試験)を目的として、平成26年度は、第I相単回試験(増量)の完遂、第I相反復試験に向けてのPMDA対面助言を実施し、第I相反復試験を無事終了した。
結論
平成27年度は、PMDA対面助言(相移行相談)を受けて、TM5509のPOC取得に向けての医師主導早期第2相臨床試験を開始する。本研究後には企業に導出し、共同開発で承認までつなげる。
公開日・更新日
公開日
2015-06-01
更新日
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